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取調室のカツ丼文化はいつ頃出来たものなのだろう?その1


碌に前も見えない、ついでに明日の己も見えないド深夜の森の中を特に急ぐ風でもなく袋イン・ザ・死体を担ぎながら暗視機能フル活用でお屋敷を目指して歩く。

照明係こと小型UAVはお馬さんの方に付随させたので俺は暗闇真っ只中にいる。


そんな光の乏しい森の中、目線を上げると木々の隙間から僅かに見える夜空には綺麗なお星様が輝いていた。


まだこの世界は光害が少ないからか星がキラキラ元気に光っているのが目視できるよ。ああ、こんなに平穏な気持ちで夜空を見上げるのはあっちの世界でもそうなかったな。死体担いでるけど。


田舎に片足突っ込んでいるベッドタウンでも光害バリバリで星なんて数えるほどしか見えなかった。森を抜ければもっと凄い星空に巡り会えるだろうか!?死体担いでるけど。


死体担いでる⋯⋯これのおかげでロマンチック&エキゾチックファンタジーな気分が台無しだな!!んじゃあ雰囲気ぶっ壊し要因であるコイツの背後にいるであろう奴らの話をサテラさんに聞こうかね。


「んで、面白い事って何よ?言っておくがスイカ早食いか健康牛乳くらい面白くないと面白認定できないぞ!!」


「何を言われているのかよく分かりませんが取り敢えず録画映像を見てください」


ヘッドギアのディスプレイに視界が遮れない程度の画面が開き映像が映される。

そこには先ほど立ち去ったと思われるモノが映っていた。


「人だね」


「人でした」


「コイツと同じようなフード被っているねえ。と言う事は同じ組織のお仲間?」


「それは分かりません。しばらくは走行シーンが続きますので早送りしますね」


確かに人が走っている姿を俯瞰から眺めていても仕様がないね。

暗視装置と赤外線センサーからの映像が統合され、不思議な感じに映っている対象が早送りによりチャカチャカと面白い動きになっている。


そのうち森を抜け対象は街灯がある場所に出てきた。早送りが終わり通常速度に戻る。

周りにある建物の造りはとてもご立派!!俺達が居た平民街とは一線を画す豪華さである。

光源がある為高感度カメラに切り替わり対象の詳細がよりわかるようになってきた。


「おっ!?なんだかコイツとは違うね。恰幅が良いというか」


「むしろコレが細いだけで普通体型では?」


「おおっ!?なんかご立派な建物に入っていったぞ!?」


屋敷の割には小型だが、意匠はとても煌びやかな建物に対象が入ってゆく。

それも忍び込むとか押し入るというより住人側から扉を開けていた。という事はここは関係者宅?


いくら小型UAVと言えども対象と一緒に屋敷内に突撃は出来んので各窓をチェックし対象の動向を探っていると一つの部屋に灯りが付く。


急いでUAVを向かわせ中を覗き込むと対象ともう一人男がそこには居た。

男の風貌は貴族⋯⋯にはちょっと見えんな。なんかこう⋯貴族と言うには品格というかなんか足りない。

いや、むしろ貴族には無いガツガツみを感じる。同等の物をラズールの主人にもな。

つまりただの平民ではない事は確かだと思う。


対象はその男に(かしず)(こうべ)を垂れ何やら話しているようだ。

ガラスの薄さのお陰で音は拾えているがハッキリは聞こえない。

ただ、声の調子から言ってイライラしているようだね。怒鳴るまでは行っていないが怒りは感じる口調だ。でも⋯⋯。


「ちょっと!?声が聞こえづらいんだけど!!」


「只今音声解析等行っておりますので今しばらくお待ち下さいね」


「それはどれくらい?」


「数時間頂ければ」


「まあ、急いで無いから良いけどね。取り敢えず実行犯はあのおっさんで決まりかな?フードの男はおっさんの身内?それともコイツの同業者?」


「そうですねえ⋯⋯解析中の音声からの断片的な情報ですがフードの男は闇ギルド関係者の確率が高いです」


「そうか⋯まあ解析の結果を待つとしましょ」


そう話しながら少しずり落ちそうになった袋のポジションを直しながら皆の待つお屋敷に向け歩くのだった。


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