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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第4話:夏休み、浜辺で君と、特異点?
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65.ぐいぐいくる聖女様

最初の構想では街角で困っている聖女の所にばっちり主人公が登場する王道(ありがちな)パターンの予定だったんですけどね。


裏であったかもしれない小劇場

「さぁ張った張った!1日聖女様とのデート券。スタートは10万円からだ!!」

「11万」「15万」「20万!!」

聖女様が席についた後は、教室中がそわそわしているのが分かる。

きっと皆色々聞きたいのを我慢しているのだろう。


「さて、みなさんがクラリッサさんに色々聞きたいのはよく分かっているつもりです。

ですが恐らくそれをすると今日1日が終わってしまうでしょう。

なので、残念ですが皆さんからクラリッサさんに質問を行うのは禁止です」

「え~~~そんな~~~」

「横暴だ横暴!」


途端にあがる講義の声。

まぁ仕方無いと言えば仕方無いだろう。


「はいはい、お静かに。話は最後まで聞いてください。

皆さんが不満に思うのは分かっています。なので1つ平等にチャンスを与えましょう。

このクラスの中から1人だけ、クラリッサさんの案内役を選出します。

そしてその案内役は、クラリッサさん本人に選んで頂きます」

「「おおぉぉ~~~」」


なるほど。聖女様に選んでもらうことで不満を出させないようにしたのか。

だけど、今日来たばかりの聖女様に選べって言うのも難しいんじゃないだろうか。

そう思っていたけど、聖女様は迷うことなく1人を指名した。


「では、そちらの鞍馬様にお願いしたいと思います」

「え……」


俺か。というか、なぜ名前を知ってるんだ?

目が合うと再びにっこりと笑顔を向けてきた。

あ、そういえば大会の間も目が合ったっけ。


「では鞍馬君。今日一日クラリッサさんの事はお願いしますね」

「はぁ、分かりました」


そして途端にあがる講義の声。


「お、横暴だ!」

「陰謀だ!」

「く、鞍馬め。天文部だからって事前にネゴ取ってたんじゃないのか!?」

「そうだそうだ。超絶イケメンでもない鞍馬がすぐに選ばれるなんておかしいぞ」


……悪かったな、イケメンじゃなくて。


「みなさん、申し訳ございません。

鞍馬様を指名させて頂いた理由ですが、彼の魔力の波長がとても気に入ったのです。

ですので、ありもしない誹謗中傷で彼を傷付けるのはお止めください」

「そ、そんな頭を上げてください!」

「そうです。我ら愚民が聖女様の深慮を察することが出来なかったが悪かったのです」

「鞍馬も悪かったよ」


聖女様が頭を下げると、全員慌てて弁解や謝罪に走った。

聖女パワー恐るべしだな。

ただまぁ案内役とは言ってもやることって言ったら、集まってくる野次馬を追い払うくらいだろうな。

と、思っていた時期がありました。10分くらい。


「鞍馬様。ここはどうなっているのでしょう?」

「鞍馬様。この魔法式についてですが……」

「鞍馬様、お花を摘みに行きたいので付いて来て頂いてもよろしいですか?」


事あるごとに声を掛けて来る聖女様。

って最後のは道中は付き添いますが、中までは行きませんからね。

そして昼休み。

天文部の皆と一緒にいつもの食堂に向かっていた。


「申し訳ございません、鞍馬様。私、ご面倒をお掛け過ぎですよね」

「まぁ見るもの聞くもの全て目新しいんじゃ仕方無いですよ」

「そう言って頂けると助かります」


そう言いながら何故か俺の手を取って歩く聖女様。

うーむ、距離が近いな。これが異文化というものか?


「う~、聖女様だからってあれはないんじゃない?鞍馬くんも鼻の下伸ばしちゃって」

「まぁまぁ。今日1日だけって話だしね」

「それにしても彼女は龍司の何にそんなに惹かれたのかしら」

「たしか魔力の波長がって言ってたけど」

「あ、それはちょっと分かるかも」


他の生徒だけじゃなく、後ろにいる天文部の皆からも鋭い視線が飛んでくる。

ほんと、どうしてこうなったのかは俺が聞きたいところだ。


「まぁ!これが噂の魔法のランチなのですね」

「噂?魔法?」


席について、いつものうちの野菜を使ったランチを目の前にして聖女様の目がキラキラしている。

いつの間にそんなうわさが立っていたのやら。


「あの、聖女様なら普段からこれ以上の食事をなさっているのでは?」

「鞍馬様、私のことはどうぞクラリスと名前で。

それに、はむ。ん~~やっぱり。これまで食べたことの無いほどの美味しさですわ。

強さの秘密は食にありとは、まさにこれの事でしたのね!!」


そうして意外なほどパクパクと食が進む聖女様、もといクラリスさん。

その顔はとびきりのデザートを食べているかのようにうっとりしている。

そしてあっという間に食べ終えたクラリスさんはポンッと爆弾を投下してきた。


「そうそう。放課後の部活動にも参加させてくださいね。

そして、皆さんが普段行っているもう1つのほうの活動も教えてください。

あ、もちろん既に央山先生の許可は取ってありますわ」


ふむ、隠すこととかはないんだけど、聖女様が見てがっかりしたりしないだろうか。

そこだけがちょっと心配かな。


この章は聖女関連で前半は進む予定です。後半はバタバタしますが詳細は未定。というか白紙。


「このお金は全額、孤児院へ募金されます」

「えっ、1割上がりを貰えるって話じゃ……」

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