7話 ~本書~ 入学準備(前編)
世界は廻る止まることも知らずに…
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 自室~〔カイSide〕
窓から朝の光が差し込む
まだ入学式まで3日ある
なのでゆっくりとしていようと思っていたが…
ドアをたたく音が聞こえた
アウラ「…カイ」
どうやらアウラがよんでいたようだ
寝起きの働かない体を起こしベッドから降りる
カイ「どうした?」
アウラ「…お客さん」
来客があったのか…
それなら急がなきゃな
服を私服に着替え部屋から出る
そしてリビングへ向かうと
いつかの少女エーミアがいた
カイ「…ん」
エーミア「ひさしぶりー」
カイ「ひさしぶり」
エーミア「でもここの部屋いいねー」
カイ「そうなのか?、でなにかあったか?」
エーミア「昨日ね、私の友達がねぇ、黒髪の男に襲われそうになったって言っててね」
カイ「ふむ」
エーミア「そしたらね、その人を好きになっちゃったみたいでね」
カイ「…ん?」
エーミア「黒髪なんて珍しいしカイのことかと思ってね」
カイ「聞きに来たのか…」
エーミア「そおなんですー」
昨日襲われそうになったって…まさかな
カイ「どこで会ったんだ?その人」
エーミア「えーっとね、庭園のベンチで寝てたみたいでね」
ベンチで寝てて…
やっぱり昨日の事か…
カイ「たぶん俺…かな」
エーミア「やっぱりー、いくらユーが可愛いからって襲っちゃだめだよー」
カイ「そもそも襲ってない、てかユーって?」
エーミア「私の友達のユーリ・エン・ミングイアちゃんにきまってるじゃんー」
カイ「昨日の子の名前聞いてなかったしなぁ」
エーミア「そうだったのかー」
カイ「ああ」
エーミア「それでね、教科書とかってもう買った?」
カイ「机にのってたやつじゃダメなのか?」
エーミア「なにそれー」
カイ「ちょっとまってな」
そう言って俺は部屋に戻り教科書を何冊か手に取りリビングへ戻る
カイ「これなんだけど」
エーミア「本当にあるんだー」
カイ「そっちはないのか?」
エーミア「ないんだよねぇ」
カイ「買うの手伝おうか?結構重いし荷物持ちくらいならやるけど」
エーミア「ほんとー?ありがとー」
カイ「いつ行く?」
エーミア「じゃあー今日の昼を兼ねて今いこー」
カイ「ユーリさんはいかないのか?」
エーミア「今呼んでくるねー」
カイ「寮の外で待ってる」
エーミア「わかったー」
そんな会話をして俺とアウラは寮の外に出た
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟~〔カイSide〕
ここにきてからしばらく待つと寮の中からエーミアと昨日の少女が出てきた
カイ「よう」
エーミア「まったよねー」
カイ「そうでもない」
ユーリ「え!?」
カイ「ん?」
エーミア「どうしたのー」
ユーリ「なんでこいつが?」
カイ「こいつってなんだよ」
エーミア「待ち合わせしてるって言ったじゃんー」
ユーリ「こいつだなんて聞いてない」
カイ「こいつって…そういや自己紹介まだだったな、カイ・エイサイだ、よろしく」
ユーリ「ふん、あなたに名乗る名前なんてないわよ」
エーミア「でもさっき教えちゃったー」
ユーリ「まぁいいわ…もう」
エーミア「それじゃあ、いこー」
そんなこんなで俺たちは商業地区に向かうため学園を出るために校門へ向かって歩き出した
カイ「学園内に売ってないのか?」
エーミア「売ってるよー」
カイ「なんでそっちに行かないんだ?」
エーミア「あ」
カイ「え?」
エーミア「間違えたー」
カイ「じゃあそっち行こうぜ…」
エーミア「そうだねー」
校門につく前に購買へ向かった
~第四学園都市、クルーズナ学園 東棟 購買~〔カイSide〕
店員「どうもー新入生ですかー?」
エーミア「そうですー」
店員「じゃあ教科書4セットでいい?」
カイ「俺はいらないです、それとこいつも大丈夫です」
店員「そうですか、なら2セットですね」
エーミア「はーい」
店員から教科書を受け取りお金を払う
そして…
エーミア「おもいねー」
カイ「手伝おうか?」
エーミア「私は大丈夫、ユーのを手伝ってあげてー」
ユーリ「私も、大、丈夫、だから」
カイ「大丈夫じゃねぇじゃねぇか貸せよ」
そう言って半分くらい取る
ユーリ「あんたが手伝いたいなら別にダメっては言わないけど」
カイ「手伝いたい所存でございます」
ユーリ「ばか」
教科書を受け取り俺たちは寮へ戻る
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟~〔カイSide〕
カイ「どこまで運べばいい?」
エーミア「部屋までー」
カイ「お前らって相部屋?」
エーミア「そうだよー」
カイ「そうか…部屋の前までって思ったけどさぁ」
エーミア「ん~?」
カイ「男と女って階別れてるじゃん」
エーミア「そうだよー、でもカイの部屋は別だよねー」
カイ「そういえばそうだな」
エーミア「そうだよー」
カイ「そうじゃなくって、俺入っても大丈夫か?」
エーミア「大丈夫だってー」
カイ「そうか…」
そんなこんなで3階のエーミアたちの部屋へ向かった
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 3階~〔カイSide〕
とくに何事もなく部屋の前にたどりついた
ユーリ「ここで大丈夫」
カイ「そうか?」
ユーリ「部屋まで入ってくる気?」
カイ「いいなら」
ユーリ「だめに決まってるでしょ!」
カイ「そうか、ならここまでだな」
そう言って俺はユーリの教科書をユーリに渡す
ユーリ「く…」
やっぱり重そうだなぁ
部屋に入るのは気が引けるし
カイ「んじゃ、帰るか」
エーミア「そう?またねー」
ユーリ「……ありがと」
最後にユーリがなんか言ってた気がするが俺は3階から出て4階の自室へと向かった
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 自室~〔カイSide〕
部屋に戻り今日出来事を振り返る
どうせなら同じクラスならいいなぁ
知らないやつばっかりじゃちょっと大変そうだし
そうなるかはわからないけど
結構楽しくなりそうだ…