昔の特撮の撮影スタイルは大体根性だった!!その7
「イルマ様!?」
アルベルトさんの声が後方より聞こえる。賊を逃さんと勇む余り、つい勢い余って飛び出しちまった!!心の安全装置が壊れてねえか俺!?
ああ、多分死にはしねえが足ぐらいは折れそう⋯いや落ち着け!!ギアを着れば良いだけじゃ無い!!
そうだよ!!この前の暴漢共はギアを着なかったから敗北したのであってギア着れば良いだけなのよ!!それじゃあ着るわよ!!レッツ音声入力!!
「変身!!」
あ⋯終わった⋯何言ってんだ俺!!どこぞのライダーヒーローじゃあねーんだぞ!!
なんで変身なんて言っちゃった!?ああ、骨折は免れないかなあ⋯⋯と思っていた次の瞬間、ギアを装着しヒーロー着地を決めていました。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
「なんというか⋯反応してくれてありがとう⋯」
「はいはい大丈夫大丈夫。分かってますから。良かったですね。私が日本文化を履修していて」
「その通りでございます⋯⋯それじゃあ、追いかけますかね!!」
「現在目標にはUAVを張り付けています。目標は北東に時速30Kmで移動中」
ギアのディスプレイに目標の位置が表示される。それに向かって俺は走行開始!!
俺は走りながらサテラに話しかける。
「30Km!?軽いお嬢様とはいえ人一人持ってそんな速度で移動できるのか!?異世界人ってのはそんなにタフなの!?」
「わかりませんが、人間である以上長時間高速で走行し続ける事などできる訳ありません。必ず減速するはずです。とにかく追いかけてください!!このギアならばすぐに追いつけます!!」
「あいよ!!」
敷地を隔てる壁を飛び越え、お隣の敷地を走り抜ける。目標は高級住宅街を建物の屋根伝いに走り抜け人目が付かないであろう木々が生い茂る場所へと向かっていた。このドウルの街から出るのではなくむしろ中央に向かっている。貴族と平民が住む場所を隔てる様に森が帯状に広がっておりその中に身を隠すつもりか誰かと落ち合うのだろう。その証拠に動きが森の中で止まっている。まあなんだ。
「残念だけど俺らがいたのが運の尽きだな誘拐犯!!」
「そうですね!!我々の滞在時に襲撃など愚の骨頂!!思いっきりぎゃふんと言わせてやりましう!!」
「いいねえ!!ぎゃふん!!あんまり使われなくなった表現だけどいいねえ!!」
サテラは目標までの最短コースを導き出しディスプレイに表示。俺はそれに従い全力疾走!!奴と同様建物の屋根から屋根へ跳躍を繰り返す。これを生身でやっているのだから異世界人恐るべし!!一体どんなマッスルが待ち構えているのか!?
森の中に入り障害物を避けながら高速で目標に近づく。しかし敵もさる者、こちらに気づいたらしく移動を開始した。しかしこちらの方が早い!!
「ルビー嬢に万に一つも傷着けてはいけません。それと今回の件、一連の騒動と関係があるのかを調べたいので目標を生きた状態で捕らえる事が望ましいです。よってスタンガンによる制圧を提案します」
「了解だ。だがお嬢様の奪還を優先する。もし人質の命に危険が及ぶ場合目標を排除するが?」
「それで構わないでしょう」
目標を視認。シルエットからフードを被った男に見える。ただ⋯やけに線が細い⋯あれでお嬢様を抱えて高速で走れるものなのか?しかし目の前に少女を肩に担いだ細身の男が現実にいる訳で⋯⋯謎解きは後だ。
「止まれ!!って言われて止まる奴もいないか!!」
一応警告を出すも男は無視して走り続ける。こうなりゃ狙い撃つしかない!!
走りながらの発砲かあ⋯⋯まあ取り合えずやってみるべ!!




