7.元気なパートナー
早くも評価とブックマークが増えているのが嬉しかったので、
追加で投稿。
(やばい、こんな事をしてるとあっという間にストックが切れそう)
悩ましい小劇場
「コロって人型に変身したりしないの?」
翌朝4:55。
日の出と共に起きた俺は顔を洗って表へと出た。
すると昨夜急造した犬小屋から、昨日助けた魔犬が顔を出した
「わんわんッ」
「お、もう体はなんとも無いみたいだな」
「わん!」
昨夜は家に連れ帰ってから魔法でキズの治療をしてキングシープのミルクを飲ませたらぐっすり寝てしまってたからな。
元気になって良かった。
「そういえばお前、帰るあてはあるのか?
あるなら俺に気にせず帰っていいんだぞ」
「わうっ、わん」
俺の問いかけに首を振ってから1鳴きした。
どうやらここに住みたいらしい。
「そうか。なら名前付けてやらないとな。
うーん。『コロッサム』……『コロ』でどうだ?
前の世界に居た神獣の名前なんだが」
「わん!」
「よし、じゃあ今日からお前はコロだ。よろしくな」
そう言って頭を撫でてやると、コロは気持ち良さそうに目を閉じた。
するとコロの全身が一瞬光ったと思ったら次の瞬間にはあの全身黒かった姿からスカイブルーと変貌していた。
どうやら俺との主従関係が成立した影響で変異したらしい。
これなら一見魔犬には見えないしちょうど良いな。
「そうだ。これからランニングに出かけるけど、一緒に行くか?」
「わんっ!」
元気良く返事をしたコロを連れて外へと飛び出す。
さて、まずは昨日途中になってしまった学園までの道を走りつつ、ついでだからこの山をぐるっと回ってくるかな。
そうして朝の爽やかな空気の中をふたりで走る。
最初はコロのペースを心配して遅めにしてみたけど、変異したお陰か、もう昨夜の魔犬が束になっても敵わないくらいの身体能力を見せた。
ついでに、昨夜争った場所を通ってみたけど、特に争った跡なども見当たらなかった。
まぁ流石にこれで人の血だまりとか出来てたら後味悪いにも程があるけどな。
そう思いながら学園前を通り過ぎた。
気配からして学園内には宿直や清掃をする人が既に数人来ているようだ。
この時間は校門も閉まってるし、中を通る理由も無いしな。
気にする必要もないだろうと通り過ぎて走っていけば、一周して戻ってくるまでに1時間と言ったところだった。
家に戻ってきた俺達はちょっと早めの朝食を摂って7:00。
まだ学園に行くには早いので何をしようかと思ったところにコロの毛並みが目に入った。
「よし、お風呂にしよう」
「わん」
コロを抱えてお風呂に向かう。
アイテム空間には従魔用のシャンプーとブラシが幾つかあるからその中で犬用のものを取り出して入念に洗い上げていく。
「どうだ、気持ちいいか」
「わふぅ」
マッサージもしながら声を掛ければなんとも気の抜けた声が返ってきた。
まぁ気持ちいいならいいか。
さて、最後はしっかり乾かしてっと。
「よし、サラサラヘアーの完成だ」
「オンッ」
野性味溢れるといえば聞こえは良いけど、言い換えると埃まみれの姿から一転、さわり心地満点の見るだけで癒される姿へと変化していた。
見る人が見れば、モフらずにはいられないだろう。
だが、モフるのは俺の特権だけどな。とドヤって見る。
「っと、そろそろ良い時間か。
俺は学園に行くけど、コロはどうする?
自由にしてもらって良いんだけど、さすがに学園までは連れて行けないから、裏庭で遊んでるか?」
そう言って家の裏に作った裏庭へと連れて行く。
そこは空間拡張の魔法も使って本来の広さの10倍以上になった庭が広がっていた。
ちなみに半分は家庭菜園になっている。
「あっちの畑は荒らさないように気をつけてくれな」
「わんわん!」
一目で気に入ったのか、嬉しそうに吠えながら走り出した。
そんなコロを見送って、俺は学園へと向かった。
個人的にはフワフワよりサラサラ派です(なんのこっちゃ)
「ワウッ!?(貞操の危機が)」