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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
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49.新たな魔法の練習 中編

前編の後が後編とは言っていないのですよ。

というか、終わらなかった。


残念な勝負事

「シリカ、勝負よ!」

「負けないわ、ウィンディ」


魔法の練習を始めたサンシャインとレインを見送り、凄く期待に満ちたウィンディへと向き直る。


「お次はウィンディだけど」

「だけど?」

「ウィンディなら俺が言わなくても幾つか思いついてますよね」

「確かに幾つか試してみたいものはあるけど、私だけ説明なしってのは酷いと思わない?」

「まぁ冗談です。ちなみに、攻撃と防御だったらどっちを優先して学びたいですか?」

「防御ね。コロちゃんに近づかれたら手も足も出ないのを何とかしたいわ」

「分かりました。ならちょっと難しいですが、『風の小盾』にしましょう」

「盾ね。てっきり自分の周りに竜巻を発生させて防御するのをイメージしてたわ」


あ、そういえば最初に魔力制御の時に竜巻の話をしたな。

それのイメージが残っているんだろう。


「確かに竜巻を纏って全方位にガードするのは無しではないんですが、問題が多いんですよね」

「魔力消費が多い?」

「それもありますが、こちらからも手が出せなくなることと、どうしても点で考えると弱くなるんですよ。

なのでサンシャインのフレイムバーストを防ぐには効果的ですが、1点集中のレインの攻撃は防げません。

それに上位の相手にも無力です。ウィンディの所まで敵が来た時点で高確率で上位の相手なので悪手になる可能性が大です」

「なるほどね。よく分かったわ」

「納得していただけた所で、これが『風の小盾』です」


そう言って右手でちょんっとを前方の空間を押すジェスチャーをする。


「?いったいなにを」

「そうですね。シリカ、メイスで思いっきり俺を殴ってきてください」

「ん、分かった。はぁっ!」


ズンッとシリカの全力の一撃が俺に当たる手前50センチの所で止まる。

それにしてもシリカの思い切りの良さは凄いな。

俺が信頼されている証拠と見るべきなんだろうけど、下手したら俺の顔がぺしゃんこだ。


「……進まない。見えない壁があるみたい」

「はい。この魔法の良い所は肉眼ではほぼ見えないように出来る事です。

原理は単純に今シリカがメイスを当てている場所に高圧の空気を置いて固定しただけです」

「高圧にして固定って。口で言うのは簡単だけど、凄く制御が難しいじゃない」

「そうですね。ちなみにこの圧を相手側に開放すると」

「わっ」


ぶわっと突風にあおられたようにシリカがのけ反る。


「こんな感じで相手の体勢を崩せます」

「なるほどね。でも所詮は空気なんでしょ?簡単に潰れないかしら」

「それは抑える力次第ですね。

例えばペットボトルあるじゃないですか。

あれ、フタを閉めた状態だとトラックに踏まれても潰れないって知ってますか?」

「言われてみればそうね。リサイクルする時にフタを外すのって、それが理由だものね」

「だから上手く全方位から密閉してあげると散らされる事は無くなります。

あとは今見せたのは『見えない』ことを第一にしたので完全固定にしましたけど。

さっきウィンディが言った竜巻のように流れをつくってやると、レインの『圧縮水刃』でも貫通できずに横に反らされます」


そう言って今度は小さな竜巻状の風の球を作り出す。


「なるほど。流れがある分、そこに何かがあるのは分かるのね」

「そういうことです。あとこれを相手にぶつけるだけでも十分武器になりますよ。例えば矢の先に括りつけて当てるのも効果的ですね」

「それはまた難易度が高そうだけど、練習あるのみね」

「はい、頑張ってください」


ウィンディは頷くと少し離れて魔法を発動させ始めた。

うん、やっぱり当分は固定できずに突風になるか。あとでコツも教えないとな。

そして。


「お待たせしました。シリカ。

シリカの場合、先日の上位種を倒した一撃、あれを洗練出来れば攻撃は十分です」

「洗練というと?」

「鋭く硬く、そして出を早く、ですね」

「うん、分かったわ」

「それと、シリカはみんなの守りの要です。なので『土の壁』を作る練習をしてください。

こんな感じです」


そう言って俺は10メートル先に幅3メートル高さ2メートル厚さ50センチの土の壁を作り出した。


「これは……どうやってそんな離れたところに作れたの?」

「簡単です。地面は繋がっていますから」

「あ、なるほど」


そう、突然離れたところにこれだけ巨大なものを生成する魔法は、発動させるだけで難易度が上がるけど、この魔法の場合、足元から地面を伝って魔力を伸ばしただけだったりする。


「もちろん距離が離れた方が発動は難しくなりますし、作れる壁の強度や大きさにも影響は出ます。

なのでまずは目標としては前衛に立った状態でウィンディの後ろに壁を作れるように、

5メートル先に作れるようにしてください」

「分かったけど、むむむ、これは集中が必要ね」


そう言って3メートル先に小さなでっぱりを作り出すシリカ。

最初から魔法を発動出来たのは流石だけど、これじゃあまだまだ壁とは言えない。

精々相手の足を引っかけるレベルだ。それはそれで有効だけど。


「なれたら発動までの時間も短縮できます。

あと、まだみんな練習中ですけど魔力感知が出来るようになったら大分楽になりますよ」

「それは超上級クラスのスキルだからすぐには無理よ。でも頑張ってみるわ」


そうして4人ともが新たな魔法の練習を開始した。


さて4人が終わったけど後編は一体……


「『風の盾』」

「『土の壁』」

「……あのー、どっちかは攻撃しないと」

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