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奇跡は起こるよりも起こす方がカッコいい その2

門の方に歩いて行く。厳つく怪しい鎧で歩いて行く。門に近づくつれこちらを認識した門衛達の顔に緊張の色が見える。僕悪い冒険者じゃないよ!!


門衛達は槍をこちらに構え一人が声を張り上げる。


「そこの黒い鎧の!!止まれ!!ドウル守備隊に何用か!?」


あっ!!やっぱり!?そりゃ止められますよねえ~。


しかも大勢の兵士達が派遣中となれば尚更だろう。


「どうもご苦労様です!!私はしがない冒険者でございます!!こちらに外からの避難民が収容されていると聞き伺ったのでありますが⋯その中にエルフの娘はいませんでしたかね?私の仲間なのですが⋯⋯」


「避難民は確かにここに居るが⋯⋯エルフの仲間?何か聞いてるか?」


門衛1が門衛2に何か知っているか問うた。


「ああ、なんでも避難民の中に綺麗なエルフの娘がいてなんか若いのがざわめいていたぞ」


「あっそう⋯綺麗なエルフの仲間ねえ⋯⋯」


怪しげにコチラをジロジロ見てくる門衛1⋯⋯だから僕悪い冒険者じゃないよ〜!!


「じゃあ⋯とりあえず身分を証明できる物ある?」


「これでどうでしょう?」


ストレージより冒険者証を出し門衛1に見せる。


「ちょっといいか?」


冒険者証を門衛1に渡すと、彼は少尉が持っていた例の板と同じ物を取り出し冒険者証かざす。


「本物か⋯発行場所はドウルの組合⋯⋯身分の確認は出来た。少し待て。今連絡を入れる」


門衛1は板に何やら小声で話しかける。

少し待つとあちらからの返答があり連絡とやらが終わったようだ。


「このまま真っ直ぐ行って官舎に入れ。そこに受付があるから冒険者証を見せれば仲間の居場所を聞けるだろう」


「わかりました。んじゃあ⋯お世話様で」


門衛に挨拶すると指示通りに官舎に向かう。男臭い騒音を撒き散らしている運動場を横目で見ると武技の修練を行う者や走り込みを行う者など各々修練に励んでいた。


この積み重ねが彼等を屈強な兵士へと磨き上げて行くのだろう。俺はいきなりポーンとこの身体になっちまたかから積み重ねナッシン〜ング!!


なんか⋯悪いね。


謎の罪悪感の中、官舎の中に入ると直ぐに受付があり受付内では外で訓練しているマッチョ達とは180度違う人達が書類仕事をしていた。中には女性も働いておりここだけ異空間な感じがするのであった。


詰まるところ、ここ以外男臭いという訳でと⋯⋯俺は近くにいた受付の人に要件を伝え門衛の言う通り冒険者証を出す。


門衛と違い、敬語で実に丁寧な対応をしてくれた。


全く!!権威国家の軍人さんは態度がデカくていかんわ。


受付の人はおそらく新兵であろう若い男を呼び案内として俺に付けてくれた。

まあこんな怪しげな風貌の鎧を単体で基地に放すわけにはいかんだろう。


案内の人によると避難民は体育館に集められているとの事。

負傷者や体調を崩した者は医務室に運ばれているおりそこで手当を受けているんだとか。


一緒に居たであろうエルフの居場所を聞いた所、医務室にいると受付の人が教えてくれた。

恐らく医療の心得のある者として手伝いをしているのであろう!!


うむ!!えらいぞ!!


新兵の案内のもと医務室に到着すると何やらドアの前に若い男共で構成された人だかりができていた。

まるで転校生の女子を見に来ている他クラスの男子みたいだな。


まあツラは良いからなぁ〜あの娘は。


そんなかつてあったような無かったようなノスタルジーを感じる中、案内の新兵が出歯亀共を散らして俺を医務室の中に入れてくれた。


さてルゥよ!!ちゃんと働いているかね?セクシー看護師として患者をムラムラさせているかね!?


「ああ⋯兄さん⋯さっちゃん⋯無事でなによりやわぁ⋯⋯」


医務室には負傷者が横たわるベッドが並んでいる。

その一つに顔色の悪いエルフが力の無い笑顔をこちらに向けベッドインしていた。


お前さんも倒れてるんかーい!!


患者をムラムラどころかお前さんが患者かーい!!


「え!?あっ⋯⋯ちょっ⋯何があった!?」


「うへへへ⋯」


明らかなごまかし笑い⋯此奴(こやつ)⋯何かやらかしたな!!


とギア越しで彼女には見えないであろう訝しげな目を向けていたら軍医と思われるおっさんが他の患者の手当ての合間に彼女の容態を教えてくれた。


「ただの魔力欠乏症だから時間が経てば治るよ」


と的確な診断を下し、他の重篤な患者の手当てに戻っていった。サンキュードクター!!


「ルゥ⋯貴女!!やりやがりましたね!!バイタルの異常を感知したのでもしやと思っていたのですが⋯⋯ご自身の安全を優先しろとあれほど言ったでしょう!!」


「うーーごめんやでぇ〜!!」


ルゥは身体にかけられていた毛布を頭まで被り顔を隠してしまった。

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