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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第5話:[魔王降臨ルート]そして普通は書き換えられた
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80 バカンスは楽しめないようで

いつもありがとうございます。

忙しすぎて執筆活動から離れていると、前との文体が変わってないか心配になりますね。

色々と余計なのがあったけど、ひとまずは家に入って昼食をとりながら落ち着くことにした。


「改めて、みんなお帰りなさい。

ショッピングは楽しめた?」

「それは、うん。大丈夫。

あの人たちに絡まれたのは帰り道だったし。

でもあれで良かったの?」


あれ、というのは兵隊たちへの対応の事だろう。

見方によっては一般人が国家に盾突いたようにも見えるからな。

幸い今回に関してはまだそれほど問題ではないだろう。

何せこっちはかつて世界を救った初代聖女の実家なのだから。


「大丈夫だろうね。

あれ以上の強硬手段に訴えたら世界中から非難が絶えないだろうし。

それに俺達に直接危害を加える手段は彼らには無いよ」

「私たちは大丈夫でも、それ以外を人質に取られたら?

例えば家族とか学校の友達とか」


昔からよくある常套手段だな。

勇者を捕獲するなら本人を直接どうにかするより周りから攻めるなんて。

ありふれ過ぎてて、逆に考えなかったら大丈夫かと心配するレベルだ。


「みんなの家族にはもう手を打ってあるから大丈夫。

流石にクラスメイト全員までは手を広げてないけど、町の要所要所にも警備を立ててるからめったなことは出来ないだろうね。

あと考えられるのはこの島全体を人質にすることか、かな」


ここを取り囲んでいた約3000人の特殊部隊。

彼らが島の制圧に乗り出せば一晩でほぼ達成するだろう。

まぁそれもデメリットが大きすぎてやらないだろうけど。


「もしさ。彼らがそんな理由で無関係な人達を攻撃するのであれば、俺も本腰を入れるよ」

「……何をするの?」

「目には目を。彼らの所属する国家をこの星から消す」

「え、そんなことが出来るの?」

「まぁ、一晩もあれば。

だから、下手な事は考えないことだ。

俺に直接ちょっかいを掛けてくる分には応対してやるから」

「え、だれに……」


突然第3者に投げ掛けるような物言いに驚くみんな。

同時にバチっと音がして東さんの背中から小さなプレート状の機械が落ちた。

葛西先輩はそれを拾い上げるとしげしげと眺めていた。


「盗聴器?」

「そうですね」

「へぇ。よくドラマとかでは見るけど、実物は初めて見たわ」


それはそうだろう。

そんなものを普段から見慣れていたら日本は大丈夫かって心配になってしまう。

あ、でも銃火器は魔法少女なら見慣れているのかもしれないな。

皆は盗聴器をしげしげと眺めながら難しい顔をしている。

それを見た俺は小さくため息をついた。


「ひとまずこれで多少は奴らを牽制できただろう。

ところでさ。現時点で一番の問題はなんだと思う?」

「問題?えっと……」

「次のあの人たちの行動、ですか?」

「いや、そうじゃないよ。問題は、今みたいに心配事が増えて折角の旅行を楽しめない事だと俺は思ってる」


俺の言葉に驚きとも呆れともとれるため息が漏れる。


「言われてみればそうだけど」

「確かにこのまま予定通りに海水浴だ~って気分じゃないわね」

「だよな。

なので今日の午後は予定を変更してみんなの魔道具を改造しよう。

クラリスさん、工房って今でも残ってる?」

「はい。昔のまま、残してあります。

というか、現代の知識ではほとんど理解できず、状態を保存するに留めているというのが正直なところですが」


工房の使い方はクレアには教えたはずだけど、彼女は機械音痴だったからな。

他の女性もレシピに沿った使い方は出来ても、応用は出来ていなかった。

そのせいで初歩的な武装の魔道具しか製作出来なかったんだろう。

もっとも、現代の魔法少女が使っている魔道具はだいぶ改良が加えられているから、魔道具の研究自体は他の研究機関が進められているんだろうけど。


そうして俺たちは屋敷の中でも特に離れに作られた建物にやってきた。

工房はその性質上、魔道具が暴発したりする危険性があるからこうして隔離しておくのが通例だ。

扉の鍵を開けたクラリスさんに続いて俺たちは中に入った。

工房の中は明り取りの窓一つ無い為真っ暗だ。


「すぐ灯りをつけ……あら?」


クラリスさんが手元のランプに火を灯すよりも早く、壁や天井がぼんやりと光を帯びていく。

不思議そうに振り返るクラリスさんに答えるようにトントンと壁を叩くと、その部分から灯りが波紋のように広がっていった。

この工房の灯りは魔力をエネルギーにしている。

本来なら魔石を特定の場所にセットするんだけど、こうして壁に手を触れて魔力を流すことでも代用は出来たりするんだけど。

きっとこれも伝わっていなかった技術の一つか。

そして明るくなった工房の様子はと言えば。


「鞍馬くん。これ違くない?」

「ですよね。全然工房っぽくないです」


真っ先にふたりから不満の声が上がった。

多分「工房」って名前から炉とか金床があるのを想像したんだろう。

実際にはSFなんかにありがちな研究室に近い外観だからな。


工房のイメージは、ホムンクルスとかの開発を行っている研究室をイメージしてます。

それ以上は皆様の想像にお任せします。

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