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５２．対ゴーレム戦

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休日の間に凄いアクセス数が増えててびっくりしてます。

ランキングには乗ってないはずなのですが……

ついつい小劇場

「魔法少女戦隊『マジレンジャー！』」

「ちょ、ちょっと、サンシャイン。ポーズとかやめようよ。恥ずかしいよ」

「えぇ～だって相手ロボットだよ、合体だよ！」

「いや、ゴーレムだから」

１対１になるように、それぞれ別の魔物に軽く一当てして散らばった。

さて、みんなが頑張っている間、俺は周囲の警戒でもしつつみんなの戦いっぷりを観察するか。

まずサンシャインはっと。

……敵を前にして軽い準備運動をしてるな。あそこじゃ敵の射程圏内だろうに。

「さてと、ここのところ岩ばっかり切ってたから、動く魔物は久しぶりかな。

っちょわっととと」

剣を構えたサンシャイン目掛けてゴーレムの一撃が突き刺さる。

咄嗟に横に跳んで何とか避けていたけど、うーん、減点１かな。

「危ないなぁ。そんな図体して意外と早いんだ。でも！」

サンシャインは再び振るわれたゴーレムの腕をバックステップでかわすと、一気にゴーレムの腕を駆け上がった。

「セイッ」

ズバッと音がしそうなくらい、勢いよくゴーレムが袈裟切りにされて後ろに倒れる。

それに満足して俺の方に手を振るサンシャイン。

「へへんっ。リュージュ、見た？」

「ああ、見てるぞ。サンシャインが油断し過ぎな所をな」

「へ？と、うわぁ」

倒れていたゴーレムが半身を持ち上げて再びサンシャインに迫って来ていた。

「くっ、この！」

何とか掴みに来た腕を避けつつ再度の攻撃で、今度こそゴーレムは消滅した。

うーん、やっぱりもうちょっと天狗になった鼻を折るべきかな。

それはともかく、レインは……苦戦しているな。

「はぁっはぁっはぁ」

見ればレインの相手をしているゴーレムは体の所々に穴が開いている。

恐らく何度も突きを放っているけど、敵に急所に当てられずにいるのだろう。

「ダメだわ。相手が大きすぎて、私の攻撃じゃ致命傷にならない。

ゴーレムじゃ頭が急所って事もないみたいだし」

既に試した後らしく、ゴーレムの眉間にも穴が１つ空いている。

動物型の魔物ならあれで終わってたんだろうけどな。

さて、仕方ない。ヒントを出すか。

「レイン。意識を集中して魔素の流れを見ろ。

魔素が濃い場所が幾つかあるはずだ。それがあの魔物の急所であり、一番濃い場所が核だ。

魔力の扱いに慣れてきたレインならもう見えるはずだぞ」

「魔素の濃淡……っ！そこっ！！」

レインの一撃がゴーレムの右胸を貫通した。

それと共にさっきまで手ごたえが無かったゴーレムがあっさりと崩れ落ちて行った。

「っ。やりました！」

「ああ、よくやったな。ゴーレムに限らず魔物には核があるんだ。覚えておいてくれ」

「はい！」

よしよし。レインは順調に成長しているな。

これで後は動きの速い魔物に対処出来ればいいだろう。

さて、ウィンディは……まだ遊んでるな。

このゴーレムの魔物。一見同じように見えて、少しずつ攻撃方法とかに違いがある。

ウィンディの相手をしているのは自分を構成している魔素を弾丸のように打ち出すタイプのようだ。

戦闘が始まってからこっち、ウィンディとゴーレムの打ち合いが続いている。

……正確にはゴーレムが打ち出した魔弾をウィンディが射的のように弓で撃ち落としているんだが。

連射速度がウィンディの方が圧倒的に早いから勝負になってないな。

「ウィンディ。そろそろみんな終わるよ」

「はーい。じゃあ、最後はこれね」

そう言って特大の矢をゴーレムの胸目がけて打ち出した。

ドッ！！

ゴーレムにぶつかった瞬間、爆発する矢。

どうやら風の子盾を応用して矢が当たった瞬間、圧縮した風が爆発するようにしたようだ。

ゴーレムは胸に大穴を開けて消えていった。

残るシリカも余裕そうだ。

降りかかるゴーレムの一撃をメイスで撃ち返している。

ふむ。どうやらメイスに魔力を集めて吹き飛ばす練習みたいだな。上手くタイミングを合わせているようだ。

「あれ、みんなもう終わったの？」

「ええ。なのでシリカも終わらせて帰りましょうか」

「分かったわ。じゃあ、さようなら」

そう言って高くジャンプしたシリカはゴーレムの脳天にメイスを叩き込んだ。

ドゴッ。

小柄なシリカがやったとは思えない程、ゴーレムはぺしゃんこに潰れて消えていった。

シリカは４人の中では一番相性が良かったからな。

この余裕も当然か。

「じゃあ、みんな。無事に魔物も倒せたし、帰りましょうか」

「「はーい」」

「あ、サンシャインは明日補修だからな」

「ええぇぇぇ～」

「まだ半人前なのに油断しすぎなの。本当なら最初の一撃で真っ二つに出来たはずだし、ちゃんと消滅するのを確認せずによそ見をしたのもアウト。

その辺りを明日、みっちり鍛え直すから楽しみにしててくれ」

「そんなぁ～」

がっくり首を垂れるサンシャインを見ながら、俺たちは帰路に就いた。

……それにしても、今回のゴーレムは何が目的だったんだか。

俺は一瞬立ち止まって振り返ると、すぐに皆の後を追った。

……

…………

………………

「情報にあった通り、学生としてはあり得ない程の魔力。あれは既に指揮官クラスだわ。

それに一番危険視されていた少年は一切魔法を使わずか。更なる調査が必要ね」

後半になるにつれ、魔物という表現が減っているという。

「いくよ究極合体！！」

「って、まだやるの！？」