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人気ジャンル:異世界[恋愛]

王子に愛を伝えたところ、向こうも愛していました。でも王宮は危機的状況です。

作者: 神離人
掲載日:2023/08/19

 『愛は腕力によって成就する』。

 この格言は、国を治める支配者層の愛を

 的確に表しているものである。


 国を治めるためには闘争力、

 即ち"勝ち残るための力"が必須であるからだ。


 令嬢は"支配者一族"の1人だった。

 令嬢に求められる愛は、

 "勝利"のみである!


「令嬢。お前の想い人である

 王子を狙う者は多い。

 婚約解禁日は1時間後だ。

 抜かるでないぞ」


「任せておきな令嬢公爵!

 王子は俺が頂く!」


 ある豪邸の一室にて。

 令嬢公爵に呼び出された令嬢は、

 指令の内容を聞いていた。


 一族から令嬢に下された指令は、

 "王子"との婚約であった。

 令嬢は王子に恋心を抱いていたため、

 指令の内容は嬉しいものであった。


「令嬢が王子と……?

 王子を諦めたのかぁっ!

 令嬢公爵ーーーっ!」


「なっ!姉貴!?」


 突如飛んできたナイフ数本を

 蹴りの風圧ではじく令嬢。

 ナイフをな投擲したのは、

 令嬢の姉である令嬢司令官だった!


「何のつもりだ司令官」


「黙れ令嬢公爵!

 令嬢如きに王子を任せるとは

 婚約を捨てたか貴様ぁ!」


「おい姉貴!その言葉は

 聞き捨てならねえな!

 文句があるなら、

 まずは攻撃だろーがっ!」


 令嬢司令官の懐に飛び込み、

 令嬢は、全力で殴り上げる!

 しかし手ごたえはなく、

 令嬢司令官はふわりと宙に浮いている。


「吾輩に挑むとはいい度胸だ!

 だが令嬢!

 打撃など通じぬわっ!」


 令嬢司令官はナイフを投げ、

 更に、鋭いダガーを振りかぶった!

 しかし令嬢も後には引かない。

 ナイフを腕で受けて、

 令嬢司令官に飛びかかった!


「ナイフで俺が止まるかぁ!

 うおおおおおおおぉっ!」


「バカめ!ダガーで一刺しに

 してくれるわあああぁっ!」


 令嬢の頭に向かって、

 令嬢司令官のダガーが

 振り下ろされる!


 しかし令嬢は体を逸らすと、

 ダガーを下から蹴り上げた!

 蹴りの勢いのまま一回転し、

 令嬢は、令嬢司令官の背後を落ちていく。


「なにっ!?」


「姉貴っ!てめーの頭こそ、

 一刺しにしてやるぜぇーーーっ!」


 令嬢は背後から

 令嬢司令官の首を掴む。

 そして落下の勢いと共に

 腕を床に突っ込んだ!


 首を掴まれている令嬢司令官は、

 令嬢ごと床を突き破っていく!


「ぐああああああああぁっ!」


 下層の床が近づく度に

 令嬢は腕を突きつける!

 下へ下へと床が抜けていき、

 ついに地盤へと到達した!


「フィニッシュ!」


 地盤になっている土を

 粉砕する勢いで、

 令嬢は拳を叩きつける。

 令嬢司令官の半身は

 流れ込んだ土砂で埋まってしまった。


「悪いな姉貴!

 俺の本気は伝わったか!?」


「す……好きにしろ……」


 土の中から

 令嬢司令官の返事が返ってくる。

 令嬢が天井を見上げると、

 穴を覗く令嬢公爵と目が合った。


「あばよ!今度会うときは

 王子と挨拶してやるぜ!」


 豪邸の床を剥がしながら、

 令嬢は出口へと向かっていった。

 その様子を見届けると

 令嬢公爵はぽつりと呟いた。


「気を付けるのだ令嬢。

 今回の婚約勝負、

 嫌な予感がする……」


 こうして令嬢は

 王子を婿とするために

 王宮へ向かった。


 しかし令嬢公爵は

 婚約にただならぬ不安を

 感じ取っていた。


 波乱を予感させる

 婚約のための戦いが

 今、始まるのだった!



----------



 令嬢が王宮前に辿り着くと

 人混みができていた。

 王宮への橋で停滞している人々を

 令嬢は吹っ飛ばしていく。


「どけどけどけぇーーーっ!」


 令嬢が駆け抜ける風圧で

 橋にいた全員が宙を舞った!

 落下していく人々を尻目に

 令嬢は王宮に辿り着く。


「どうして橋で渋滞してるんだ。

 ……な、なにっ!?

 これは一体!?」


 令嬢が王宮を見ると、

 扉が開け放たれていた。


 そして王宮の中では、

 いたるところで兵士と女が

 倒れ伏していたのだ!


「こいつらは……!

 城の兵士と……

 王子との婚約希望者か!」


「くくくく……。

 また身の程知らずが

 やってきたようだ」


「お前は……!?

 何者だてめえ!」


 令嬢が声のした方を向くと、

 柱を背にする女がいた。

 女の身に着けている漆黒のローブは

 室内であってもなびいている。


「ふっ。ただの婚約荒らしだ。

 王宮全滅……。婚約者不在……。

 騒ぎを大きくして、

 落ちぶれた王子と付き合うのが

 私のやり方なのさ」


「へえええ?そりゃ運がいいぜ!

 目撃者共なら全員、

 俺が吹っ飛ばしたからなぁーーーっ!」


 拳を構えながら

 令嬢は女に駆け寄っていく!

 しかし女は闇に包まれ、

 柱の前から姿を消した!


「消えただと!?

 とりあえず殴るっ!」


 令嬢は女の有無を気にせず、

 拳を叩きつけた!


 撃ち抜かれた柱の一部が、

 砲弾のようにまっすぐ飛んでいく!

 城の壁を突き抜けて、

 柱は城外へ飛んでいった。


「ちっ、裏にもいねえか!

 ……そこだっ!」


 背後から襲い掛かった女に

 蹴りを放つ令嬢。

 しかし女はその蹴りを

 魔砲で迎え撃つ!


「くっお前はヤバい。

 だから死ね!」


 女は魔砲を放った!

 人より大きい鉄球が

 マッハ1の速度で射出される!

 必殺技"王宮ぶっ壊し砲"が令嬢を襲った!


「うおおおおおおおおぉっ!」


 令嬢はそのまま蹴りを放つ!

 全力の蹴りである!

 蹴りは鉄球を変形させて、打ち返した!

 必殺技"令嬢パワーキック"は鉄よりも重い!


 球から円盤、そして円錐に

 変化しながら

 鉄球は女に飛んでいく。 


 女はマッハ1の反動で

 城壁に叩きつけられていた。

 自らの必殺技の反動で

 身動きの取れない状態になっていた。


「ぐわああああああぁっ!」


 巨大な鉄の塊を受けて、

 女は城外へと吹っ飛ばされていく。

 こうして城に残された婚約者は

 令嬢だけとなった!


「……勝った!」


 王宮を襲った強敵を倒し、

 1人勝ち残った令嬢。

 しかしマッハ1の余波により

 王宮は崩壊寸前であった!


「ま、まずい!

 王子はどこにいやがる!?

 出てきやがれーーーっ!」


 人命救助のために

 人を外に放り投げながら、

 令嬢は王子を探し回る。

 そしてついに王子が見つかった!


「見つけたぜ、王子っ!」


「ああ。余が王子だ。

 君は支配者一族の令嬢だよな。

 類稀なる腕力を見る度に

 余はいつも恋焦がれていたよ」


「御託はいい!

 王子、今日からお前は

 俺の婿になれ!

 支配者一族の一員になって、

 敵を粉砕しよう!」


「その誘い、喜んでお受けする。

 令嬢、君と共に

 力強く生きていきたい。

 腕力に誓って、君と強さを愛するよ」


「その言葉忘れないぜ。

 何かあったら

 全力試合でケリを付けよう!」


 こうして令嬢は、

 王子と婚約を結ぶことに成功した。


 王子は支配者一族の1人として、

 王宮復興と、自己鍛錬をこなしながら、

 令嬢と腕力で愛し合っている。

 最強の王となって、

 令嬢を支えていくことを決意していた。


 そして令嬢は、

 王子の愛を一身に受けながら

 自らを鍛え上げていた。

 王子との愛を成就させた腕力を信じて、

 最強の愛を作り上げていくのだった。


 戦いの中で実った

 令嬢と王子の婚約関係。

 これからの2人は愛し合う関係となり、

 共に強くなっていくのだ。


 晴れ渡った空の下。令嬢と王子は

 互いに愛情を感じながら

 必殺技を鍛えている。

 時には熱く、時には安らかに……。

 2人は心を一つにしながら

 共に強くなっていくのである。

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