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第4話 忍び寄る悪と希望の者達


 その頃、近くの街では


 「メアリー、お腹すいたからこれ買ってよ〜」

 一人の女兵士が言う。


 「ダーメ、昨日も言ってたじゃん」


 「毎日お腹はすくものなのです、だからさ〜」


 「もう、私だって買いたいものがあるからお金貯めてるんだから……今日だけだよ」


 「わーいやった〜」

 そうしてメアリーからお金を貰い、女兵士は近くの店に走って行った。


 (はぁ、あの子は…………うん?あのメイドは)


 「あの、これを」

 メイドが沢山の食べ物を買っていた。


 「あの〜失礼ですが魔王城のメイドですか?」

 メアリーが声をかけた。


 「は、はい……そうですけど」


 「あの、魔王は何してるんですか?」


 「魔王様は今は忙しくて居ますよ、色々とあるみたいなので。

 それでは」


 「あの、魔王様にこれを」

 メアリーが渡したのは数枚の金貨だった。


 「あのこれは?」


 「私を助けてくれたお礼です、今は聖騎士として頑張っていると伝えてください」


 「は、はぁ……」

 メイドは受け取り、買い物をしていく。


 (良かった、でも忙しくしているって色々と大変なのかな?

 最近、王族の間で何かあったらしいし)


 「ユニス、これ忘れているから」

 先ほどのメイドを叱る金髪メイドが居た。


 「あ、シュリナさん……ごめんなさい」


 「いいの、でも気をつけないと魔王様が怒るからね」


 「はい」


 「……何?」

 金髪メイドはこちらを見ていたメアリーに気づく。


 「あの、魔王様って怒ると怖いんですか?」

 メアリーが聞く。


 「怖いかと言うと……うーん、あんまり怒った顔を見せたことないけどね。

 それよりもあんた、聖騎士でしょ?

 こんな所をぶらぶらとしてていいの?」


 「今は休憩中なんです、だからぶらついているだけですよ。

 勿論、依頼とかもやってますから」


 「ふ~ん、まぁいいわ。

 じゃあね」

 そう言い金髪メイドはをユニス連れて行ってしまった。


 (魔王城のメイドってしっかりしているんだね……)

 

 「あ、メアリー……何処行ってたの?」

 女兵士が戻って来る。


 「あ、ごめんごめん。

 少し話をしててさ」


 「ふ~ん、まぁいいやそれよりもさ凄い情報を聞いたんだけど、ルル王女が亡くなったんだって」


 !


 「王女が!?なんで?」


 「それはよく分かんない、何でも王女が泊まった街一つが消滅したんだって、やばくない?」


 「……これ、聖騎士のみんなは知ってるのかな?」


 「さぁ、でも聖騎士にはそんなに関係ない事だからね。

 王族のお話に関わるとめんどい事があるし」


 「……そう……だね……」


 「どうしたの?」


 「ううん、何でもない。

 早く戻ろう」


 「そうだね」


 そうしてメアリーと女兵士は聖騎士の家に戻るのでした。


 ……。


 ……。

 それを陰で見つめる者が。


 「この街もそろそろ滅ぶべきか……確か、ここの王は平和ボケしたやつだな、爆発よりも暗殺したほうがいいか……」

 そう呟き、陰に消えていった。


 ・・・・・・・・・・・・・


 ここはソリット村、魔王城の近くのにある村である。


 「はああ!!!」

 一人の青髪ショートヘアの若い男が的に攻撃をしていた。


 「やるじゃんゼオル、剣の腕も中々じゃん」

 隣に居た茶髪ロングヘアの女が言う。


 「ミリネも強くなればいいのによ」


 「私は女の子よ、強くなる必要はありません。

 あんたが私を守ってくれるんでしょ?」


 「まぁな」


 「それでさ、最近噂になっているんだけど王族狩りがいるらしいよ」


 「王族狩り?なんだそれ?」

 

 「王族の者を狩る者らしいよ、何でも王女がそいつに殺されているらしいから」


 「マジか」


 「ゼオルよ、この剣は扱いやすいか?」

 こちらに歩いてくる高齢なおじいさん。

 この村の長老だ。


 「勇者の剣?っていっていたっけ?使いやすいぜ、軽いし丈夫だし最高だよ」


 「それは良かった、それよりもお前らに挑戦してもらいたいダンジョンがある」


 「え?私も?」


 「ダンジョンって魔物がいる場所だろ?そこに言ったらなんかあるのか?」


 「ああ、ダンジョンマスターを倒した後宝箱が現れるだがその中に光の弓がある、それを手に入れるんじゃ」


 「光の弓?それは強いのか?」


 「ああ、それを扱うのはミリネじゃ。

 ゼオルはその場所まで導いてあげるのじゃ、勿論お主がダンジョンマスターとやり合うのじゃぞ」


 「ダンジョンマスターか!強いのかな?」


 「近くにダンジョンの入り口がある、装備やアイテムの整理はしておいたほうがいいぞ」


 そう言い長老は行ってしまった。


 「私が弓矢を扱うの……なんだか不安かも」


 「どうしてだよ」


 「一度も使った事ないから、私でもやれるのかな?」


 「心配すんなよ、それにミリネは強いだろ?俺よりも器用だし」


 「ふっふーんそうよね!アイテムは大丈夫そう?」


 「まぁな、回復ポーションは沢山入れているぜ。

 勿論魔力が回復するポーションもな?」


 「じゃあ行こうダンジョンに!」


 「ああ!行くぞミリネ」


 「うん!」

 そうして2人は近くにあるダンジョンの入り口へと向かうのでした。


 ダンジョン内は少し涼しく、湿っぽかった。


 「冷えてるな」


 「そうね」


 そうして2人で歩いていると目の前に魔物が現れた。


 「行くぜ!スラッシュ!」


 「ぐぎゃああ!」

 魔物は簡単に倒せた。


 「余裕だな」


 「期待してるよゼオル」


 「ああ、任せろ」

 そうして2人は道中魔物に会うがゼオルの攻撃で簡単に倒してしまった。


 そして数十分でダンジョンマスターの居る場所までたどり着いた。


 そして奥へと進むと


 「待ってたぞ、勇者よ」

 居たのは鎧の魔物だった。


 「勇者?俺の事か?」


 「ああ、その剣は勇者の剣だ。

 お前は勇者の血を引き継いでいる、そして隣りにいる女もだ」


 「え!?私も?」


 「ああ、お前は勇者と共に居た弓矢使いに似ている……昔の勇者に会ったような気分だ」


 (俺達が勇者の血を?……初めて知った、長老は知っていたのか?)


 「それで俺達は光の弓を手に入れてこいって長老に言われた。

 その、ダンジョンマスターを倒したら貰えるらしいからな」


 「いかにも、ここのダンジョンマスターはこの俺だ。

 亡霊の騎士とでも呼ぶといい、さぁ剣を構えろ」


 ゼオルは鞘から剣を抜いた。


 「いざ、参る!!」


 ガキン!!


 (コイツ早い!)


 ガキン!


 ガキン!


 (ゼオルが押されている!?このダンジョンマスターは結構強いの!?)


 「やられるかよ!!スラッシュ!」


 (ぐっ!)


 「きかんよ!!その程度ではな!!はああ!」


 「ぐわああ!!」

 亡霊の騎士の攻撃がゼオルに直撃する。


 「ポーションを」

 ゼオルはポーションを飲んだ。


 「!」


 ゼオルは亡霊の騎士の攻撃を避けた。


 (あぶねー、ポーション飲んでいるときくらい止まっていてくれよ)


 「さぁやるぞ!勇者よ!」


 「ここでお前を倒して、光の弓を手に入れてやる!!!」


 ガキン!


 ガキン!


 ゼオルが優勢になり、そして


 「とどめ!!!火炎斬り!!」


 「ぐわあああ!!!」

 亡霊の騎士は膝をついた。


 「ど、どうだ……はぁはぁ」


 「見事……俺を倒した……流石勇者の血を引く者だけある。

 あっぱれだ……」

 グシャ。


 亡霊の騎士は砕けて砂となり消えた。



 そして少し開けた場所に宝箱が現れた。


 「お!行こうぜミリネ」


 「うん」

 そうして2人は宝箱に近づき開ける。

 

 その中には弓と数本の矢が入っていた。

 真っ白の弓だ。



 「これが光の弓?普通の弓みたいだけど」

 ミリネは持ち上げ手に持ってみる。


 「まぁ、長老に聞いてみたらどうだ?知ってるかもだし」


 「そうだね」

 そして2人は村へと戻り長老の家におもむいた。


 「手に入れたようじゃな」


 「長老、これの何処が光の弓なんだ?光ってないぞ?」


 「ほっほっほ!そんなことか、まぁまずは広い場所に行くぞ」

 長老はいい家を出る。


 そうして少し広い所へと行き


 「ミリネ、その弓を構えて魔力を流し込むんじゃ」


 「魔力を?」


 「そうじゃやってみろ」


 「うん!」


 そうしてミリネは弓を構え矢を取り付け魔力を流し込むと


 !?


 「ひ、光ってる!?」

 弓が光輝く。


 「これが光の弓じゃ、魔力を込めればこうなる。

 光属性の攻撃となるのじゃ、すごいじゃろ?」


 「うん!」


 「なぁ長老………俺達、ダンジョンマスターから言われたんだけど俺達って勇者の血が流れているのか?」


 

 「………ああ、いかにも……お前の先祖は勇者だった。

 そしてミリネ、お前の先祖も勇者の仲間の一人だった」


 「やっぱり」


 「お前達にはやってもらいたいことがある、元勇者の仲間の血統の者を探し、この先起こるであろう災厄に備えてもらう」


 「災厄?どんな事が起きるんだ?」


 「お前達も知っては居るが王女が殺されたのは知っているな?」


 「うん、聞いた話によるとね」


 「そしてその王女を殺った者は神と名乗っているそうだ」


 「神だ?ふざけたことを言うやつだな」


 「それだけ強いんだ、わしも実際には見てないからよく分からんがこのままじゃと王族の者達は一人残らず殺されるだろう、じゃからお主達にはその者を守ってほしいのじゃ。

 仲間を見つけながらじゃけど」


 「いやいや王族の者達に関わるとめんどいんだろ?

 俺はあんまり乗り気じゃないんだが、それに王族の者って強い人たちなんだろ?

 そんな神とか名乗る頭のおかしな者に負けるとは思えんのだけど」


 「わしもそう思っとった、だが街一つが一夜にして消滅させられたんだ。

 ルル王女が滞在していた街だ、それが一夜にしてだ。

 どれだけ強いかそして残忍か分かるだろ?それに見て見ぬふりはお前達には出来んだろ?二人共」


 「まぁ……それは分かる……だけど、もしもミリネに危害が及ぶなら俺はやりたくない。

 ミリネは俺の大切な人なんだ、危険に晒したくない」


 「ゼオル……」


 「お主の先祖もそう言っておった、昔……わしの祖父から聞いたのじゃがお主のように拒んでいた、危険に晒したくないと、全く同じじゃな。

 まぁ、過去の勇者だ、お主はお主……嫌なのじゃな」


 「待って!私、ゼオルと行くよ」


 !?


 「ミリネ!?何で」


 「私さ、この弓を持って思ったんだ。

 この弓があればゼオルの隣にいられるって、私もゼオルの手助けが出来るって……だから、私もついて行くから。

 文句なんて言ったら平手打ちしてやるもん!」


 「ミリネ………ああ、分かったよ。

 でも、危険な事には足を突っ込むなよ」


 「気をつけるんじゃぞ、世界は広い……色んな人達に会い、色々と学べ」


 「分かったよ」


 「行ってきまーす」


 そうして2人は村を出て行った。





 

 


 

 

 

 

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