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世界の終末は何処からともなく…(旧)  作者: エルスト・レイ
第二章 新たな仲間と終わりの力
35/40

23話 ~本書~ユーリの過去

変えられない過去、今から紡ぐ未来



『異世界:過去』(10年前)


~バルスナ光国、城下町 貴族区 ミングマイア家 ユーリの自室~〔ユーリSide〕


私は、ユーリ・エイザング・ミングマイア今は7歳

生まれたときからミングマイア家を継ぐ者として育てられた

まだ7歳なのにこの世界が色褪せて見えるのもそのせいなのだろう

自分でこんな話をするのもおかしいのかもしれない

私の父さんはミングマイア家の現当主

母さんはその手伝い

そのため忙しくほとんど家にいない

親代わりの執事やメイド達も父さんに言われたからかとても厳しい

少しも自由な時間もない

朝起きてから寝るまでの時間すべて決められている


執事「おはようございます。ユーリお嬢様」


ユーリ「おはよう、セバスチャン」


セバスチャン「今日は…」


ユーリ「分かってるわ、お父様とお母様が帰ってくるのでしょう?」


セバスチャン「左様でございます」


ユーリ「じゃあ着替えるから、外で待ってて」


セバスチャン「分かりました」


そして私はいつもとは違う、ドレスに袖を通す

この作業にどんな意味があるのか、それ自体無駄なのでは…と考えながら

しかしその思考を捨て着替え終わると部屋を出た



~バルスナ光国、城下町 貴族区 ミングマイア家 玄関ホール~〔ユーリSide〕



私が部屋から出て玄関ホールに行くと丁度お様だけが家に着いたらしく

玄関が開き中に入ってきた


ユーリ「おかえりなさいませ」


父「ああ、何もなかったか?」


そう父はいつもと同じようにセバスチャンに問う


セバスチャン「はい、特に何も問題は起きませんでした」


それに対してセバスチャンはいつもと同じく答える


父「そうか、ユーリ。今日はお前に来てもらうところがある」


ユーリ「はい、分かりました」


しかし、呼ばれたのは今日が初めてだ


ユーリ「どちらに?」


父「黙ってくればいい。動きやすい格好に着替えておけ」


ユーリ「はい、分かりました」


私は部屋に戻り着替えをした

貴族の動きやすい服は決して動きやすいというわけでもないが

ドレスよりはましだと、そう思う

着替えた私はエントランスへと降りる

そうして父に挨拶をする


ユーリ「お待たせいたしました」


父「来たか、では行くぞ」


と父に連れられて館の外へと出た


~バルスナ光国、城下町~〔ユーリSide〕


いつ振りだろうか外に出るのは

出たいとも思わなかったけれど

出ろと言われたのも相当昔な気がする

出て馬車に乗る

そして少し揺られながらの旅路となる


ユーリ「どちらへ?」


と私は父に問う


父「うむ、黙ってついてくればいいのだ」


と言われ私は静かにして馬車の窓から外を眺める事にした

外の景色は貴族街から中流区、そして下流区になり国の外へと出た


~バルスナ光国、バルスナ平原~〔ユーリSide〕


国の外には広大な平原が広がっている

それは話には聞いていただけだと思っていた

こんなにきれいだとは予想も出来なかった

しばらく眺めているとどんどん国から遠ざかるのが見えた

どこまで行くのだろう

と疑問は絶えないが

父に聞くわけにもいかず

無言の中馬車が走る音だけが聞こえていた

流れる風景を見るのに楽しみながら時間だけが過ぎていく

それは一日では終わらなかった


3日を数える頃

目的地に着いたようだった

初めての長旅に私は心身共に疲れていたが父の前ということもあり無理をしていたのかもしれない

次に聞く父の言葉を私は聞き間違えかとも思った


父「お前に見せたいものがある、少しショックを受けるかもしれないが・・・」


いまいちいっている意味がわからなかったがついていく

そしてそこで見た光景は・・・


ユーリ「なんですか・・・これは」


父「・・・この術の解析を今急ぎでやっている」


ユーリ「お母様!!どうして・・・」


私は母だったものに近づくそして触れようと手お伸ばすと・・・


ユーリ「イタッ・・・」


それは何かの結界のように私の手を弾くものだった

そしてその回りを漂う魔法構築文字は見たこともない語源だった


それから何年もの間、父はそれの研究に没頭していた

いままであった地位も権力も投げ出して

私の生活は質素になっていってはいたがそれは母を助けるためだとそう信じていた

解析は思うように進みはしなかったが

私はその語源を覚えていた

忌々しいその魔法語源を解析したのかも知れなかった

だけどそれを解除すべき術はなく時間だけが過ぎていった

そして父は死んでしまい

私は親戚の援助もあり学園へと進学した

学ぶことで母を救えるかもしれないと

父のしてきたことは無駄ではなかったと


そしてあの日カイのそばにいた少女はあの魔法と同じ語源の魔法を唱えていた

その子が母のことを・・・家族を壊したなんて証拠もないのに

そして私はその子を殺そうとしてしまった


どうしても許せなかった

同じ術式の魔法を目の前で唱えたことを


それで目の前が真っ赤になって…


そのあとに気づいてしまったんだ

その子ならあの魔法を解除できるかもしれないと

だけどもう遅いのかもしれない


そうしているとカイが走って私のところに来た


カイ「ユーリ…」


その顔はとても困惑していた

それもそうだろう…カイからしたらいきなり私は…

カイの召喚獣を殺そうと…

アウラちゃんだってカイからしてみたら大切なのに

それを私の都合で…

どう謝ればいいんだろう…そんな思考で頭の中はいっぱいになっていた


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