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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
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44.準決勝 後編

毎回思うのですが、こういう戦闘シーンってどう描いたら盛り上がるでしょうね。

殴り合いの戦いならともかく、剣での切り合いって本来一瞬ですから。


予告っぽい小劇場

「勝敗の行方は!?」

北山はこれまでと違って盾を持たずに剣1本で勝負に臨むようだ。

まるで不退転の心構えのようにも見える。


『さあ注目の副将戦。相手は予選を勝ち抜いたエースだ。これに勝てば勝利は間違いないでしょう。

このまま光浦選手のストレート勝ちが決まってしまうのか?』

「ったく。うちには隠れボスが居るってのにな」


リングに上がった北山は小さく呟きながら笑う。

相手は怪訝な顔でこっちを見ている。まぁそうだろうな。


「おや?かわいい同僚が負けすぎて頭がおかしくなってしまったのかい?」

「いや。正々堂々と戦ってればお前達にも勝ち目はあったのになって話さ」

「なにを馬鹿な」

「後で分かる。もっとも、お前は俺が倒すがな」

「やれるもんならやってみるんだね」


「はじめ!」

「……」

「な、なんだ!?」


開始の合図と共に自然体のままゆっくりと間合いを詰める北山。

言いようの無いプレッシャーにじわじわと後退する相手。

そして。


「ふっ」

ズンッ!


一瞬防具を貫通してしまったのかと錯覚させるほどの鋭い突きが相手の胸板に刺さる。

しかし同時、いや一瞬遅れて吹き飛ばされる北山の姿があった。


『おおっと、これはダブルノックアウトだ!!

鋭い突きを放った北山選手に対し、カウンターを入れた光浦選手。

共にダウンです!!』


全くどこを見たらそうなるんだか。

相手選手は全く反応出来てなかっただろうに。

ただまぁ、これで攻撃を加えたのが誰かは分かったな。まさか応援席の教師が3人がかりとはね。


向こうの選手は自力で立ち上がれないらしく、タンカで運ばれていった。

防具は破損しているのか赤くは光っていない。いや、元から光らないようにしてあるのかもな。

そして北山はなんとか自力で戻ってきた。


「北山君、格好良かったよ」

「ほんとほんと。ナイスアタック!」

「スカッとした」


北山に肩を貸しては口々に声をかけるみんな。

無言でグーサインを出す北山。

そんな北山と目が合った。

「後を頼むな」

そう言われた気がした。

「任せろ」

そう肩を叩いてリングに上がる。


「さて、悪い子にはお仕置きの時間だな」


まずはリングに張られた吸魔結界を書き換えて更に反射結界を展開する。

これでリング外からの直接的な魔法攻撃は全て無効化出来るだろう。リング内も。


「まさか光浦くんが負けるとはね。でも僕はそうはいかないよ」


キザ野郎パート2が何か言っている。

その男を注視すると、周りから強化魔法を掛けられているのが分かる。

ま、所詮素人の遊び程度のレベルだな。


「はじめ!」

「ほいほいっと」


浅海さんのようにリング上を左右に動き回りながら隙を狙うふり(・・)をする。


「ふっ。そんなトロい動き見えているよ」

「まぁ、見せているから、な!」


キンッ。「ぐはっ」

「な、なんだ」「おい、どうした」


俺が相手の死角から剣を振るおうとしたタイミングで観客席が騒然となった。

どうやら早速馬鹿なのがひっかかったらしい。

観客席でさっき確認した教師が倒れている。

自分で撃った魔弾が倍返しで反射してきたのを受け切れなかったんだろう。

あと目の前のキザ野郎も慌てているところを見ると、全部知っているって事なんだろうな。


「くっ、いったい何をしたんだ!」

「何の話だ?試合中の俺が何か出来るとでも思っているのか?」


実際に結界は張り直したけど。


「ひとまず、お帰りはあっちだ」

「ぐはっ」


多少強化されていても気にせず殴り飛ばす。

あ、ちなみに今日俺が使っているのは普通の木刀だ。

変に刃のついた武器だと真っ二つにしかねないからな。

そして中堅、副将と同じ様に倒していく。

個の力はうちのチームの誰よりも弱いな。

そして大将戦。


「ふっ、まさかこの僕がリングに上がることになろうとはね」

「はいはい。御託はいいからかかっておいで」


キザ野郎パート5。

こいつは魔力量はそんなでもないけど魔法スキルは高そうだな。

自分を良く見せる為には努力を惜しまないタイプか。

こういう奴に限って無駄にプライドが高いんだよな。

あと幾つ魔石を隠し持っているんだか。


「っち。その澄ました顔を今後表を歩けない無残なものにしてあげようか」

「無理だろ。仮に出来たとしても先に防具が根をあげるし」

「ふっ、どこの世も抜け道っていうものはあるものさ」


そう言って切りかかってくる敵大将。


キンッ、スパッ。


受け止めた木刀の先端が切り落とされた。

まるで刃のついた本物の剣を受けた時のように。更に言うと、魔力ではなく魔法を纏った剣で切られたように、だ。


「魔法は禁止じゃなかったのか?」

「ふっ、これは単に僕の魔力で切れ味が良くなりすぎただけさ。

それに審判が何も言っていないからね。つまり問題なしってことさ。

さぁさぁ。今度はその木刀じゃなく君自身を切り刻んであげよう」

「はあぁ。一応言っておくと、それ無理だから」

「ふん、戯言を」


相手の一撃を俺はワザと腕で受け止めた。

この程度の攻撃力だと、俺にはキズ1つ付かないからな。


キンッバキッ!!

「なぁっ!?」


根元から刀身が折れるキザ男の剣。

しかしそこにはまだ、光で出来た剣が残っていた。


「光魔法の使い手は珍しいらしいけどさ。それ、どう言い訳する気かな?」

「な、なにを。ははっ。これは元々こういう剣なのさ。

それより君こそ、剣で切られたのになぜ無事で居られるんだ。

そうか審判!彼はルール違反をしている。即刻反則負けにしてくれ!」

「……」

「おい、どうした。聞こえないのか!?」

「うん、聞こえてないだろうね」


俺の言葉を聞いてたかのように、糸が切れたマネキンのように倒れる審判。

まったく、大人の癖に違法行為に手を染めるから。

ま、兎に角、こいつを倒して試合を終わらせておこう。

あれ?審判気絶してるけど、この場合、どうなるんだっけ。


後半、あまりの出来事に観客も静まりかえってしまったとか。


「赤旗多数!観客の多数決により、勝利が確定しました!」

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