Story0
こんにちは、風林です。
Return Memorys……略してリタメモは、私が以前マンガで趣味として描いていたものを小説化したものです。
つまり昔の作品なのでこのStory0にはありませんが話が進むにつれて本編に出てくるギャグの時代風景(!?)が違うかもしれませんが、気にしないで下さいねw(笑
「よしっ、できたッ」
明るい声と同時に、皿に盛りつけられたサラダが食卓にドンと置かれる。
色素の薄い金髪の、前髪を結んだ小学六年生ほどの男の子が、自分の並べたサラダを満足気に見て、次に目の前の長髪黒髪の少年を見詰めた。彼はその艶のある黒髪を後ろで一本に纏めている。
「今日の朝食はリレイトスペシャルサラダ! さぁさぁリザっ早く召し上がれ!」
男の子は無邪気に笑って少年にサラダを薦めるが、リザと呼ばれた少年は依然無表情で、そのサラダを見据えている。
「何がスペシャルだ普通じゃねえか。サラダだけに2時間もかけやがって」
彼の表情には怒りを表すマークさえ浮かんでいるように見える。
男の子はしゅんとなり、潤んだ瞳で自分の指に視線をやった。
「…………指ケガしても頑張ったのに」
「知るか。」
一言で切り捨てられる。
少年はサラダを口にしようとはせず、席を立ってしまった。
「リザッ朝食は!?」
「パンでも食うからいい」
そう言って無表情のまま背を向ける。ボソッと、誰がリザだと呟いた。
「酷いよリザーっ!」
その呟きが聞こえたのか聞こえてないのか、男の子はギャーギャーと泣きわめく。
「何回言ったらわかんだよ、このチビが!!」
「チビじゃないやいっっ」
少年に足で蹴られ、男の子は泣き顔で弱々しい声を出した。
「足跡ついたじゃんか…ひどい…」
だがそうは言いながらも、男の子はちゃっかりサラダをぱくついていたのだった…。