豚を野に放つと猪みたいになるんだって。その5
銃を構え親父達を追いかけているゴブリンに建物上から弾をぶち込む。援護に気付いた親父達が此方に振り向き安堵の表情を浮かべた。
「すまねえ!!助かった!!」
「死ぬかと思ったよ⋯」
「集合場所に急げ!!ゴブリンの数も減ってきた!!ここを凌げば俺達の勝ちだ!!お気張りやす!!」
二人はなんか頭を捻りながら広場に向かっていった。最後の京都弁が彼らの頭にクエスチョンマークを発生させたのであろうか。俺は四方八方から現れるゴブリンを倒しながら広場に後退をする。
オークの爆撃で建物が破壊され、ゴブリンの通り道がそこかしこにあるせいで何処からでもゴブリンがこんにちわする状態。まるでゲーセンにあったガンシューティングみたいにアイツらがひょこひょこ顔を出すもんだから煩わしいったらありゃしない!!さっきみたいにまとめて襲ってきてもらえれば楽なのに。
「サテラ、敵の数はあとどれくらいだ?」
「残り83⋯2⋯76⋯順調に減っていってますね。ここいら辺のゴブリンも一掃できましたし我々も広場に急ぎましょう」
「おう!!」
広場に向かって走る途中もゴブリンの数はどんどん減っていった。無人機大活躍である。
広場に着くと3機の無人機がゴブリンを阻む様に男達の全面に配置されに応戦していた。
銃弾に倒れ四散して行く仲間にも怯まず村人を襲おうとするゴブリン達。
無人機の弾幕はそれを許さない。
男達はただひたすら自分達に襲い掛からんとするゴブリンに対し緊張した面持ちで武器を構える。
俺も別角度から銃撃に参加しゴブリンの数をただひたすら減らす。レーダー画面から敵の位置を表す点がどんどん消えてゆく。無人機が最後の一匹であろうゴブリンを撃ち抜き、レーダー画面からは点が綺麗さっぱりなくなった。
「レーダー上のすべての敵を撃破しました」
「ふう⋯⋯やっと終わったか」
俺は合流すべく男達のところに向かう。まあしかしだ⋯⋯辺りに散らばるゴブリンの死体の山を見る。これの片付けなきゃいけないと思うと正直ゲンナリしますね。まあ、ワタクシは報酬貰ってとっとと逃げますが。
戦い終わった男達は勝鬨をあげる訳でもなく、仲間達と喜び合うでもなくただ呆然としていた。
「大丈夫か?」
男達の緊張感をひしひしと感じる目線が一斉に此方に向いた。リーダーが口をひらく。
「ああ⋯大丈夫だ⋯⋯終わったのか?」
「レーダー上の敵は殲滅しました。まだ潜んでいる敵がいるかもしれませんので無人機を捜索に出します」
男達を守っていた無人機が三方に動き出す。すると男達は緊張の糸が切れたのか皆へたり込んでしまった。
「俺⋯生まれて初めて死ぬかとおもった⋯カカアとガキ達が何度も頭をよぎるんだ⋯」
「ああ⋯くそう⋯今頃震えてきた⋯」
「生きてる⋯生きてる⋯」
生きている喜びと共に恐怖が男達を襲っている。そりゃそうであろう!!みんな棺桶に片足どころ半身突っ込んでたのだ!!普通だったらあのゴブリンの量は捌けないよ!!
俺がいてよかったね!!
リーダーがヨロヨロと立ち上がり俺の所に歩いてきた。
「あんたがいなけりゃ今頃皆大地の肥やしだ⋯⋯助かったよ⋯三流冒険者」
リーダーが手を伸ばし握手を求める仕草をする。おお!?これは最初は相容れなかった主人公と仲間達が共に戦う事で友情を深め合い最後に求める握手的な!?映画だったらかなり良いシーンなのでは!?
「へっ!!ばかやろう!!三級冒険者だっつうの!!」
俺も握手を返すべく手を伸ばそうとしたその刹那、レーダー画面に高速で近づくモノが!!
反射的に目の前の身体を押すとその刹那、俺とリーダーの間を何かがすり抜けた。
俺に押された彼は仰向けに倒れ込んでしまった。




