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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
60/103

60.VS 魔将級 1

戦闘描写も昔に比べるとレベルアップ出来ている気がします。

ただ、苦戦する描写がまだまだ難しいですが。


あながち間違っていない小劇場

「よし、ここが特等席だな。みんながんばれ~」

「ちょっと、そのポップコーンはどこから出てきたの!?」

会場中が静まり返っていた。

先ほどまでハイテンションに司会をしていた声すら、息1つ聞こえてこない。

そんな中、観客席で一番に動きを見せたのは貴貧席の聖女だった。


『観客席のみなさん。良く聞いてください。

観客席とステージの間には強力な防壁が展開されています。

そう易々と突破されるようなものではありませんので、落ち着いて行動してください』


流石聖女というべきか。

一瞬前まで破裂寸前の風船のような状態だった会場の雰囲気が少しだけ和らいだ。

これなら俺達がきっちりと対応できればけが人を出さずに収拾出来るだろう。

そう考えながら俺はスタスタとステージを横断していく。


「……フンッ」ブオッ!!

「ハッ!」ズガッ!!


当然、特異点から出てきた魔物の正面を通る訳で、2体から鋭い斬撃が放たれた。

威力はサンシャインよりちょい上くらいか。

俺はそれをしゃがんだり、飛び越えたりして避けながら前進していく。

必然的に魔物たちの視線は俺に向けられる訳で……


「隙だらけね。『バーストショット』」


余所見をしていた魔物たちに続けざまにウィンディの矢が突き刺さっていく。

しかし厚い鎧に阻まれて大したダメージにはなっていないようだ。

それでも明確に攻撃された事で、2体の標的がウィンディ達に向いた。

俺はその隙にと、相手チームの元までたどり着く。


「やっほー。無事か?」

「あ、あ、あ、あなた。何をそんな暢気に。あれがどういったものか分かっているの!?」

「もちろん。それより全員、ここは危ないから端に避難しててくれ」

「は、はい!」


吹き飛ばされたり、へたり込んだりしていた4人は俺の指示を聞いて慌ててベンチまで下がっていった。

あとは大将のムーンライトだけなんだけど。


「ば、馬鹿にしないで下さいます?

私だって戦えますわ」


そう言って気丈に振舞いつつ杖を構えた。

ただ、あのレベルの魔物との実戦経験が乏しいのか、足がガクガク震えていた。

さて、どうするか。

実際問題として準決勝で見せた彼女の魔法は、あの魔物相手であっても多少(・・)効く。

ただサンシャインの『フレイムバースト』同様に効果範囲が広すぎるので皆を巻き込むんだよな。

でもここで邪魔だって言ってもプライドを刺激するだけだろうし、適当に役割を与えるのが良いか。


「分かった。ならまだ開きっぱなしの特異点が見えるよな。

あそこから新たに魔物が出てこようとしたら、得意の必殺魔法を撃ち込んでくれるか?」

「わ、分かりましたわ。ですが、今居る2体はどうなさるの?

あれは多少魔法が扱える程度では太刀打ち出来ませんわよ?」

「そこは大丈夫だ。彼女達なら多少苦戦はするだろうけど、怪我はさせないし、有効な攻撃手段もしっかりあるから」

「それはどういう……」


なおも言い募ろうとしたところで戦況が動き始めた。

剣を持った魔物(長いから剣魔)が魔力による防壁を張りつつサンシャイン達に突撃を行う。


「左に流すわよ」

「おっけー」


シリカの声にサンシャインが応え剣を構える。

ガキンッと激しい衝突音を響かせてシリカは剣魔の一撃を受け止めると、宣言どおり左へと受け流した。


「待ってました!!」

ギンッ!!


サンシャインの放った上段切りは、しかし剣魔にあっさりと受け止められてしまった。

剣魔は突撃の勢いを殺すことなくそのまま一気に通り過ぎた。


「今のはタイミングバッチリだと思ったのに」

「油断しちゃダメよ、サンシャイン。相手は魔将級。ただの魔物ではなく歴戦の戦士だと思いなさい」

「そ、そうですね!」


ウィンディの叱責に改めて剣を握りなおすサンシャイン。

ただ、敵の攻撃ターンはまだまだ終わってはいない。

剣魔の突撃によりシリカの右側へと移動していたレインの元に斧魔が飛び掛かる。


「くっ」


巨大な戦斧を棍棒のように振り回す斧魔に対し、何とか剣を合わせて受け流すレイン。

パワーでは圧倒的に相手の方が強い為、少しでも受け筋が甘いと吹き飛ばされてしまうだろう。


「足を止めるな、動き続けろ!」

「はい!!」

「常に相手の斜め後ろをキープするんだ」

「はい!!」


俺の指示を聞いて細かくステップを踏むレイン。

騎馬の特性上、斜め後ろというのは最も攻撃も防御もしづらいのだ。

ただ、そうすると前が空く訳で。

斧魔の目が矢を放つウィンディを捕らえた。


「っそこです!!」


斧魔がレインを無視してウィンディへ飛びかかろうとした瞬間。

その一瞬の隙を逃さずレインの必殺の突きが斧魔の乗っている馬の後ろ左足太ももを貫通した。

倒れる馬から飛び降りる斧魔。

そこへ好機とウィンディから矢が飛んでくるも、斧を盾代わりに防がれてしまった。

どうやら馬から下りたことで機動力が落ちた代わりに攻防の自由度は上がってしまったようだな。

ボスキャラはHPが半減してからが本番なのです。

実際には量産型の中ボスですが。


「そこ、座り込まないで!スカートの中が見えちゃうでしょ!?」

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