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老人の企み事で一番割を食うのが若者なのは何故だろうか?その5


よしっ!!意を決して行くぞ!!と風呂場に足を踏み入れた瞬間背後から声がした。


「あれ?兄さんもお風呂入るんえ?」


俺は驚きの余りひょー!!みたいな声をあげ振り向くと、タオルで髪を纏めたバスローブ姿のルゥが立っていた。


「え!?あれ?中にいるはずじゃあ!?」


「え?兄さん⋯まさか覗き?」


「ちゃうねんちゃうねん!!サテラに聞いたらここに居るって言ってたからね!!そんで聞きたい事があったから外から聞こうと思ってたんだよ!!」


言われなき嫌疑をかけられ思わずオーバーリアクションで返してしまい余計怪しくなってしまった。


「う〜ん、まあええわ。ウチも風呂場にさっちゃんから借りた腕輪忘れたから取りに来たんえ」


まあええの!?


「ああ、だからここに居る事になってたのですね。そういえばバイタル反応がなかった⋯」


「お前本当にインテリジェンスを冠する存在なのか?」


「てへ!!」


誤解は解けて何よりって本題本題!!


「寝具類の天日干しができたから生活必需品の買い出しに行こうかと。そんで一緒に行くかなと思ってさ」


「行く行く。じゃあ用意するからちょっと待ってなぁ」


「いや、俺も風呂入ってリセットかけようと思うのでごゆっくりどうぞ」


「うんわかった。じゃあまた後でなぁ」


な〜んか体力をごっそり持って行かれた感じがする。まあ風呂入って色々洗濯しようや。


男の風呂はそんなに長くはない。二十分くらいで上がると寝室に戻る。俺も用意をしようと扉を開けるとルゥが備え付けのドレッサーの前でタオルで髪を乾かしていた。


「あや?早かったねぇ〜。ウチまだ時間かかりそうやわぁ。ごめんなぁ」


洗い晒しの我が髪と違い彼女のロングヘアだとこりゃかなり時間がかかりそうだ。何かいい方法はないか?


「と言う訳でサテラえもん!!今の彼女にピッタリのアイテムはありませんか?」


「ふえ!?なになに!?何かあるんえ!?」


「はいはいそうですね⋯ストレージより遠征用の屋外対応ポータブル電源を用意いたしましてと、貴方は海外対応のドライヤーを買ってください」


「ほいきた!!なんかイオンが出る奴とか買っちゃうぞ!!」


「え!?何やってるんえ!?」


自分の背後でガチャガチャやっている俺達に若干の不安を感じるルゥ。そんな俺の横にとても頑丈そうな箱型物体が現れる。残量や現状を表示するディスプレイやスイッチ類、所々にコンセントが付いておりその上には防水防塵用のカバーがはめられている。


そこに某大手メーカー製の美容を謳ったなんちゃらイーノとかなんちゃらクラスターが付いたお高めのドライヤーのコードをコンセントにプラグイン!!


戸惑い気味のルゥの髪に温風を当てる。


「わわっ!?大きな音とあったかい風が!?」


「ふふん!!これで早く乾くだろう?さあ櫛を貸しんしゃい!!」


彼女から櫛を受け取ると適度な距離で温風を当てながら髪をとかす。濡れた髪が徐々位乾いて行き滑らかな艶が出始める。


うむ!!良いぞお!!ツヤツヤサラサラで触り心地も良くなってきた。一通り乾かしたがどうだろう?


「うむ!!中々良い感じではないか?」


「艶が出てとてもいい感じですね」


「すごい⋯こんなに早く乾くなんてなぁ⋯しかもなんかいつもと違ってサラサラ感が増している様な気もするんえ」


「そりゃなんとかイオンって奴の効果じゃ無いかねえ?詳細は聞くな!!俺にもわからん!!」


「その温風が出るそれは何なん?触らせて貰えへん?」


「はいよ」


ルゥにドライヤーを渡すと彼女は不思議そうに色々な角度から眺めるのであった。


「見たことのない素材やねぇ⋯触り心地で近い物といえばあの柔らかくて透明なビンやわ」


「ペットボトルの事ですか?貴方はとても良い感性を持っておられる様ですね。原材料は同じ物で樹脂を人工的に再現したプラスチックという物です。非常に汎用性が高く軽量で丈夫。とても安定性が高いもので我が国では至る所で使われております。しかしながらその安定性ゆえ自然分解が非常にしづらく、環境汚染の原因になっております」


「そりゃ大変やねぇ⋯ん?何やら持ち手の所に突起が⋯」


ルゥはドライヤーのスイッチを押してみると結構な轟音を発し温風が彼女にかかった。


「うわっ!!ビックリした!!これ押すと動くんかぁ」


彼女はおもむろにもう一度スイッチを押すと風量が弱くなった。そしてまた押すとドライヤーは動きを止めた。ルゥはキラキラした眼でこちらを見る。


「なあなあ!!これも兄さんの国の魔道具!?」


「魔道具⋯う〜む⋯魔道具といえば魔道具か?じゃあこっちの魔術形態とは違う魔道具という事で」


「なんだかよぉ〜わからんなぁ?まあええわ、それでこの箱から魔力を得て動かしてるん?」


「その認識であっています」


「髪を乾かす道具かぁ⋯よくこんなに小さく作れるなぁ」


「ん?小さくって、これと同じ機能のものを作ろうとしたらデカくなるの?こっちの魔術って?」


「そうやねぇ、単純に考えてモノに熱を発する魔術と風を起こす魔術を刻まなあかんえ?それだけで結構な場所とるんよ。あとそれを誰でも使えるよう制御する魔術も刻まにゃあかん。どう考えても巨大化は避けられんわぁ」


「そりゃ⋯大変ねえ」


「大変ですね」


「うん、大変やわぁ」


「まあとにかく、それを使いなせい。使い方は何となくわかったろ?バッテリーが⋯おっと、箱の魔力が切れたらチャージするからその時言ってくれ」


「うん!!ありがとう」


「じゃあ、俺も用意するかな」


ストレージの中より適当な服を選び着替えるとルゥの使っているドレッサー備え付けの鏡の端を使わせてもらい髪型などチェックし俺の仕度は終わってしまった。


オシャレに無頓着な男の用意には時間がかからん。


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