表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
61/103

61.VS 魔将級 2

話が進むほど、高校生活ってなんだっけと思う今日この頃。

物語は作者を置き去りにする勢いで加速していきますね。


観客席での小劇場

「さぁ張った張った。魔法少女VS魔将軍。オッズは3対7で魔将軍が有利だよ!」

「魔法少女側に100億円!!」

「ちょ、作者。インサイダーは禁止だよ!」

サンシャイン&シリカ VS 剣魔の戦いは、突撃を繰り返す剣魔が2人を翻弄し続けていた。

剣魔の突撃はシリカが十分に準備を整えたところに来てくれれば跳ね返せる程度の威力だが、当然剣魔もそれが分かっているので、馬の軌道を左右に振りながら正面衝突は避けている。

そして何よりもサンシャインと剣魔では、まだ圧倒的に剣魔の方が剣の扱いが上手かった。

シリカは横目で斧魔の様子を見て唇を噛んだ。


「(もし剣魔が馬を失ったらあっちと同じ様に自在に剣を扱えるようになる。

そうなったら今のサンシャインでは勝ち目は無いかもしれない)」


馬上剣術はその高さを生かした振り下ろしと突きが主体だ。

他の選択肢が大幅に限られているお陰で技で負けているサンシャインがパワーで耐えている今、シリカが取れる選択肢は相手の走りを乱れさせ、体勢を崩すことのみだ。

ただ、防戦一方では勝ち目が無いのも間違いない。

それでも焦れば今の拮抗した状態が崩れてしまう恐れもある。

斧魔の戦況が動いている以上、今は我慢の時だ。


「うんうん、いい感じに苦戦してるな」

「ちょっと、あなた。彼女らの大将なのだから早く助けてあげなさいよ!」


ステージ端でみんなの戦いぶりを見ていたら、隣のムーンライトから抗議の声が出てきた。

ちなみにそのムーンライトはというと、先ほどからいつ次の魔物が出てくるかと特異点を睨みつけている。

……実際には、今回の特異点はあの2体が通るのが精一杯で次は来ないだろうけど。

今回の特異点はインスタント型に分類されるもので、比較的簡単に創り出せる半面、決まった容量の魔物(もしくは魔素)しか通れない。

更に言うと、一定時間が経過するか、通った魔物が消滅すれば自動的に消えてしまう。

なので、ムーンライトには無用な努力をしてもらってたりする。


『避難中の皆さんに朗報です。

なんと現在、特異点から出てきた魔物の暴走は魔法少女達によって見事食い止められています!!

ただし、特異点自体はまだ開いたままですので、新たな魔物が出るとも限りません。

ですので、慌てず落ち着いて、速やかに避難をお願いしま……

おおっと、ここでサンシャインとレインが同時に吹き飛ばされた!!

二人揃って会場中央に転がり込んだが大丈夫か??

っとすぐに立ち上がり剣を構える。ダメージは心配無さそうだ!!』

「「おおおぉ」」

「がんばれー、サンシャイン!!」

「負けないで~~~レイ~ン!」


観客席にはまだ大勢の人が残っていてステージ上の戦いを応援していた。

見れば北山達も避難せずに応援を続けている。

あと、例の聖女様は貴賓席からサンシャイン達に魔力強化をかけてくれている様だ。

ありがたい。確かにあの場所からここまで、混乱した会場内を通ってくるには時間が掛かりすぎるからな。

そしてサンシャイン達の戦いも大きく動きだした。

背中合わせになったサンシャインとレインが2言3言頷き合う。


「シリカ先輩。少しだけそっちを食い止めることって出来ますか!?」

「……10秒。いえ、20秒は私1人で止めてみせるわ『ストーンケイジ』」


サンシャインの要請を受けて、シリカが温存していた魔力を惜しみなく放出していく。

剣魔の周りに次々と石の柱が立ち上り、剣魔を檻に閉じ込めようとする。

ただ、まだシリカの魔法では速度を出した分、十分な強度が確保出来なくて、出したそばから剣魔に切り崩されていく。

それを見たシリカは小さく笑った。


「あなたはそのままその場で石の相手をしていなさい!」


数本切られた後は、一度出して崩された石を再度積みなおしていく。

なるほど、確かにあれなら魔力消費が抑えられるな。

そうしてシリカが剣魔を抑えている間に、サンシャイン達3人は斧魔と対峙していた。


「良いわね。あいつの攻撃は絶対に私が食い止めるから、恐れずに飛び込みなさい!」

「はい!」

「じゃあ、まずは私から。『フレイムバースト』!」


サンシャインが放った炎の魔法が斧魔を包み込む。

斧魔は一瞬たじろぐも、斧を団扇代わりにバサっと振り払って炎を吹き飛ばした。

しかし、それによりがら空きになった胴へレインが突撃をかける。


「ヌガッ!!」

「させないわ!」


レインを迎撃しようと斧魔が振り下ろした斧は、しかしウィンディの放った風の障壁によって防がれた。

一瞬動きを止める斧魔。その一瞬でレインは斧魔の必殺の間合いのその奥へと踏み込んでいた。


「やあああっ!」

ズンッ


レインの刺突が斧魔の胸に吸い込まれる。

それは先日のゴーレムの時のように斧魔の魔核を見事貫いていた。


「グオオォォ……」

「グオオォォオオオ」


断末魔の叫びと共に崩れる斧魔。

それと同時に剣魔からも怒りの咆哮が放たれた。

瞬間、剣魔はシリカの創り上げていた檻を飛び出すと、消え逝く斧魔の持っていた斧を受け取った。


「なっ、うそでしょ」

「折角1体倒したと思ったのに」


そこには斧と一緒に魔素も吸収したのか、一回りパワーアップした剣魔が立っていた。



2体セットならやっぱり片方が倒れるともう片方がパワーアップするお約束。

ただここまで強くすると今後の展開が怖い。


「すみませーん、ポップコーン1つお願いします」

「こっちはビール3つね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ