老人の企み事で一番割を食うのが若者なのは何故だろうか?その1
とある老人の悪戯のお陰で、特に恋仲でもない我々は一つのベッドで就寝。よくあるラノベとかアニメだったらドッキドキのシチュエーションでしょうが、残念ながら特にその様な事はなく朝を迎えるのであった。
ああ、二人余裕で寝転がれる大きさのベッドでよかったよ。
横で寝ている彼女の顔をまじまじ見てみる。なんか警戒する事もなく幸せそうな顔で寝ていらしゃるよ。ここまで無防備なのは男として見られてないから?それはそれでどうかと思うが、別に今の関係に不満は持っていないのでどうこうするつもりも無い。
でも片乳ぐらい揉んでもバチは当たらんのでは?等と戯けた事を考えつつベッドから起き上がり朝の挨拶をしてきたサテラに返答しながら顔を洗いに洗面所へと向かう。
しかしまあ、お金持ちの屋敷って凄いね。あっちの世界とあんま変わらない生活が出来てしまうんよ。
蛇口をひねれば水やお湯は出てくるし、火を灯さずともスイッチひとつで灯りがついちゃうんだもん。
仕組みとしては魔力で動くポンプが井戸から水を吸い上げ、その水を魔力で動くヒーターが温め風呂やら水道に使われる。もちろん灯りも魔力で光る。まさに魔力文明と言っても過言では無いだろう。
こういうお屋敷には魔力を貯めておく、まあいわゆるバッテリーみたいなもんがあって、魔力が少なくなると魔術師やそれに準ずる人が魔力をチャージしに来てくれるんだと。
アルベルトさん曰く、魔術師にとって結構良い収入源なんだってさ。まあ、俺にはチャージできんけどな!!
彼女が起きる前に朝食の準備をしなくては。
台所に向かいながらメニューを考える。しかし、屋敷ってのは設備は良いが広くて必要な部屋に行くのも時間がかかっていけない。もしかして必要な物を手を伸ばすだけで取れるジャパニーズハウス最強説来ちゃったコレ!?
でも、余り狭くてもそれはそれでどうかと思う。
さて、台所に着いたは良いがメニューが全く思いつかん!!材料は不思議な通販を使えば今すぐにでも手に入るが⋯⋯とりあえずサイトを開き生鮮食品やら冷凍やらのページを閲覧する。
朝食といえば、ご飯に味噌汁、卵焼き、塩ジャケか干物、野菜系の小鉢とか思いつくが相手は異世界人だ。今まで食べてきたコチラの料理も西洋系の物が大半だった。そろそろご飯が食べたい。
でも、冒険は出来ないので一人の時に作ろう。今はそうだな、パンにスープ、オムレツ、ベーコン、サラダ、果物に紅茶にオレンジジュース等どうだろうか?
いかにもだろう。ラズールの家で食べた朝食もそんな感じだった。
早速サイトを漁るが、殆どがまとめ買いやないか〜い!!通販の特性上仕様がないのではあるが。まあいいや、買っちまえ。今まで観てきたこの手の作品のストレージは時が止まっているのがお約束!!中に入れときゃ腐りはしないだろう!!多分!!
必要な物をポンポンとカゴの中に入れ購入決定。朝食の材料で銀貨数枚が飛んでいった。
エプロンを装着し作業台に材料や必要になるであろう食器類を並べ調理に取り掛かるとサテラが茶々を入れてくる。
「おやおや!?彼女の為に甲斐甲斐しく朝食作りですか。良いもの見せて貰っていますねえ」
「からかうんじゃあないの!!先に起きちまったし、今食材を手に入れられるのは俺だけだしな」
凍ったバターロールをアルミホイルに包みコンロ下に備え付けのオーブンの中に突っ込みダイアルを小出力で回す。次にボウルを取り出し水でレタスを洗い、手で適当な大きさに千切ると通販で一緒に購入した水切りマシーンで余分な水分を飛ばし、二組のガラス製の透明な器にそれぞれ入れる。その上に一口大の大きさに丸められたモッツァレラチーズを乗せ彩に細かく切ったパプリカをふりかける。
あとはドレッシングでもぶっかけりゃ食えるだろう。
次に皮ごと食える葡萄を洗い適当な器の上に、紙パック入りオレンジジュースの中身をジュースピッチャーに移す。紙パックごと出したい所ではあるが、ここは異世界。めんどくさいが他の器に移すのが無難であろう。
次に鍋を取り出し水道からお湯を入れ、その中にレトルトスープのパックを突っ込みコンロにかける。
コレは沸騰するまで放っておいて良いので次の作業へ。
ケトルに水を入れコンロに乗せ紅茶用のお湯を沸かす。
適当な大きさのボウルを取り出し、その中に卵を割り入れマヨネーズも少し垂らし入れる。知っているかい?マヨネーズに含まれる何かが何かして卵がふっくら焼ける事を。匂い消しに白胡椒も少々。後は卵液が均等に混ざるまでひたすらミキシングである。
黄身と白身の境が無くなったのを確認し、それをちょいと横に置いておく。
次にフライパンを取り出しコンロにかけ熱を入れる。その間にちょっと奮発して買ってしまったブロックベーコンを厚めに切り出し、温まったフライパンに入れると肉の焼ける良い音と匂いがしてくる。
じっくり焼きたいのでコンロの出力を少々下げ次の工程へ。ある意味このイベントの山場!!オムレツ作りである!!素人がオムレツを作る際、気を付けなければいけないのは火加減とフライパンの大きさだ。卵が焦げるのを恐れて火を弱くしがちだがコレはいけない!!フライパンに卵が引っ付いてしまう原因となり、オムレツが炒り卵にメタモルフォーゼ!!悔しさで涙で枕を濡らす事になるであろう。
ただし、全力全開ファイヤーでもいけないのでそこいらへんは加減する事。




