*第6章*――天界ホテル
「おれ?戻ってきたの。」
1人でトランプをやっていたセレスが言う。
「何かあったの?時間がもったいないよ。」
「俺・・・・・。」
「わかったてるよ、見てたもん。」
「なんだよ、聞いといて。」
「・・・わかるよ。」
「え?」
「その虚しさ。何も出来ない悔しさ。
話しかけても答えてくれないせつなさ・・・。
僕はそれであきらめたんだから。」
「ふうん・・。」
なぜだろう。
セレスはいつも過去の話をするとき泣きそうになるんだ。
それほど悲しいのだろうか?
いや、セレスは思い出してないし・・。
じゃあなんで・・・。。
「まあいい。休んでいきな。」
「・・・・・おう。」
何もないただ真っ白な世界だと思った天界だけど、
以外にもいろいろなものがあった。
たとえば俺が泊まることになった大きな白いビル。
このビルの中には数々の部屋。
俺みたいな死人が、休みに来るところらしいけど、
以外にも設備は整っている。
なんだかすごい高級ホテルみたいだ。
食事・・おやつは結構来るし、
お風呂とかもある。
あ、お風呂といっても水の感触わかんねえから、
たわしが1個おいてあるだけ。
たわしで体を強くこするとかすかに感触があって、
それが結構気持ちいい。
垢もでてきたりするから、天界・・・死人専用のものなのかもしれない。
でもかなり強くこすってるから、
これが現実だったら、かなり腫れ上がるだろう。
部屋数は、ここにくる奴は、
みんな俺みたいに制限時間があるやつばかりで、
ちょっと休んで出て行くから、少なくてすむみたいだ。
まわりからみたら俺もそうなんだけど、
まわりにいるのはみんな黒いモヤモヤだから、
同じ死人同士ではなせないってのは悲しいな・・。
「あーあ。」
俺は雲で出来たらしきベットにこしをかけ、
大きく横になった。