54.魔法少女大会1回戦
ここにきてようやく学園名が出てくるという。
いやぁ頑張って引き延ばしました(ぉぃ
それはちがう小劇場
「第1問。さあみんな、ニュー○ークへ行きたいかぁ!!!」
ゲートを抜けて試合会場に入ると、観客席から物凄い声援が聞こえてきた。
見れば観客席は超満員の盛り上がりで、学生から大人、どこかの報道機関など、多種多様な人が詰め掛けていた。
『さぁお待たせ致しました。皆さん。
オープニングセレモニーも終わり、1回戦第1試合が始まります。
まずは選手入場。
第1ステージは青コーナー、北野魔法学園。昨年度ベスト8に惜しくも届かなかった雪辱を晴らす為に満を持しての登場だ。
対するは、赤コーナー、神門学園。一般校からの参戦、去年1回戦敗退だったが今年は頑張ってほしい!さらに珍しい男性メンバーを大将に据えての登場だ』
ハイテンションな司会に合わせて、俺達はステージに上がり、相手チームと向かい合う。
さて、相手の魔力量は……あー、最初に会ったサンシャイン達と同じくらいだな。
ただなんだ、相手チームが俺達を見て噴き出しそうになってる?
なにか変だったかな。
「ぷっ。あ、あなたたち、そんな旧式の装備で勝負に挑むなんて正気?」
相手の大将がそう言ってくるけど、はて。
いやまぁ、相手の武器を見れば分かるんだけど、とぼけておくか。
「ええ。何か変ですか?ん~まぁ問題なく勝てそうですし大丈夫でしょう」
「っ!言ったわね!! ならこてんぱんに倒してあげるわ」
しまった。怒らせてしまったか。
まぁ、勝てばいいか。
挨拶が終わった後はステージの両サイドに分かれて対峙する。
と、その前に。
「みんな、武器の使用禁止で」
「え……」
「特にサンシャインとレインは危ないから武器しまって」
「そんなに、ですか?」
「ああ」
その様子を見たのだろう、司会が驚きの声を上げた。
『おおっと、これはどうしたことだ?
神門学園選手の2人が武器をしまってしまったが、これは何かの作戦か!?』
『3,2,1 ファイト』
『ここで開始の合図。さぁどの様な戦いを見せてくれるのか、注目しましょう』
開始と共に相手チームがジュラルミン製の盾を構えつつ銃をこちらに向けてくる。
そして発砲。
ババババッとサブマシンガンから大量の弾丸が放たれる。
「……見間違いかと思ったけど、やっぱりサブマシンガンなんだな」
「うん、でも当たっても痛くないよ?玩具なのかな」
「うーん、一応学生用に調整はしてあるはずだけど、相手は真剣ぽいよ?」
「魔力による差ね。この速度で撃ち出す弾丸にこめる魔力が間に合ってないのよ」
「まさに豆鉄砲」
やがて1弾倉分を撃ち尽くしたのか銃撃が止む。
俺達の防具が計測したダメージは一番防御力の低いウィンディでも全体の1割にも満たない、か。
実際には今この瞬間も少しずつ回復しているから、この10倍の銃弾を撃ち込まれても誰一人倒れはしないだろうな。
そんな俺達の姿を見たのだろう。敵に動揺が走る。
「なんなの、あいつら」
「まるで攻撃が効いてないわ」
「上位種の魔物だってこれで封殺できたのに」
「……落ち着きなさい、みんな。旧型は防御に特化しているのかもしれないわ。
分散して撃ってもダメなら敵大将に集中よ!」
「「はい」」
そう言いながらマガジンを交換し始める。
うーん、遅いなぁ。
あれを待っても、もう面白いものは見れないだろうな。
「サンシャイン、レイン。やっちゃって」
「うん、行ってくるね」
「はい」
2人は一気にダッシュすると、サンシャインがジャンプで先頭の少女を飛び越え、レインがステップを踏んでスルスルと奥へ入り込み、敵大将へと肉薄した。
「うそっ、早すぎでしょ!?」
「そっちが遅いんじゃない?そんな重そうな盾持ってるんだし」
「これくらいなら上位種の魔物でも出来ると思いますよ?」
そうしてレインが右手に持っていた銃をショートアッパーで吹き飛ばし、サンシャインの右フックが盾ごと大将の少女をステージ外へ叩き落した。
『おおっと、これは……決まった!!
北野魔法学園大将、マジリリ・ガンレッド。場外かつ気絶と判定された為、敗北が決定しました。
勝利したのは神門学園。決め技は魔法少女とは思えぬ鋭い右フック。
脅威のグラップラー娘がここに誕生だ!!』
「ちょっ、グラップラー娘って何!?」
サンシャインが司会の言葉に抗議の声を上げるも、観客の歓声によって司会席に届くことは無かった。
魔法少女が扱う兵器はエアガンレベルと思ってもらえれば。
それプラス魔力が乗るので、魔物には有効になります。
「よし、今だ。アタッ○チャンス!」




