3話 ~本書~ 草原と町と学園と
閉じ込められた世界から出た時そこに何が見えるのだろうか
~バルスナ大陸、海岸沿いの教会~〔カイSide〕
取り敢えず外に出よう
そうじゃなきゃわかるものもわからないしな
カイ「そいえばさ、このナイフってなんにでもなるんだよな」
アウラ「…そう」
カイ「ならここの地図とかにならないかな…」
アウラ「…想像ができる範囲でなら…何でもなる」
カイ「つまり俺はここの地図をしらないから無理ってことか…」
アウラ「………」
カイ「でもさ…想像できるなら何にでもなるってことか」
アウラ「そう」
カイ「ありがとよ…取り敢えず近くに町がないか探しながら行くか」
アウラ「…うん」
そうやり取りして俺たちは教会から外に出た
~クルー草原~〔カイSide〕
草原にでてまず目に入ったのは海
見渡して見えたのは町?
カインドは山だから…相当離れたことになるが…
見えた町を目指すため俺たちは歩き始めた
しかし問題が発生した
なにせ両方とも手ぶらだ…
食事はモンスターを狩ればいいとして
野宿がきつい…
テントがない
てか水がない…
カイ「近くに水源でもあればな…」
アウラ「…ん」
まぁ森すら見えないんだ…
目的地には近づいてはいる?…はず
そうしているうちに日が暮れた
カイ「今日はここで休むか」
アウラ「…ん」
カイ「でもなぁ…魔物よけが無いんだよな…」
アウラ「…魔法」
カイ「そうか、その手があったか!」
でもなぁ
俺の結界系の魔法はな…防御系だし薄いしなぁ…
広域の魔法は…てか魔法行使中って寝れなくね?
カイ「はぁ…」
アウラ「…?」
カイ「ごめん、結界系の魔法知らない」
アウラ「大丈夫、私…わかる」
カイ「え?」
アウラって魔法使えたんだな
まぁ使えるか…
アウラ「I ασπίδα προστασίας」
アウラ「Τι είμαστε αντίθετοι με τον περιβάλλοντα」
アウラ「Invisible ευλογίες μην αφήσουμε κοντά」
アウラ「Τώρα εδώ」
アウラ「≪Κύμα ασπίδα ατυχία≫」
アウラの詠唱を聞いていると
なんだか切なくて悲しい歌を聞いているような感じになる
それでいて魔法の言葉は特殊なものだった
魔法が発動したのか
一瞬だけあたりが光った
ただそれだけ
カイ「出来たのか?」
アウラ「…ん」
どうやら魔法は発動していたようだ
カイ「この魔法って寝たらどうなるんだ?」
アウラ「大丈夫」
カイ「そうか…なら先に寝ろよ」
アウラ「んーん」
カイ「んー」
アウラ「一緒に、寝る」
カイ「は?」
アウラ「一緒に」
カイ「俺と、君が?」
アウラ「…そう」
カイ「それは…」
アウラ「なら…寝ない」
カイ「えー」
えーと…
そうだ、妹と寝るのと同じだ!
俺に妹なんていないけど…
あれ?
待て落ち着け…
俺が先に寝て…
でもそうしたらこの調子だと来るよな
俺が頑張れば…
何をがんばるんだ?
………
カイ「仕方ない…」
アウラ「…ん」
そう言って俺に寄りかかってきた…
そんなこんなでこの日俺は寝れなかった…
………………………
次の日の朝
カイ「ふああ」
アウラ「…眠いの?」
カイ「大丈夫」
あんまり大丈夫じゃないけど…
心配はさせないように…
カイ「じゃあ行こうか…」
アウラ「≪Απελευθερώστε≫」
アウラが魔法を解除し俺たちはまた、あるき始めた
そうしてそれを何日か繰り返し
俺もアウラが隣にいるのにも慣れた頃
町の入口まで着いた
俺たちは町にはいろうとしたところで
門番「お前ら!、新入生か?早くしないと遅れるぞ!急げ」
カイ「え?」
門番「学園はここから見えるあれだぞ」
そう言って門番の指を追って見上げると視えたのは城?みたいな建物だった
あれが学園ね…
カイ「ありがと?」
門番「遅れないようにさっさといけよー」
そんな会話をして俺たちは町へ入った
~第四学園都市、クルーズナ~〔カイSide〕
町に入って驚いたのは
ほとんどの人が制服を着ていたことだ…
学園生の町か…
俺がここにいるのはおかしいのか?
放送「あと1時間で入学テストを開始します」
入学テスト?
そんな時期に俺たちはここに来たのか…
放送「入学テスト参加者は至急学園までお越しください」
まぁ…俺には関係ないけどな…
カイ「なぁ…」
カイ「あれ?アウラー」
あたりを見渡すと学園の方に連れて行かれているアウラの姿が…
カイ「おい!まてって」
そう言って俺はアウラを追いかけて学園に走って行ったが…
入口まで来たところで俺は人ごみに巻き込まれてアウラとは別の方向に流されて
アウラを見失ってしまった…
カイ「おい!おすなって」
言うもむなしく…
そして…学園の教室まで押されていって
俺は試験を受ける事になってしまった
まじめに受けても落ちるだろうし
てかなんで俺まで受ける事になってんのだか…
早くアウラを探さないといけないっていうのに…
放送「それでは試験の注意を連絡します」
放送「この試験は途中辞退はできません」
放送「時間は4時間です」
放送「好きな順番で問題を解いてかまいません」
放送「カンニングは厳重に処罰します」
放送「それでは始めてください」
そうして俺は強制的に試験に参加させられた…
カイ「なんでこうなるのやら…」