Story2
こんにちは、リタメモはやっと本題に入って行きました。ここまでではあまりそうは見えませんが、実はコレ、あまりシリアスな小説(元はマンガ)ではありません。マンガを読んでいて途中で『これギャグマンガじゃないよね!!?』と突っ込まれた事があります。
完全シリアスな物語を期待している方はこの話以降は読まないでもう一つ連載している私の『フィッチ』という小説を読んで下さいね(ってオイ
まぁ……最後の方は泣ける要素も入れたいなぁ……なんて。
笑えて泣ける物語が理想ですけどねw
笑えず泣けない私の物語には程遠いです(笑
そんなこんなでReturn Memorys、お楽しみ下さいww(ムダな前書きだな
朝焼けが、空を染めた。
陽射しが窓から差し込み、リレイトは目を覚まして起き上がる。大きな欠伸をすると、寝ぼけ眼をこすりながら隣を見た。
リザルトが、いない。
「……リザ?」
いつもならまだ寝てるのに…。
リレイトは首を傾げる。
その時、ガサ…と音がした。玄関からだ。慌てて駆けて行くと、そこには今にも家を出て行きそうなリザルトがいる。
「リザ!? どっか行くの!?」
「……!」
リザルトはこちらに気付き、一瞬表情を険しくするが、またすぐに目を伏せてドアを開けようとする。
「リザ!」
返答は無い。顔も合わせようとしない。
「むぅ〜っ……逃がすかっ」
リレイトはムスッとした表情を浮かべると、裸足で床を蹴り、軽々と跳び上がった。
そしてリザルトに蹴りをかます。
「てやああっ!」
「!?」
リザルトは突然の攻撃に驚き、しゃがむようにして避けるとリレイトに罵声を飛ばした。
「あぶな……てめ何しやがる、このチビ!!」
「一人で行くなら行かせない! どこに行くのか教えらんないならなおさら!」
そう言いながら依然不機嫌極まりない顔で、スタッと地に下りる。リザルトは何かを考えているのか間を開けてから、口を開いた。
「……お前がいると足手まといなんだよ」
彼が何をしたいのか、どこに行きたいのかはわからない。ただ、一人でどこかに旅立とうとしている事は確かだった。
リレイトにはそれが計画的な事なのか昨夜思い立った事なのかを知る由は無いが、一人で行かせる訳にはいかない。
しかし今は、黙ってリザルトの話を聞いていた。
「自分の記憶は自分で探す。お前が口出す事じゃねえ、いたってジャマになるだけだ。わかったか?」
ただ彼の瞳を見据えながら黙っているリレイト。
そんなリレイトを見てリザルトは一言、付け足した。
「――それにお前を、危険な目に合わせる訳にはいかねえだろ」
彼にはこの旅が危険になるという確証でもあるのか、それとも単なる勘なのか…、リザルトはそれ以上を告げる事もなく、ドアノブに手をかけた。
「だから……じゃあな」
「……」
リレイトは何も言わず、突然リザルトの後ろ髪を引っ張る。
「!」
リザルトが後ろを向くと、下から幼い目がこちらをじっと睨んでいた。
今まで黙っていたリレイトが口を開く。
「オレ、バカだからわかんない」
小さい声で、それでいてはっきりと、よく通る声。
「ごめん」
そしてそう、後に告げた。
何も言えず今度はリザルトが、リレイトの話を黙って聞いている。
「ジャマになるって言われてもジャマになった時じゃないとわかんないし」
リレイトの手は既にリザルトの髪から離れているが、彼は逃げようとしない。
「オレ、言われただけじゃわかんないんだよね」
頑なな意志を表した声が、静かな部屋に響いた。
リザルトは溜息をつくと、額に手を当てながら言う。
「〜……わかった……着替えて来い」
間違いなく、リレイトの勝利と言えよう。
「ったく……お前にはかなわねえな」
そう言うと、リザルトは笑みを見せた。滅多に自分に見せる事のない表情にしばし驚くと、リレイトはピースを掲げて
「だろ!?」 と顔を綻ばせた。
「オレ達のキズナは最強だもーんっ! ホラホラ、トランプ占いするとハートのエースが出ちゃいました! うれしはずかしっ、キャッ」
「死ね。」
一言で切り捨て、リザルトは仕度を促した。
「とにかく長旅になるかもしれねえんだから用意しろ!」
「……そーだねーこの旅……――かなり危険ポイし」
気が付けばリレイトは、スペードのエースをくわえていた。占いで出た結果なのか、さっきとは打って変わって怪しい笑みが浮かぶ。
リザルトは沈黙の間リレイトを見詰めると、関係ねえよ、と呟いた。
そしてリレイトに聞こえないように心の中で、そっと呟く。
元々……『安全』な生活なんて、していないのだから……。