26話 ~本書~ 種目決めの波乱な模擬戦
もう駄目だ、そう思うのは個人の自由だ
~第四学園都市、クルーズナ学園 東棟 校庭~〔カイSide〕
そんなこんなでクラス全員は校庭へとやってきたわけだが
カイ「チーム全員vsチーム全員でやるのか?」
クルト「ああ、本番と同じルールでやろうと思う」
カイ「ちなみにそのルールは?」
クルト「5対5で戦う、相手が戦闘不能になるか降参した時点でその人は脱落。異常状態による戦意喪失はチーム全員が掛かった時点でそのチームの敗北となる。もちろん殺すのは禁止」
カイ「ふむ、わかった」
クルト「じゃあ始めようか」
カイ「作戦決める時間くれないか?10分程度」
クルト「分かった」
作戦を決めることになったわけだが
エーミア「殴って終わり。」
とか極端な案とか
ユーリ「魔法で全体に睡眠かけたら?」
とかなんかもう…
アールド「俺はエーミアの案に賛成だな」
ミナ「私は…魔法使えないので、エーミアさんの案に」
エーミア「じゃあ決定だねー」
カイ「どこも作戦じゃねえ!!」
俺は声をあげて抗議する
いやだってただ殴るだけって…
それで勝てるの…か…
そうか負けても良いんだ
負けたら面倒そうなのにでなくてよくなる
エーミア「じゃあカイはどう思うのさー」
カイ「んーやっぱいいわエーミアので」
エーミア「んー?そっかーじゃあ決まり!」
1分もしないで俺たちの作戦会議は終わった
はてさてどうなることやら…
俺らがぐだぐだ雑談を初めてしばらくして
時間になったようでクルトがこっちに来て怪訝そうな顔をした
クルト「じゃあ、始めるがいいか?」
カイ「ああ、問題無い」
俺たちは校庭の戦闘フィールドに出た
配置についてとは言っても
前衛 アールド、ミナ
中衛 俺、エーミア
後衛 ユーリ
というまあ普通な配置だ
俺が今回使うのはナイフで行こうと思う
そんなにまじめにやる気もないしな
クルトと絡むのがすごく面倒なんだ
相手は…
前衛 2人
後衛 3人
そんな形だ
後衛が多いのがきになるがまぁ大丈夫…何考えてるんだろう
考えるな、よし大丈夫
何が大丈夫なのかよくわかんないがまぁ大丈夫
ゼグ「そんじゃ!始め!!」
その合図で始まった
クルトは前衛にいたので剣を振りかざしアールドに突っ込む
アールドはそれをグローブで受け止めはじき返す
相手のもう一人の前衛は槍でミナと戦う
ミナは相手が振るう槍を回避している
相手の後衛は…
後衛1「生命の源、生命の火、燃え上がれ!≪Flamme≫」
魔法を唱えこっちに撃ってきた
俺はそれをナイフで切り裂き魔法を消す
エーミアは…応援していた
カイ「おまえなにしてんの!?」
エーミア「私戦うの苦手ー」
もうなんというか…
エーミアを守りながら戦えばいいのか…
後衛2「生命の源、現世の風よ、圧迫せよ!≪Wind Bombe≫」
風で球を作ってそれがアールドの方へ飛んでいく
俺はそれにナイフを投げて魔法を消す
カイ「≪Rückkehr≫」
投げたナイフを手元に戻して…
ユーリ「死の世界の氷よ、全てを凍てつかせて!≪Der Tod Eis≫」
目の前が真っ白にそまった
視界が晴れるとそこには凍りついた相手の後衛三人がいた
カイ「…は」
茫然としてしまったのは俺だけじゃなくミナと戦っていた前衛の一人もだった
その前衛の首元にミナはレイピアを突き付け
ミナ「動かないでください」
前衛1「あ、ああ…」
言うか言わないかあたりで首元にミナは手刀をおとし気絶させる
もしかしなくてもこのチーム強いんじゃないか…
アールドとクルトの方はまだ戦っているらしいが…
クルトは他の全員がやられたに気付いたらしく
顔をしかめていた
クルト「燃え上がれ!≪Flamme≫」
魔法を発動させアールドに撃つ
突然の魔法にアールドは反応したが防ぎれず飛ばされる
クルト「まさか、ここまでやるとはね」
俺は吹き飛ばされたアールドの方へ近づく
カイ「大丈夫か?」
アールド「ああ、問題無い」
アールドはそう言って立ち上がる
魔法直撃でもピンピンしてるとかなんだかな
クルト「この程度で終わる僕じゃない」
クルト「癒しよ、全てを最大の癒しをもって癒せ≪Satoshi Besserung≫」
魔法は風となり相手のチーム全員を包む
凍っていた後衛は融けて動き出す
気絶していた前衛は起きる
クルト「まだまだ終わらないぞ」
後衛1「炎よ燃え上がれそして焼きつくせ≪Flamme Laser≫」
後衛2「水よ全てを飲み込め≪Wasser Welle≫」
後衛3「風よ吹き荒れ、切り裂け≪Wind Sichel≫」
後衛の3人は三者三様の魔法を撃つ
アールドとミナはそれに飲み込まれ戦闘不能
エーミアはパニックになっている
ユーリは困ったような顔をしている
カイ「≪Deformation≫」
俺はナイフを剣に変える
それで魔法もろとも目の前の空間を切り裂いた
エーミアやユーリに迫っていた魔法は消えたが
そこには戦闘不能のアールドとミナがいる
カイ「やっぱ負けるのって嫌だな、どうも落ち着いていられない」
俺は唖然とする相手チームを後目にクルト、前衛の人を切り伏せる。殺してはいないよ?
そして後衛の3人に近づく
カイ「≪Flamme≫」
目の前で魔法を爆発させた
その余波で後衛3人は場外へ吹き飛ぶ
そうして模擬戦は幕を閉じた
~第四学園都市、クルーズナ学園 東棟 医務室~〔カイSide〕
カイ「アールド、大丈夫か?」
俺はアールドが眠るベッドのそばに座っていた
エーミアとユーリはミナの方を見ている
ミナの方はもう目を覚ましているらしい
どうやら魔法を食らう瞬間アールドがミナをかばったらしい
けどさすがに3個の魔法を一気に食らったのは大きかったらしく
しばらく気絶してるだろうと言われた
死にはしないから大丈夫なそうで安心しているが
アールド「…ん、ここは?」
しばらくってこんなに短いのか…
カイ「医務室、お前気絶してたんだぞ」
アールド「そうか、ミナは?」
カイ「お前が守ったんだろ?無事に決まってる」
アールド「よかった…で、模擬選は?」
カイ「問題無く勝った」
アールド「さすがだな、あれ見たときはさすがに死ぬかと思ったぞ」
カイ「まぁそれくらい相手も本気だったんだろ」
アールド「たしかにな、迷惑掛けてすまない」
カイ「勝てたし問題はない」
アールド「ああ俺はもうちょっと寝てからもどる」
カイ「そうか」
俺は医務室を後にして教室へと向かった
残りの種目を決めないといけないらしい…
こうなったら全力で楽しむまでだ
なんだってどーんとこい!
そんな気分で教室へと戻った