6話 ~本書~ 安定と波乱と勘違い
何の犠牲もなしにして人は何かを得られるのだろうか
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟~〔カイSide〕
カイ「寮があるって聞いたけど何処にあるんだ?」
アウラ「…あっち」
そう言ってアウラは東棟を指差した
カイ「あれって寮だったのか」
アウラ「…ん」
カイ「俺も大丈夫なのかな…」
とりあえず中に入ってみたが…
カイ「結構きれいだな…」
アウラ「…ん」
中の見た目は学園の教室棟とは違ってホテルのようだった
受付に向い入れるかを聞いてみた
カイ「カイ・エイサイですけどここの寮って入れますか?」
受付嬢「本年度入学の学年首席のカイ様ですね」
カイ「まぁ」
受付嬢「大丈夫です、部屋のほうは4階の奥の411号室になっています」
カイ「ありがと、行ってみるか」
受付嬢「こちらが部屋の鍵になっています」
階段を上り三階についた
そして部屋の前にたどり着いた
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 自室~〔カイSide〕
カイ「ここか…」
ドアを開けると…
廊下がありそこを進むとリビングがあった
でリビングの右側と左側の二つに部屋があった…
二つ?
相部屋かなんかか?
とりあえずリビングでくつろぐことにして
椅子に座った
カイ「ふぅ…」
とりあえずこれからのことだな…
アウラのこともあるし
俺自身のこと
そしてハルカのことだな
時間に関してはどうしようもないしなぁ
今のところの目標は魔法の扱いの方法をもっと知ることと
時間をさかのぼるためあの部屋に戻ることだな
しかしだ
どうも体が重い
寝てないこともないんだがな…
さすがに野宿しながら来て
いきなりテストで疲れてんのかな
少し休むか…
部屋のベットへ向かいベットに倒れようとしたところで
先客がいた
アウラも疲れてたのかな…
リビングにいないと思ってたら
ここで寝てたのか
起こさないようにリビングに戻り
眠いし
テーブルに突っ伏して寝るかな
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次に目を開けた時には
すっかり夜更けていた
俺はアウラの様子を見るために
部屋へ行った
部屋に入るとアウラはまだねているようだった
ちょっと外の空気でも吸うかな…
そして俺は外へ出た
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟 庭園~〔カイSide〕
外へ出て近くの公園みたいな所へ出てきた
カイ「んー」
体を伸ばして…っと
しばらく公園の池の周りを歩いていると
近くのベンチに座って寝る俺と同じくらいの年の少女がいた
風邪ひかないかな…
俺はその少女に近づいて上着を掛けようとしたところで
少女は目を覚ましたようだ
少女「ん…」
カイ「ごめん、起こしちゃって」
少女「いえい…キャー」
いきなり叫ばれた
まぁそうだよな
寝て起きていきなり
知らない人が目の前にたってたらな
カイ「ごめん」
少女「わ、私を襲おうとしてたんですか!?」
カイ「そんなつもりは…」
少女「嘘ですね」
カイ「嘘じゃねぇ、なんで俺が君を襲わなきゃいけないんだ」
少女「じゃあ何をしようとしてたんですか!」
カイ「俺は君がこんなところで寝て風邪ひかないかなって思っただけで…」
少女「ほんとですか?」
カイ「ほんと、ほんと」
少女「むむむー」
どうやら誤解は少し解けたようだ
しかし少女に顔を近づけられて思いっきり睨まれてるな…
ここまで近いと少し顔を前に出せばキスできそうだな
まぁ、それはやらないけどね
それにしてもこの少女はなんで俺の顔を凝視してるんだ…?
なんかついてんのかな
カイ「そんなにおれの顔をみてさ、なんかついてる?」
少女「え…ひゃあ!」
驚いて思いっきり顔を引いて
そのままベンチごとひっくり返っていった
少女「い、痛い…」
どうやら頭を打ったみたいだった
カイ「大丈夫か?」
そう言って近づいて手を差し出すと
少女は顔を赤くして手を払ってきた
少女「大丈夫です!」
少女は立ち上がりベンチを元に戻した
そしてどこかへ行こうと歩きだした
カイ「じゃあなー」
少女「ふん」
反応も薄くいそいそと立ち去る少女を見送り
姿が見えなくなったところで
カイ「俺もそろそろ戻るかな…」
そう呟き寮へと戻ることにした
来た道をしばらく戻り
公園からでて寮へと入った
~第四学園都市、クルーズナ学園 西棟~〔カイSide〕
ロビーに入り受付へと向かった
カイ「すいません」
受付嬢「はい、何でしょう」
カイ「俺の部屋って相部屋ですか?」
受付嬢「何号室でしょうか?」
カイ「ああ、411です」
受付嬢「少々お待ちください、今調べますので」
カイ「はい」
すこしぼーっとしていると
受付嬢「お待たせいたしました」
カイ「はい」
受付嬢「相部屋ではありません」
カイ「ありがとう、じゃあなんで二部屋?」
受付嬢「使い魔が人型だそうなのでこちらで用意しました」
カイ「そうだったのか」
受付嬢「おこまりですか?」
カイ「むしろありがたいくらいだ」
受付嬢「そうですか」
カイ「いろいろありがとう」
受付嬢「いえいえ、また何かあったらいつでも仰ってください」
相部屋じゃないならいいか
これで一つ問題は解決した
そうして俺は部屋に戻った