豚を野に放つと猪みたいになるんだって。その3
「3号ユニットエネルギー残量ゼロ。停止しました。UAVより映像を伝送。ゴブリンが3号ユニット前方に集結していますね。2号と4号が対処にあたってますが、弾幕をすり抜けてくる個体が多数」
「了解!!」
上空から送られてきた映像を確認し、一つため息をつく⋯セントリーガンの弾幕を抜けたゴブリンが柵を越えようと見事な跳躍を見せる。
上からの映像により丸見えなファーストゴブリンに弾丸を一発お見舞いする。
弾丸を受けた箇所からの熱エネルギーにより四方に弾け飛ぶゴブリン。心の中でお経を唱える⋯な〜む〜!!
彼に続きドンドンと柵越えに挑戦するゴブリン達。こんだけの惨状なのに彼らはただ突っ込んでくる。
まるで恐れを取り去られた凶戦士の如く自らの保身など関係なく突っ込んでくる。
崇高な目的がある訳でも無いのに命をかける。いや⋯かけさせられているのだろう⋯⋯ぶっ殺している俺が言うのも何だが⋯⋯惨いな。
「あ⋯2号と4号が転倒した模様。安全装置が起動し機能停止しました。どうやら柵に沿って弾幕を避けユニットに攻撃を仕掛けたみたいです。セントリーガンの同志撃ちを避ける為に射撃可能範囲の設定を行っていた事が仇になったみたいですね。これで侵入可能箇所が増えてしまいました⋯あ、どんどんと柵越えされています!!一部の個体が柵の破壊を!!2号と4号の場所に無人機を向かわせます」
「俺は⋯とりあえず手榴弾投げ!!」
ストレージより手榴弾を取り出し安全装置を外したら前方にポ〜ン!!わが手を離れた爆発物は弧を描いて柵の向こうへ。
小規模の爆発が起こりゴブリンたちの断末魔が聞こえたと同時に柵の一部が壊れてしもうた!!
「あっ!!」
思わず声が漏れた⋯やべっ!!まあ⋯⋯形あるモノ皆壊れるだ!!気にしてもしようがない!!
こうなったらやはりバルカンを⋯⋯等と考えていたらマクドネルくんと愉快な仲間たちが斧やら棍棒やらお手製の武器をとりやって来るではありませんか!!満身創痍ながらみんなやる気満々のいい顔してるぜ!!
「おい!!さっきの重々しいのはどうした?すっかり身軽になっちまって」
「諸事情によりタンスの奥にしまわれました。んで、みなさま!!ご覧の通りゴブリンが柵を破壊して侵入してきました!!ゴブリンがね!!破壊したんですよ!!これはもうみんなで戦うしか無いでしょう!!アイツら倒せば終わりですよ!!俺たちの勝ちですよ!!さあレッツビギンでございます!!」
空気を読んで柵内に入ってきたゴブリン達も攻撃せず俺たちを待っていてくれたでは無いか!!
アイツらの目もイッちゃってるなあ〜。こりゃ完全に自我はなさそう。
「おう!!皆、冒険者だけにでかいツラさせるな!!俺達の村は俺達で守るんだ!!汚名返上と行こうぜ!!俺達だって戦える事を証明してやろう!!」
男達は威勢の良い掛け声と共にゴブリン達に突撃して行った。みんな⋯死ぬんじゃあねえぞ!!
俺は彼らの後ろ姿に思わず敬礼をする。
「何しているんですか?貴方も行くのですよ」
「わ〜かってますぅ〜!!渾身のボケをかましただけですよと!!さて⋯⋯侵入してきた敵さんの動きは分かるか?」
「情報をレーダー画面に映します」
「OK確認した!!みんな揃ってこちらに向かってるじゃねえか⋯村を通り抜ける気ゼロかいな。まるで村だけを攻撃する様に設定されたみたいだな」
「何処の誰がどう言う目的でこの村を襲ったかはわかりませんが、今は目の前の敵を倒す事だけに集中しましょう!!」
「了解!!」
俺は銃を構え直し混戦状態の戦場に向かう。目の前のゴブリンをひたすら撃ち肉塊に変えてゆく。
ターゲットが彼方からやってくるので探す手間が省けて実に楽だ!!そうだ!!この事をマクダネルくんに伝えてあげよう!!




