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用意より後片付けの方がめんどくさいのは何故だろう? その3


「我々もあちらに向かおう」


俺達も少尉に向かって歩き出す。まあお互い近づいていますのですぐに合流。少尉は馬上から俺達を見下ろすと兜のフェイスカバーを開け、まだあどけなさも残る青年の顔をこちらに向けた。あれま!!お若い!!


「まずは無事で結構!!もうすぐ我が軍の本隊がこちらに到着する。安心するが良い。ところで聞いておきたいのだが我々はこの村の(おさ)により大量発生したゴブリン鎮圧の陳情を受けやって来たのだが、それに相違あるまいな!?」


少尉の問いに村人達は顔を見合わせる。おい聞かれてるぞリーダー!!さっさと答えんしゃい!!

俺はマクダネルくんの方をジ〜っとみる。


その視線に何か気付いたマクダネルくん。


「あ⋯ああ⋯はい!!間違いありません!!有り得ないぐらいの程のゴブリンが村に襲いかかりまして⋯⋯」


マクダネルくんの問いに馬から降りた少尉は少々頭に疑問符がつく様な表情になった。


「有り得ないぐらいの程のゴブリン?しかしお前達で撃退出来た程度であったのであろう?そう大した様には思えんのだが?」


またも顔を見合わせる村人達。


「うーん⋯こればかりは現場を観て頂くのが良いかと思います」


マクダネルくん⋯⋯言葉では伝えられないと悟ったようで。


援軍も来た訳ですし、街へ帰るとしますか。


俺は村人達の方を向く。


「さて⋯俺の仕事は終わった。後は軍隊に頼れ。俺は街に帰るわ」


「そうか⋯世話になったな」


「アンタ凄かったぜ!!」


「こんだけ強いんだったら先言っておくれよ!!ゴブリンの群れ見た時ビビっちまったじゃねえかよ!!人が悪いぜ全く!!」


「俺達頑張って村再建するべよ!!そしたらまた来てくれや!!今度は歓迎してやるべや!!」


「誰も死ななかったのは奇跡だ!!ありがとう!!」


「ちょっと待て軍曹!!」


共に戦った仲間達との別れに水をさす少尉殿。せっかく良い感じで別れられると思ったのになんだい急に!!


「元軍属だそうだな。今は冒険者というが他国の軍に所属していた者をおいそれと返す訳にはいかん。⋯とは言え特に事を起こしていない冒険者を止める権利はこちらには無い。これは御願いなのだが⋯冒険者登録証を見せて貰えるかな?」


俺はストレージより登録証を出し少尉殿に渡す。


「どうぞ少尉殿」


「ありがとう軍曹」


少尉殿は先程の蒲鉾板を取り出すと登録証にかざし反応を見ていた。


「偽造された物では無い様だな。銅の三級か⋯登録したての様だな」


「ええ、昨日登録をしたばかりで⋯しかし意外ですな。兵隊さんはもっと強引に来るものだと思ってましたがね?」


ちょいと皮肉っぽく言ってみたが少尉殿は全く意に介さない。


「軍と冒険者組合にはちょっとした協力関係にあってな。悪戯に事を起こして関係に(ひび)など入れ様ものなら目も当てられんよ。それに⋯君の情報は既に要注意人物として軍の情報クリスタルに記録された。治安維持も我々の仕事なのでな。悪く思わんでくれ」


何の悪びれる事なく登録証返す少尉殿。ほほう⋯あの板かざしにはそういう意味が。しかし板かざしただけで一瞬で情報が中央に行くんだろ?やっぱ俺の世界より進んでねえ?


個人情報を抜かれた我が複雑な胸中で何でもありませんよ〜みたいな顔をして登録証を受け取る俺。あっ!!顔はギアで覆われてるから意味ねえや!!


「どこぞの馬の骨をいきなり信用するなどと言うのが無理と言うものでしょう。こちらも少しづつ信頼を積みかねて行く所存です」


「協力に感謝する」


「それでは失礼」


少尉殿の横を通り、街へと帰還するべく歩き出した俺の背中に彼が語りかける。


「ああ最後に⋯君は騎士なのか?」


ああ、いつもの奴ね。


「いえ⋯魔術士です」


「そんな立派な鎧を着ているのに魔術士なのかい?今度君の所属していた軍の話を聞いてみたいものだな」


「機会があれば⋯」


さらば村人!!さらば廃村予定の村!!さらばゴブリンの死体片付け!!俺は街に帰って寝る!!

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