9話 ~本書~ 平原走破と登山準備
天気、それは晴れときどき雨そんな気まぐれ
~国境平原・クライド平原~〔カイside〕
カイ「なあ、いつまで続くんだ?」
リーザ「またそれか、同じ事を何度も聞くな」
カイ「だってよー暇なんだもんな」
リーザ「本でも読んでろ」
カイ「えーだってなぁ…」
アルサイム「リーザといったか…道、間違えてるぞ…」
リーザ「そんな訳無い」
アルサイム「ここでさっき戦ったんだが…」
リーザ「まさか…」
と言ってリーザは馬車を止めた
カイ「うわ…」
アルサイム「この痕は俺がつけたものだが…」
リーザ「……………」
カイ「なあ、リーザ?いい加減認めろよ…」
リーザ「………」
ハルカ「リーザさん…」
アルサイム「気を悪くするな…誰だって不得意、得意はある」
リーザ「………」
カイ「なあ?」
リーザ「………わかった…」
リーザが立って後ろに下がった…
カイ「ありがとな…」
アルサイム「では、気を取り直して…」
馬車は再び動き出す
ハルカ「リーザさん…そんなに落ち込まないでくださいよ…」
リーザ「………」
カイ「ふぅ…仕方ないし本でも読むか…」
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アルサイム「そろそろ国境だが…おまえら手形はあるのか?」
カイ「手形?」
アルサイム「手形も知らないでここまで来たのか?」
ハルカ「手形なら一人分はあります」
カイ「……」
アルサイム「一つしか無いのか?」
リーザ「こっちまで来るとあらかじめ分かっていればな…」
アルサイム「ふむ…なら仕方ないな…着いてから掛け合ってみるか…」
カイ「出来るのか?」
アルサイム「あんまりこういうことはしたくは無いのだがな…命を助けられた手前困っているのは見過ごせないしな…」
カイ「サンキュー」
アルサイム「うむ…そろそろ見えてきたぞ」
カイ「そうか」
~ダルカマイズン・カインド国境、国境の町クライド~〔カイside〕
町へ入り馬車は止まった
アルサイム「着いたぞ」
リーザ「今日はここで泊らないか?」
カイ「ああ、そうだな」
疲れたしな…いろいろと
ハルカ「あそこはどうです?」
そう言ってハルカが差したのは宿屋だった
リーザ「ふむ…」
カイ「いいんじゃないか?」
~国境の町クライド、宿屋、鳥の囀り~〔カイSide〕
カイ「すいませ~ん」
宿屋「はいよ」
カイ「部屋借りたいんですが」
宿屋「一人部屋が一泊500sn、二人部屋が一泊800snだよ」
カイ「なら二人部屋を二つ一泊で」
宿屋「なら1sr600snだよ」
カイ「わかった」
宿屋「毎度あり、二階の105号室と106号室を使って」
カイ「わかった」
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~国境の町クライド、兵舎
アルサイム「スターリア王国第三騎士団副団長アルサイムだ」
兵士「はっ!」
通行手形を現在所持していないがカインド領に入りた
アルサイム「い通してくれないか?」
兵士「しかし…」
アルサイム「急用があるのだ…内密のな…」
兵士「はっ!どうぞお通りください」
アルサイム「たすかる…」
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カイ「どうだった?」
アルサイム「大丈夫だ」
リーザ「さすがだな…」
カイ「じゃあ、いくぞ」
アルサイム「承知した」
リーザ「ふむ…」
ハルカ「はい」
~カインド領・クライド平原~〔カイside〕
広く続く草原
それを俺たちは永遠とすすむ
カイ「あ~!飽きた!いつまで続くんだよこの景色は」
アルサイム「まだまだだ。まだそんなに経ってないだろ」
カイ「もう五日だ!」
アルサイム「まだ五日だ」
カイ「まさか迷ったとか?」
アルサイム「あと二日位は平原でそこからは馬車をおりて山登りだ」
まぁ迷うわけもなく普通に進んでいるみたいだ
しかし山登りもあるのか…
カイ「えーと、…山登りってどれくらい?」
アルサイム「早くて三日、遅くとも五日、無理をしても一日ぐらいは掛かる」
カイ「えーと、うん。俺らはハルカを山の下においてさっさといくか…」
ハルカ「え~!?……でも、仕方ないですよね…」
カイ「ちょ、おい、冗談だって、ちゃんと送るよ」
ハルカ「本当ですか!?…もう…驚かせないでください…でも長くても10日無いんですね…」
確かにもう10日ぐらいでお別れか…
さみしいもんだな…
カイ「そうだ…町に着いたら宴会でもしようぜ」
リーザ「それはいいな」
ハルカ「…ありがとうございます……」
何かが動く物音がかすかにした
アルサイム「…………ん!?」
カイ「どうした?」
アルサイム「…いや、多分気のせいだ。」
カイ「…?」
~アナムサイム山脈、下部~〔カイSide〕
馬車が山の下へつき
馬車は止まる
アルサイム「着いたぞ」
カイ「やっとか~」
馬車から降り山を見上げる
空は青く光は注がれている
その山の山頂にはかすかに町が見える
アルサイム「ここからが本番だがな」
カイ「言うなよ…忘れていたかったんだからさ」
アルサイム「現実をみろ…」
ハルカ「軟弱モノですね」
カイ「お前にだけは言われたくねぇ」
ハルカ「私は女だからいいんです軟弱でも」
カイ「リーザを見習え」
ハルカ「あれは…ちょっと…」
確かにリーザの性格は男勝りだな…
ちょっとハルカには合わないか…
カイ「………」
リーザ「私がどうかしたのか?」
ハルカ「なんでもありません!!」
リーザ「…?」
カイ「それでどう行くんだ?」
アルサイム「今回は普通の冒険者用のルートを使おうと思うが…」
リーザ「構わないだろう?」
カイ「急ぎでもないしな」
アルサイム「モンスターはほとんど出ないが、盗賊は出るかもしれないから用心しておくにこしたことはないぞ」
カイ「でさ、休憩所ってあんの?」
アルサイム「2ヶ所ある」
カイ「どの辺とどの辺?」
アルサイム「3割、6割あたり進んだところだ」
カイ「そか…じゃあ何回かは野宿か」
アルサイム「そういうことになるな」
カイ「それじゃ今日は馬車で休んで…明日の明朝にはいくか」
アルサイム「そうだな」
ハルカ「そうですね」
リーザ「わかった」