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穴があったら入る!!山があったら登る!!等、世界は変態のおかげで進歩しているかも知れない。その2


「魔照石を知らないなんて何処の原始人よ?まあ良いわ、それは後々聞くとするとしてさっさと先に進むわよ。私が送った魔力が切れたら真っ暗なんだから」


「真っ暗ですか?ではダンジョンの照明というものは一々術者が魔力を送って灯すものなのですか?そうなると、物理攻撃系メインパーティーの人は大変そうですね」


「何言ってるの?生きてるダンジョンだったらそこかしこに魔力が漂ってるから石置きゃ光るのよ。ここはもう死んでるから光らないだけよ」


「そんな仕組みがあるのですか?上手く出来てますねえ」


「そうね、気持ち悪いくらい上手く出来過ぎ!!」


「気持ち悪い?それはどういう?」


「地面を見て見なさい」


パーやんは杖で床を叩き俺にここを見ろと促す。


「どんどんお進み下さいと言わんばかりにとても歩きやすく出来てるしそれにこの壁、まるで職人が石を積んだような立派なものでしょ。これらはね、ダンジョンが発生した時点で最初からここにあるのよ」


「最初から?⋯⋯ダンジョンが発生した時点でこの様な人工物が存在していると?」


アチラの世界ではあり得ない現象に驚きの声をあげるサテラ。


「冗談きついぜ、どう見ても人の手が入っているじゃないか。これが自然発生するって?そんなミラクルでマジカルな事が⋯⋯」


「起こるのよこの世界では⋯⋯誰がどういう仕組みで、何の目的でダンジョンを発生させているのかはいまだに何もわかんない!!今言える事はこの冒険者フレンドリーな作りがただ不気味だって事よ」


「となるとだ⋯⋯ダンジョン名物お宝も⋯⋯その、発生するの?自然に?」


「そりゃあもう!!冒険者さんいらっしゃ〜いって感じでザックザクとね!!しかも奥に行けば行くほど高額な物が出て来る仕組みなの」


「マジかよ⋯物質化現象って⋯オカルトじゃあねえか」


「ああ⋯確かに⋯何かこう、意図的なものを感じますねえ。では何の為に人間をダンジョンに集めたいのでしょうか?現時点での貴女の仮説は何かお有りですか?」


「う〜ん、そうねえ⋯神が作りしもうた物なら人を錬成する為、悪魔が作った物なら楽に稼がせ堕落する様子を見て微笑み、欲深き者を奈落に誘い命を刈り取って大爆笑って所かしらねえ?」


「それ仮説になってる?」


「自分で言っといて何だけどねえ、神とか悪魔とか言っちゃてる時点でもう魔術師としてどうなのって感じ⋯⋯本当わかんないのよ!!誰よこの世界の仕組み組んだ奴!!」


「えっ!?魔術師って神とか悪魔とかの不思議なパワーでドッカーンとかやってんじゃあないの?」


パーやんは呆れた様な顔をしてため息をつきながらコチラを見る。


「あん!?アンタ本当に魔術士!?良い!!魔術は体内の魔力を術式に通す事であらゆる事象を再現するモンなの!!決して神の奇跡でも悪魔の力でもなくこの世界の法則に沿ったモンに過ぎないわ。それに、人間が魔術を使い出して長いけど今だに神や悪魔に出会ったって奴は宗教狂いかラリパッパぐらいしか見たこと無いわ」


パーやんはフンッと鼻を鳴らしものすご〜く不満そうな顔をした。この世界の魔術についての説明乙!!


「な〜るほどねえ、俺の魔術体系とはやっぱ違う訳だな。それにしても神様の奇跡とやらが無いんだったら教会の神聖魔法だっけ?あれは何じゃ?」


「あんなのただの回復魔法にすぎないわ。教会の権威付けの為に如何にもそれっぽく神聖だなんて(うそぶ)いて無辜の民(むこのたみ)から金を吸い取ってるだけよ。回復なら私だってできるわよ!!苦手だけど⋯⋯んで魔術体系の違いねえ⋯じゃあアンタの魔術は信心の賜物って訳?」


「おうさ!!いつも今日も生き残れる様に神に祈ってるよ!!」


「ふ〜ん」


と、いかにも怪しいものを見る目を俺に向けてくるパーやん。まあ確かに怪しさで言ったら俺の右に出るものは中々いないのでは無いだろうか?この世界で銃器ぶっ放している俺を怪しく思わない奴なんていないだろ?杖なんて言っちゃあいますがね、弾丸を発射できるだけで他には何も出来ませんの事よ!!


さあ!!いくらでも怪しく思えば良い!!どうせこれば終わればお別れだ!!しかし⋯⋯


「んで、さっきから歩いてるけど、アンタはこのダンジョンの何を調べたいんだ?」


「それは深部に行ってからのお楽しみよ。それまで追いてきなさい」


とりつく島もねえや。さっきから脇道とか横穴とかあったけど無視!!一体何を調べるんだコイツは?


深部というからか、何だかどんどん深みに()りて行っているなあ⋯とりあえずひたすら付いて行くしかないが、どうもこのご婦人のお尻につくってのは不安しかないのよねえ。


神様、どうか何もない様に!!


いるかいないかわからん神に祈りを捧げながら歩いていると地中とは思えないとても広い空間に出た。


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