怒りっていう漢字って、なぜ女の又の心って書くのでしょうか?その2
センサーによると彼女は今、最後の爆発位置を向いている。だが、あのケモ耳型センサーのお陰であろうか?すぐにコチラを向きやがった!!だがもう遅い!!杖はコチラに向いていない。向けるまでの時間に完全に間合いに入れる。
彼女は走行音の方向に杖を向ける。だが彼女が宝玉に魔力を送るより早く俺が煙の中からヌルっと現れ杖を両の手の間隔を開けて掴み、ちょっとした円運動を加えるとあら不思議!!
パーやんのこじんまりとした身体は宙をくるりと一回転しそのまま地面に叩き付けられた。いやあ、軽いから勢いついちゃってさあ!!よく飛んだねえ。
これぞ合気の術、『杖取り』也!!
ただ全く受け身をとっていないにも関わらず、まるでダメージを受けていない様子ではあるが、何が起こったかまるで分かっていない顔で寝転んでいるパーやんを他所に俺はそのまま杖を取り上げると鼻息荒く遠くへとブンッとぶん投げるのであった!!
「にょわー!!何って事!!バルムンク〜!!」
土煙の中に宝玉のついた杖改めバルムンクが消えて行く中、信じられない勢いで起き上がり身体を翻すとまるで杖を取り戻さんばかりに手を伸ばした四つん這いの彼女の叫び声がドームに虚しく響き渡った。
そんな哀愁が漂う愛杖をまるで求める様に伸ばした手を俺は掴むと、再び合気の術『小手返し』で転がしそのまま関節を極め「ぐえっ!!」っとおよそ女子が発しないであろう声が出たパーやんの自由を奪うのであった。
ふう。やれやれと⋯これで静かになるだろう。
「全く!!ちょっと暴れすぎだぜお嬢さん」
「うるさい!!あんた何かあぁ!!」
甲高い耳障りな声につい関節への力が加わる。すると「うごぉっ!!」とこれまた普段女子からは聞こえてこない声がした。
「あだだだだ!!ちょっと痛いって!!痛いって!!」
パーやんよりタップが入ったので力を緩めた。
「やはり強い衝撃や魔力といったものには反応するみたいですが、こういった体術には反応しない様ですね」
「ふうむ⋯どれどれ。サテラ、拳銃」
「レディ」
彼女の声と同時に片手に拳銃が握られる。威力設定を最弱にしパーやんに向ける。
「えっ⋯ちょっと!?なに!?」
戸惑いの声を出す彼女を無視して引き金を遠慮無く連続で引く。数発の発射音と甲高い童女の悲鳴が周辺に響き渡る。
「おお!!当たんねえな!!」
「やはりコチラは止められましたね。いや、大したものです!!」
少し涙目になったパーやんがその大きな眼でコチラを睨みつけ、これまた甲高い声を上げる。
「アンタ馬鹿じゃないの!!無抵抗な相手にこんな近距離で魔術ぶっ放すなんてイカれてるわ!!人間じゃねえわ!!殺人鬼だわ!!このシリアルキラー!!サイコパス!!」
「あん!?何言ってんの?どうせ防げるんだし、万一当たっても出力絞ってるし、殴られるくらいの威力しか出ねえから問題ね〜だろ?それに無防備な相手にいきなり爆発魔術をぶっ放すイカれポンチに言われたく無いっつうの!!」
「何をっ!?」
口答えをしたので力をちょいと入れると「キヒッ!!」みたいな声を上げ静かになった。
「さて、この後どうしましょう?我々に敵対行動を取らないと約束して頂ければ解放するのも吝かではありませんが⋯こちらとしても貴女が無軌道に起こした爆発魔術のお陰で塞がれてしまった出入り口の復旧をやらなければならないので」
「あん?出入り口?」
サテラの気になるワードに俺達が入って来た方向を見ると、モノの見事に落盤が起こりもうバッチリと大小多種多様な岩で塞がれてやんの。あらまあどうすんべ?
「やってくれたな偽幼女!!どうすんのアレ?」
「ふんっ!!アンタが私を怒らせる様なこと言うから悪いんでしょ!!女子に対してあんな事言うなんてデリカシーのない男ね!!」
「あん?デカ尻って、どう見てもおたく安産型には見えんが?」
「そうですねぇ⋯⋯確かに生殖には不向きな身体をされていますね」
「お⋯おまえらぁ⋯⋯」
明らかに怒りの顔を見せるパーやんだがガッチリ固まっている為動けない。正確に言えば動くと激痛。




