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他人から幸せに見えてる人もそれはそれで苦労している訳で⋯その4

「そうですねえ~」


俺が悩みあぐねているとルゥが俺の服の端を引っ張った。


「なあなあ兄さん。ウチのお願い言ってもええ?」


「ああ、俺は何も思いつかんから⋯」


「あんな頭目はん。ウチ、医薬品の研究室つくりたい思ってますけどその為には機材揃えなあかんのですがウチらには伝手がありゃしませんえ。そんでこれからこの街のお店まわろおもてたんですけどここ商会やないですか?こちらで魔導器具、扱ってません?」


「魔導器具ですか⋯多少扱っておりますが⋯どのような器具をお求めで?」


「大きさは個人で使用するんでそんな大きくなくて、中型位がええんやけど魔力反応釜や魔力定着槽とか、後細々したのがたくさんあるんですけどなぁ」


「そうですか、分かりました。リストを作成していただければ迅速かつ確実に納品いたしましょう。もちろんお代は頂きませんと言いたい所ですが、何分特殊機材故差し上げますとは言えない値段となるでしょう。本当はドーンと行きたい所ですが。情けない話です」


頭目もお嬢さんも何かバツの悪そうな顔をしている。しようがないよねえ。高額商品をポンとあげられる訳無いもん。もしあげられる奴がいるとしたらそいつは王だわ!!


「わかってますえ!!そんな厚かましいことできゃしませんわぁ!!お代はちゃんときちんと払わせてもらいますえ!!兄さんが!!」


「おう!!約束しちまったからな!!」


「よっ!!太っ腹!!」


サテラめ!!また余計な日本語を覚えたな。しかし我ながら大盤振る舞いも良いとこ!!ここは男らしくどんと構えるぞ!!ただこの身体で構えた所で迫力の欠片もないがな!!


「いや本当に申し訳ない。手数料の方を引かせて頂きますのでひらにご容赦を」


「そんな事はありません。こちらとしても機材入手の手間と時間の節約ができた訳ですから。まあそれとは別としてですねえ頭目。もう一つお願いがあるのですが宜しいですか?」


「ほう、妖精さんからのお願いとは⋯はっ!?これはもしかして妖精から直接お願いされた初の人類に私はなるのでは!?」


「お・と・う・さ・ま!!」


「うん⋯すまない⋯それでお願いとはなんでしょう?」


「はい。我々はしばらくこの街を拠点に活動したいと思っていまして、手ごろな不動産をご紹介いただければ幸いなのですが?」


「あっ!!」


俺とルゥが同時に声を上げた。そうだ忘れてた。この街にしばらくご厄介になるのだから家が必要だよな!!っていうか今日の宿もねえぞ!!っていうか祭りのお陰で街の宿満杯なの失念してたよ!!

あのホテル確保しときゃ良かった!!このままだとワイルドライフ一直線や!!


「その反応から見るとやっぱり忘れていましたね?ラボを作ると言いましたがいったいどこに機材を届けてもらうつもりだったのですか?荒野にブルーシートと段ボールなんて笑えませんよ」


「はーう!!そうや!!研究室の前に家や!!大事なことなんに何で忘れとった!?」


「と言う訳です。頭目。何か良い物件をご紹介いただけないでしょうか?」


「は~そうですか!!はいはいはい」


と、うなずく頭目横のお嬢様の頭上にピコーンと電球が現れたようで、嬉々として頭目に自分の思い付きを伝える。


「お父様!!皆様におじいさまの別邸を使っていただくのはどうでしょう!?商業地や住宅地から少々離れていますが、その分お庭も広いですしお隣から十分離れていますから周囲を気にせずに医薬品の研究をなされることが出来るのでは!?」


「おお!!それは良い考えだ!!あそこは環境が良いからな。良い研究が出来るであろう!!」


「あの⋯お話が進んでいる所恐縮ですが⋯祖父君(そふぎみ)のお許しが無いと成立しないのでは?」


うん!!そうだ!!サテラの言う通り!!勝手に人の物を勝手に貸し借りしてはいけないのだぞ!!俺は昔ゲームソフトを又貸しされて帰ってこなかった事があったが、俺も借りパクが数件あるのでここは相殺という事でノーカンとしたい!!うん!!


「ああ、それなら大丈夫ですよ。私の父、娘にとっては祖父ですが三年前に天国か地獄のいずれかに旅立ちましたから。父は商売は正直が一番!!が口癖でしたが、まあ現実そうはいかない事が殆どで⋯夜、一人書斎で苦悶の表情を浮かべていた父を今でも忘れられません。天国に行けていればよいのですが⋯」


ああ、頭目が窓の外を見て遠い目をされている!!現実世界ってキビシー!!


「お父様!!」


お嬢様が頭目を肘で小突く。


「は!!いや失礼!!中々芯を通すと言うのは難しいですな。で、別邸ですがちゃんと私に相続されておりますのでそこはご安心を!!まあ正直な話こちらとしてもお使いいただけるとありがたいのですよ。建物は人が住まなければ空気が淀み死んでしまう物なのです。今は二か月に一回、我が家の者が空気の入れ替えに行っておりますが私としてもこの先使用する予定もないのです。ただこのまま死蔵させるのも忍びない。ですので是非貴方方に住んでいただければこちらもうれしい限りです」


お金持ちの大きな庭付きの大きなお家を借りれるのですか!?これは願ったり叶ったりだが⋯。


「ほぉ⋯そうですか。それで⋯一か月の家賃は如何程に?」


ここ重要!!いくら良い家でも払える額じゃねえと身を持ち崩す事必至!!言うならばフリーター、タワマンを借りるだ!!


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