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自己認識と運動能力のギャップを感じてしまったあの歳⋯その2


「そうですか。それではこちらで私が記録した映像を再生いたしますので頭目は音声をお聞きください。

こちらの皆様は映像の中で何かわかる事がございましたら遠慮無く発言をお願い致します。イルマ、端末を机の上に」


「あいよ!!」


ストレージより端末を取り出し、会話装置の隣に置くとメディアプレイヤーのトップ画面みたいな映像が大画面シネマスコープサイズで空中に映像が映された。そこには幾何学模様がPCのスクリーンセーバーみたいに動いている。


シネマスコープって気合い入ってるなオイ!!しかし⋯ああ、これは良いなあ。


あとでゾマプラビデオで見逃してたアニメでも観よう。


「これは⋯何か変わった紋様が動いておりますな。どうやって動かしているのだ?」


「これが映像魔術⋯凄いですわ⋯」


「こちらの装置で映しているのですか?こんなに小さいのにどうやってあんなに大きく映せるのでしょう?」


映像を観た三人の口から驚きの声が漏れる。しかし、お嬢様だけは映像だけではなく端末の方にも興味があるみたいだ。やはりこの娘、目の付け所が違うな。


ただ皆様!!勘違いしていけない!!これは魔術ではなくインチキですから!!


「えっ!?何っ!?何かすんごい物が映っているのか!?」


会話装置から興味津々と言わんばかりの頭目の声が発せられる。


「それでは雇い主と思しき男と合流した場面から映像を再生します」


画面にUAVが記録した映像が映し出される。部屋の扉が開き恰幅の良い男とマントを深く被った男が入ってきた。UAVは窓の外にベッタリ貼り付き男二人の動向を光学センサーで余す事なく捉える。フードの男が傅く(かしず)としゃがんだフードの背中越しに小デブを見る形になった。その男の姿を見るなり俺以外の三人はハッとした表情になるのであった。


「この男は!?」


「おや?アルベルトさん。この偉そうな小太りをご存知で?」


「ええ⋯⋯しかしこれは⋯」


俺の問いかけに何やら難しい顔で答えるアルベルトさん。その横に明らかに怒りの表情をなさっているアメリアさん。


「旦那様⋯中々の奴が映し出されていますぞ⋯モックェル商会の頭目です」


「そうか⋯まあ⋯奴ならヤリそうな事だが⋯⋯動機は⋯⋯う〜む⋯有りすぎてわからん!!」


「サテラ様⋯音はありませんの?」


お嬢様の問いにサテラが答える。しかしモックェル商会ねえ⋯競合他社か⋯まあやる事が過激な事で。


「ありますよ。少々お待ちを⋯⋯音源までの距離とガラス越しでしたので補正に時間がかかりましたが会話レベルまで音量を引き上げる事ができました。ただ鮮明さに欠けますのでそこはご了承願います」


画面の端にSOUND ONと表示され少しこもった音声が画面内からまるで小デブが発している様に聞こえる。位置関係バッチリ!!こりゃすげえ!!デジタル技術の脅威ってやつですな。


パクパク開く小デブとフードの不審者のお口からは次の様な内容が発せられていた。


「失敗しただと!?」


「はい⋯相手側にも手練れがおりました様で、私が合流する直前に捕縛されました」


「なんとっ!?して、捕縛された者はどうした!?」


「はい⋯それは我らの掟通り口を開く前に処理いたしました」


「そうか⋯⋯ではこちらの情報は漏れていないな!?」


「はい⋯それは確実に」


「う〜む⋯⋯わかった信じよう。それで、拐かしまでは上手く行ったという事で間違いは無いな?」


「はい⋯間違いありません」


「そうか⋯出来ればあの幼い(からだ)に栗の花の匂いを(まと)わせた娘の亡骸を奴の屋敷に放り込みたかったのだがなあ⋯⋯実に残念だ⋯⋯せっかく同志達と色々な玩具を用意したのに⋯⋯ああ⋯この胸に沸る熱き物をどう吐き出そうか⋯」


熱き物が沸ってるのはどう見ても胸じゃなくて股間だろうが。しかし⋯実に醜悪な顔をしているな。人間色欲に塗れるとあんな顔になるのか。


「よろしければ我らがギルドより奴隷を皆様に手配致しますが如何でしょう?」


色狂いの醜悪な顔に湿度と粘度高めの笑みが宿る。


「穴埋めとして有難く受け取ろう!!まあ⋯拐かしはできたのだ、いくら頭の足りない奴でもこの意味はわかるであろうて。ジムテイル子爵も我が忠義に満足なさるであろう!!少しは大人しくなれば良し。ならなければ、次こそは娘との永遠の別れになるだけだ⋯しかし⋯貴族の商いに手を突っ込むとこうなる事はわかるであろうに。全く愚かな男よ」


そう言うと色ボケ改めド変態はマントの男と共に発注する女の好みを話ながら部屋を後にした。ここで動画は終了。


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