3話 ~本書~ 異世界は波乱ばかり(中編)
人は死を目の当たりにすると強くなる…かもしれない
~牢屋~〔カイside〕
前回の話から1日経過
はぁ…この国はつくずく腐ってるな…
昨日の間に国についてハルカから聞いたんだが…
ざっとまとめると
ダルカマイズンは現在3カ国と交戦中
簡単に終わる予定が相手が手を組んで戦況が一転したため国王がそりゃあもうぶちぎれて
税は上がるはどうのこうのって家計も大変
町は美しかったらしいのだが心が腐った連中が暴れてボロボロ
その結果
税が集まらない
金が減るばかり
戦争もきつくなり
国王がますます切れて兵士殺したりなんのって…
で、親を殺されたハルカが国王を恨んで殺そうとして捕まったらしい…
カイ「はぁ…」
ハルカ「スピー…zzZ」
で、ついでに言うと今は深夜2時と言った辺りかな
おれがなぜ起きてるかと言うと…
殺されるかもしれない恐怖で寝れないんです…
ハルカ「スーピー…zzZ」
こんな中ハルカが恨めしいぜ…
カイ「めっちゃ疲れた…コク…」
―6時間後―
カイ「ふぁぁぁあああああ、寝みぃ」
やばい全く寝れなかった…
兵士「ほら飯だ」
カイ「飯…って、これだけ?」
兵士「文句付けるなら食わなくてもいいんだぞ」
カイ「いえいえ食べますよ」
って言ってもなぁ…
内容
パン1切れ
薄そうな具も無いスープ
カイ「はぁ」
ハルカ「ため息ばかり吐くと幸せも逃げますよ」
幸せなんて、もうねぇよ…
カイ「贅沢言えないのは分かってるんだが…」
ハルカ「なら、我慢ですよ」
カイ「はいはい」
ハルカ「ぐうぅぅぅぅううう」
こいつw
カイ「……お前、飯食ったのか?」
ハルカ「///一応…」
カイ「はぁ…やるよ」
まぁ女の子に食事が足りないのはな…
俺ならあと何日かくらいなら食事抜いても大丈夫か…
ハルカ「え…って、何をですか?」
カイ「俺の朝飯だよ」
ハルカ「ほんとぉ?やったぁ!」
カイ「兵士さん」
そう呼んで
こっちに来た兵士に朝食を渡す
兵士「ん?なんだこれは?」
カイ「俺の飯…隣のハルカって奴に」
兵士「言ってる意味が…」
カイ「いいからいいから…な?」
兵士「うむ…分かった」
そう言って離れて行った兵士
兵士「ほら」
ハルカ「わーい…有難う……」
すごい速度で食べる音が聞こえてきた…
ハルカ「ふぅー…おいしかったです」
カイ「食うのはやっ!」
とても速いと思う
ハルカ「そうですか?これくらい普通ですよ…」
カイ「そうなのか…まあ何にせよ警戒心は薄れた見たいでよかったよ」
ハルカ「べっ…別に物につられた訳じゃ無いんだから…」
めっちゃ物に釣られたやん…
カイ「さて…どうするかな…」
兵士がこっちに来て俺に話しかけてきた
兵士「おい!お前!」
カイ「ん?どした?」
兵士「王が呼んでいる来い!」
カイ「はぁ…面倒だな…」
本当に面倒だ
兵士「つべこべ言わずにこい!」
兵士は近づいて鍵をあける
来たなこれは…
多分兵士も気は抜いてるはず…
チャンスはいまだ!
俺は兵士の背後にまわり…
首を絞め落とす…
カイ「案外いけるもんだな…」
ハルカ「すごい…ですね」
俺は兵士の持ち物をあさり…
ハルカ「…何してるんですか?」
その中から鍵を見つける
カイ「お!あったあった」
ハルカ「なにがですか」
カイ「お前もくるだろ?」
で、ハルカの方へ鍵をあけに…
カイ「え…?」
そんなわけないよな
ハルカ「どうしたんですか?」
カイ「いや…なんでもない」
今度こそ鍵を開けてやる
ハルカ「え…ありがとうございます!」
カイ「喜ぶのはまだ早い…まずはここを出ないとな…」
さて…どうやってここから抜け出すか…
ハルカ「そうですね…どうしましょうか…」
カイ「あ、そうだ…ちょっと耳かせ…」
多分これならいけるだろ…
ハルカをよんで
ハルカ「…なんですか?」
耳元で作戦を話す
カイ「ごにょごにょ…」
ハルカ「ほんとにそんなんでいけるんですか…?」
カイ「大丈夫だって…多分…」
まぁ確証はないがいけるはず
ハルカ「多分ってなんですか?多分って!」
遠くから新たな兵士の足を音が聞こえる
カイ「静かにしろ…人が来る…」
俺は急いでさっき気絶させた兵士の鎧をはぎ取りそれを身につける
カイ「案外熱いな…これ…」
兵士「どうした!遅いぞ!」
カイ「すいません…連れ出すのに苦労しまして…」
ハルカ「痛いですー離してくださいー」
カイ「黙れ!」
兵士「取り敢えずそいつだな連れ出すのは…」
カイ「はいそうです…」
兵士「まあいい、早く連れて行け!」
カイ「はっ!こい!」
ハルカ「ぶ―ぶー」
~城廊下、カイside
牢屋での作戦もうまくいき城の廊下までやってきたんだが…
カイ「な、うまくいったろ」
ハルカ「はい!ここからどうするんですか?」
カイ「それだよな…」
なにせ道がわからん
カイ「ところでさぁ…ここどこ?」
ハルカ「知りませんよぉ来てからずっ牢屋だったし…変に連れまわしたりするから…」
カイ「どうすんだよ…」
ハルカ「知りませんよ…」
どうする…どっちが外への道だ…
また兵士の足音だ…
カイ「やばい!隠れろ!」
ハルカ「え…」
どんどん近付いてきて
俺らが隠れた物陰の前に来て
止まって話し出しやがった…
兵士「あいつ遅いな…王がきれてるぞ…」
兵士「あいつ死亡確定だな…」
兵士「気の毒にな…」
どれくらいの時間がたったのだろうか
兵士が離れるのを確認して
物陰から俺らは出た
カイ「ふぅ行くぞ!」
ハルカ「えっどっちに?」
カイ「こっちだ…」
取り敢えずここから出なきゃな…
出口は分からないけど…