怒りっていう漢字って、なぜ女の又の心って書くのでしょうか?その1
さあて、先程来立てた雑な作戦を実行すべく我が盾になってくれていた岩とお別れしてパーやんと真正面になる位置に移動する。まあ奇声と共に派手にボコスカやってくれているお陰で俺が煙幕はらんでも簡単に移動出来ました。
ではターゲットに向けてダッシュする為に手首足首をブラブラと揺らして準備しますかね。
「煙幕弾の設定完了、まずは彼女の正面と右方向に発射し反応を見ましょう。囮への誘導に成功次第次弾を即反対方向へ発射します。目標の反応次第で貴方へのスタート指示が変わりますので聞き逃さない様に!!いいですね!!」
「はいはい。仰せのままに」
俺はいつでも走りだせるように構える。背中のスモーク・ディスチャージャーが目標の方向に動いているのが振動でわかる。さあ引っかかってくれよ⋯⋯駄目だったらこの爆発の中に飛び込まにゃならん。
それは勘弁願いたい!!そんな祈りを込めつつ弾が二発発射される。発煙弾は放物線を描き土煙の中に消えていった。
そして数秒後、炸裂音と共に「そこかああああ!!」と奇声にも近い叫び声に合わせ着弾付近に爆発が起こる。
「かかった!!」
「次、正面」
次に正面に発射された発煙弾が炸裂。それに合わせて金切り声と爆発が巻き起こる。
「次弾発射」
スモーク・ディスチャージャーより弾が次々と発射される。
「しかし冷静さを失うとこうも易々と人間は罠に引っかかるのですね。貴方も気をつけて下さいよ。特に色恋沙汰!!童貞なんですから耐性ないでしょう?」
「うるさいぞ非生命体!!お前に愛だの恋だのがわかるものか!!ときめきなメモリアルを駆け抜けて行くことも出来ん癖に生言ってんじゃあないよ!!」
「失礼ですね。恋慕や愛情については学習済みですよ!!」
「ほう⋯では答えてみよ!!」
「恋慕は幻想、愛情は遺伝子を次世代に残す為の本能です」
「はっ!!表層だけなぞり知ったような口を利く如何にもAIが答えそうな無味乾燥な答えだな!!人間の心と言うもんはそんな単純なものでは無いぞ!!かの有名な大作家は宇宙全体よりも広くて深い物と例えたぐらい人の心と言うものは複雑怪奇なのだ!!君も人類の複雑な心が生み出した創作物から学び、男女の機微とかトゥルーなラブをもっと知りたまえ!!」
「ほ〜ん、では貴方自身の考えを教えて下さい。そこまで仰るならよほど人心に見識がおありでしょうから」
「あん?何言ってんの、さっき言ったでしょ!!宇宙全体よりも広くて深いって!!地球の海の底でさえ碌に調べる事が出来ていない、そんな人類の一員であるワタクシが分かる訳ないでしょ!!大体心を持っている人間が一番心が分かっていないのよ!!もし完全に解析出来たら世界から争い事が無くなるね!!」
「全く!!知ったような口を利いたのは貴方ではないですか!!」
とサテラが口を開いた次の瞬間、発煙弾の炸裂音が時間差で数発聞こえた。その音に二人揃って「あ⋯」と声が漏れる。その後を追う様にパーやんが巻おこす爆発音がした。
「すぐGO!!行けえええええ!!」
AIが発しているとは思えない慌てている声を出し俺に指令を出すサテラ。コイツ、段々人間に近付いていないか?ポンコツな所が⋯そういうところは要らんのよなあ、と思いつつ俺は走り出す。すると同時に背中のスモーク・ディスチャージャーが収納される。まあもう要らんからな。
走ると言っても本気を出しては行けない。何たってパーやんの前で止まらねばならんのだからな。走り抜けるついでにラリアットかますだったら全力疾走で良いのだが、もしかして防御システムに阻まれるかもしれんからバシッ!!ドッカーンではなくここはヌルっと行かねばならんのです。




