9話 ~本書~ 入学式前日(前編)
新しい一歩は小さいながらも大きい
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 自室~〔カイSide〕
いつも通りの朝
最近はずっと天気がいい
このまま何もないことを願うしかないものなのか…
天気がよくてもやることもなくぐだぐだしているよりも
外で鎌の練習でもしてたほうがいいのではないのか…
明日は入学式だしゆっくり過ごすのもいいのかもしれない
最近はもっぱらアウラを構ってなかったし
今日くらいゆっくりしてるのもいいのかな
そういえばここって学食みたいなのがあるんだろうか
アウラなら多分あるよな…
でも最近物をくった記憶がないんだよなぁ
別に腹が減るわけでもないからいいっちゃいいんだが
ちょっときになるくらいだしな…
それにしても今日の朝はゆっくりていて気持ちがいい
こんな朝がいつまでも来ればいいんだけどなぁ
そうも言ってられないんだけどね
カイ「ふはぁ」
まだ眠いかも…
寝ようかな…
うとうとしかけてた時…
誰かがノックもせずに部屋に来て…
俺にめがけてダイブされた…
カイ「いってぇ!」
アウラ「…大変」
どうやら突っ込んできたのはアウラだったようだ…
カイ「とりあえず降りような」
アウラ「…ん」
乗ったままのアウラにそう言って降りてもらう
そして聞きたいことを聞く
カイ「どうした?」
アウラ「…ん」
そう言ってアウラが指差した
その方向をみると…
何かがいた
カイ「なんだ?あれ」
アウラ「…わからない」
カイ「起きてあんなのがあったからあわてて起こした…と?」
アウラ「…ん」
カイ「今度からは突っ込んでくるなよ」
アウラ「…ん」
カイ「さて、あれどうしようかな…」
そう呟いてその不明なものに近づく
形から言うとあれだな
黒い幕をかぶった何かみたいなかんじで…
近くの窓が割れてるから窓からきたんだな
つまり幕はカーテンか…
この下に何があるのやら…
少しめくってみると
白い足?みたいなのが見えたから幕を戻した
カイ「ぬ?」
アウラ「…ん?」
カイ「きっとあれだ…部屋を間違えたんだな」
アウラ「???」
予想なんだがこの下にいるのは人なのではないだろうか…
確認するためにカーテンを思いっきりめくりあげると…
カイ「…ごめん」
めくりあげたカーテンを戻しながらそう言った
なんでかって?
めくった先に見えたのが裸の少女だったから…
カイ「…はぁ」
どうしてこうも問題ばっかり起きんのかなぁ
最近いつも何か起きてる気がしてやまない
アウラ「…どうするの?」
カイ「ほうっておこう、いずれ起きるだろう」
アウラ「…ん」
そう自分の中で結論付けカーテンにくるんで少女を持ち上げベットへ運んでおく
そしてわれた窓のガラスを片づけて
カイ「窓、どうしよ…」
まぁロビーの人にでも言っておこう
なんとかなるだろ…
カイ「腹が減らん」
アウラ「…ん」
カイ「最近何も食べてないのに…なんでだ?」
気になったことを聞いておく
アウラ「…体…魔法でできてるから…」
カイ「え?」
アウラ「…ご飯食べなくても魔力…あれば生きれる」
カイ「うん…そうか…」
アウラ「…ん」
カイ「なるかぁ!!」
つまりあれか?
俺ってもう人じゃなくないか…
どうゆうことだ
でも人なのか?
わけがわからん
カイ「だめだ」
アウラ「…なにが?」
カイ「落ち着くために頭冷やしてくる」
アウラ「…ん」
そして俺は外に出た
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 庭園~〔カイSide〕
俺はしばらく歩きベンチに腰掛け池を見ていた
カイ「はぁ」
さっきの事は衝撃的だったがそこまでじゃない
それよりもどんどん人から離れている自分に恐怖すら感じる
本当にこれでよかったのだろうか…
かけらをこれ以上集めてもいいのか…
アウラは本当に信用できるのか…
カイ「こんなこと思うのは俺らしくないぞっと」
気分転換に何かしようにも何もする気にならないしなぁ
魔法は…昨日みたくなるとめんどうだし
鎌は振るのは…振ってようかな…
カイ「はぁ」
何もする気にならないし寝てようかな…
そう思いベンチに横になろうとした時…
寮のほうから人が来た…
よく見てみると…
アウラだった
カイ「ん?」
アウラ「…起きた」
と走ってきたアウラはそういった
しかし俺、まだ寝てないんだけどなぁ
カイ「俺は起きてるぞ」
アウラ「…ちがう」
カイ「じゃあ、誰が?」
アウラ「…知らない人」
カイ「わざわざ知らない人が起きたって伝えに来たのか?」
アウラ「…ん」
カイ「それでどうすればいい?」
アウラ「…きて」
そう言われたので俺はアウラの後をついて行った
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 自室~〔カイSide〕
そして到着したのは自分の部屋だった
カイ「忘れてた…」
アウラ「…ん」
部屋にいる少女をみるとタンスをあさってた
カイ「そこにはまだ何も入れてないんだけどなぁ」
少女「あわわわわわ」
カイ「なにしてるんだ?」
少女「べ、べつになにもしてませんよ!」
思いっきり嘘をついていた…
まぁいいけどさぁ
カイ「どっから来たの?…窓から、つまり窓の外からか」
少女「そうなんです~窓の外にすんでます、てへっ」
カイ「ホームレスか…ごめんなぁ知らなくて」
少女「ちがいますよ!!自分から振っておいて何なんですか!?」
カイ「それで泥棒さん、名前をお聞きになってもよろしいでしょうか」
少女「えへへ~だーめ」
そう言ってほほ笑む少女
…結構可愛い…
カイ「かわいく言えば見逃すとでも思ったのか?」
少女「だめ?」
カイ「そうだな、昨日爆発的な炎が庭園であがったろ?」
少女「そうですねぇ」
カイ「あれ、俺やったんだわ」
少女「すごいですね!」
カイ「お前の事もああできると仮定して話を進めるけど、名前は?」
少女「つまり言わなければ爆発!?」
カイ「想像に任せる」
少女「え!?」
カイ「で、いうのか?名前」
少女「言います言います!!」
カイ「そうか、いい子だなぁ」
少女「はい、いい子です、私はあなたの奴隷です!!」
カイ「言えよ」
セエラ「名前ですね!!セエラ・ミラスタークです」
カイ「セエラか」
セエラ「はい!そうですはい」
カイ「まぁいいけどね」
セエラ「もう帰ってもよろしいでしょうか!」
カイ「だめだ」
セエラ「はいわかりましたって、えー」
カイ「まぁ嘘だけど」
セエラ「では、さようならー」
カイ「またなー」
そういってセエラは全力でダッシュして消えていった
だいぶ面白いやつだな
カイ「まだ昼なんだよなぁ…」
午後はなにをしようかな…
普通に明日の準備でもしよう…
できたらだけど…
そんなこんなで俺は入学式の準備を始めた…