5話 ~本書~ 世界の崩壊と共に冒険は始まる
少年が悩み苦しむ時、世界は崩壊を始める…
~宿屋・アラリスの羽根、7号室~〔カイside〕
…………さい
誰かが呼ぶ声がする
………てください!
気のせいじゃなく呼ばれてる…母さんか?
でも声質が違う気がする…
ハルカ「おきてください!」
寝みぃ…誰だ…
カイ「まだ寝かせてくれよ…」
ハルカ「忘れたんですか!?私たち追われてるんですよ!」
忘れてた!!
あれ夢じゃなかったのか…
俺は起き上った
そうしたら頭を打った…?
カイ「いた…」
ハルカ「いたた…」
こんなに天井低かったっけ?
前を見るとハルカが目を回してたおれて行くのが見えた
カイ「おい、ハルカ!大丈夫か!?」
ハルカ「……………………」
~1時間後~
~宿屋・食堂、カイside~
ハルカが起きるのを待って食堂に降りてきた
ハルカ「いたいです~」
カイ「だから悪かったって」
さっきはハルカが顔を覗き込んでいたようで思いっきり頭を打ったようで
カイ「もとはと言えばお前が…」
リーザ「お前たちは朝から何をやっているんだ…」
カイ「何ってナニ?」
取り敢えず適当に答えておいて
ハルカ「馬鹿じゃないですか!?ナニって何ですかナニって!」
カイ「まあそんなことは置いといて」
ハルカ「置いとかないでくださいよ~」
カイ「これからどうする?」
リーザ「くくくっ…お前らを見てると飽きないな…まず朝御飯でも食べるか」
腹が減っては戦は何とやらッてやつか・・・
カイ「そうさせて貰うか…」
ハルカ「いいんですか?こんな事してて…」
ハルカのお意見ももっともだが
俺は腹が減っている
何か食いたい
カイ「飯も食わないでどうやって逃げるんだ?」
リーザ「逃げてる途中に倒れたらどうする?」
なんて言っても昨日から何も食ってないし
こんなところでもくいそびれたらいい加減死ぬ
ハルカ「でも…」
カイ「俺は食ってから行く、いらないなら無理して食うなよ」
リーザ「おごるのは私なんだけどな…」
ハルカ「カイさんが食べるなら私もたべますよ~」
リーザ「ふふっ」
こうして飯を食べた
~辺境の村・ドルマイカ村~〔???side〕
目の前に広がる無残な死体の数
目の前に広がる赤い血の海
???「これは!?一体何があった?」
兵士「分かりません…」
これはあまりにむごすぎる…
兵士「自分たちが来た時にはすでに…」
???「取り敢えず生存者は?」
こんな状況で居るのか…?
しかしなんでこんな…
村一面が血の海だなんて…
兵士「今現在確認中ですが…おそらく居ないものだと…」
???「分かった、発見し次第報告しろ」
兵士「はっ!」
くそ…これで何件目だ…最近になって幾らなんでも多すぎる…
国民の不安をこれ以上増やすわけには…
いずれ暴動が起きても仕方ないが…
兵士「アルサイム隊長!逃げて…くだ…」
後ろを振り返るとそこには人型をした何かが兵士を剣で貫くのが見えた
アルサイム「!」
何だ…あれは…
あれがこれをやったのか…?
アルサイム「全員退避しろー!」
兵士「うわぁぁぁぁ」
逃げる兵士を順番に何事もないかのように消えては殺すを繰り返す人型…
あれは化け物か…
アルサイム「くそっ!ここは俺が引き留める!お前は逃げてこの事を騎士団長に伝えろ!」
兵士「しかし…」
アルサイム「聞けないのか!?これは俺からの命令だ!」
兵士「……っは!」
兵士を見送り俺は化け物と対峙する
アルサイム「ここからが正念場だ…さてどうするかな…」
化け物?「………」
アルサイム「くらえっ」
俺は剣を振りかざす
それを下し
斬ったように思えたが
そいつはまるで霧でも斬ってるかのうだ
アルサイム「これ…勝てるのか…?」
---------三時間後---------
アルサイム「おりゃ!」
あれからしばらくして一方的にやられるだけのように思えたが…
アルサイム「光よ集いて剣となり彼のものを斬り裂け」
光の魔法なら…
アルサイム「くらえ≪ホーリーブレード≫」
魔法が相手にヒットする
アルサイム「やったか…?」
化け物「アアアァァァァ……」
のたうちまわる化け物を助けるかのようにもう一体現れる
そうして俺を刺そうと剣を俺の首元へつきたてる
アルサイム「なっ!もう一体いただと…」
化け物2「アアア?」
あいつらは今頃王国にたどりついてるよな…
なら俺の役目ももう終わりか…
ここで終わるなんてな…
???「アルサイム!」
目の前の敵を剣が貫く
アルサイム「……?」
この声は…騎士団長…?
騎士団長「貴様には逃げる場所も無いだろう…だがしかし、私の部下を傷付けたこと許しはしない!」
騎士団長が右の剣で敵の腕を飛ばし
左の剣で首を飛ばす
その剣筋はほぼ一つの光の線のようだ…
化け物「ァァァアアアア…」
そうして化け物は倒れ黒い霧を出して消える
騎士団長「安らかに眠れ…」
兵士「団長!これは一体…」
騎士団長「見ている暇があるなら治療をしてやれ!」
兵士「はっ!」
アルサイム「流石です…コリム騎士団長」
コリム「貴様も良くやった、あれを一人で抑えたのだろう」
アルサイム「有り難きお言葉」
だが、さっきの奴らは一体…
そうして俺は気を失った…
~酒場・ロイスター~〔カイside〕
目の前に飯の山がある
そして俺とハルカはそれにかぶりつく
カイ「もぐもぐ」
リーザ「どうだ?」
ハルカ「おいしいです!」
リーザ「口に合って何よりだ」
そんなことをしていたら入ってきた二人組の男の会話が聞こえた…
男A「…おい聞いたか?」
男B「なにを…?」
男A「またあったらしいぞ、あの事件」
男B「またか…おちおち旅もできねぇな」
カイ「……?あの事件?」
リーザ「村の人間が一人残らず殺される事件の事だ」
ハルカ「え?どうしてですか?」
リーザ「なんでも魔物に襲われたらしい…」
魔物に襲われて全員死亡?
警備兵すらいないのか…?
カイ「全員殺されてる?警備兵は?」
リーザ「まあ、いたんだがそれすら死亡していたそうだ」
ハルカ「確かにへんですね…」
リーザ「気を付けた方がいいな」
カイ「ああ、そうだな。用心するに越したことはないしな」
リーザ「そろそろ時間だ、いくぞ」
カイ「ああ」
そうして
酒場を後にした
~ダルカマイズン国・南城壁~〔カイside〕
本当にこれで行けるのか…
まあ疑っても仕方ないけどな…
兵士「そこの馬車、止まれ」
いきなり捕まったぞ…
おいおい…大丈夫か…
リーザ「何でしょう?」
兵士「何の目的だ?」
リーザ「少し一人で旅でもしようと思いましたてね…」
兵士「そうか…最近は変な事件も起きてるし気を付けろよ」
リーザ「そうですか…ご忠告有難うございます…」
兵士「次!」
カイ「本当に通れたな…」
リーザ「言っただろう。でお前らどうするんだ?」
カイ「近くの村まで歩いて行こうと思ってる」
リーザ「場所は分かるのか?」
カイ「……全然」
リーザ「送るよ」
カイ「それは悪いな…何から何まで」
リーザ「お前らをここで置いてくのは気が引けてな」
カイ「すまない」
そうして俺らは国を後にした…
まずは隣の国に行かないとな…
どこまで手配状が広まっているかわからないが
早めの行動にこしたことは無いだろう…
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リーザの力によって…カイたちは無事外に出られた…
でもまだカイたちに降りかかる災難を知る者はだれ一人いなかった…