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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
43/103

43.準決勝 前編

そろそろ普段の仕事も忙しくなってきました。

更新頻度が落ちる、かもです。


いつもの小劇場

「ねぇきみ。1万円あげるから負けてくれないかな?」

決勝トーナメントが既に8組に絞られていたので、2日目の今日は午前中に準決勝、午後から決勝戦が行われる。

問題の準決勝の相手なんだけど。


「「うおおおおおぉぉぉぉ」」

「「かっ飛ばせー、みぃつうら!」」

「「うらしまさーん、ファイト~~~」」


観客席がまさかの超満員。

かつその殆どが相手チームの応援らしい。


「……ナニコレ」

「どうやら相手がこの地域の専門学校みたいで、学校を上げて応援しているみたい」

「まさにアウェー」

「確かに酷いなこれは」

「一応南野さん達が応援に来てくれてるけど、肩身狭そう」


ほんとこじんまりと小さく纏まって、うちの学園生が俺達の応援に来てくれている。


「ま、試合は試合だ。正々堂々とやればいいさ」

「そ、そうね。多少外野が煩くても気にしない気にしない」


そしてまずは全員がリングに上がって相手選手と挨拶。

……あれ?相手の大将、どこかで見たような気がするな。どこだったか。

こっちの世界に来てから、まだ他校の知り合いとかは居ないはずなんだが。

まぁいいか。向こうはこっちを知らないみたいだし。


「やあやあ。今日は仕方がないので胸を貸してあげますよ。その分精々楽しませてください」


うわぁ。キザというか上から目線というか。

めちゃくちゃ傲慢な態度で声を掛けられてしまった。


「あ、俺はそっちの趣味は無いんです。すみません」

「だ、だれが男色の話をした。そんなもの、こっちから願い下げだ」

「そうですか。それは良かったです」

「この僕にそんなふざけたことを言ったこと、後悔させてあげますよ」

「はぁ。頑張ってください」


礼をして自分達のベンチに戻る。

と、色々言われたのは俺だけじゃなかったらしい。

みんな怒り心頭だ。


「なにが『この試合が終わったらデートしようぜ。どうせそっちの学校には碌な男がいないだろ』よ。

あんたの目は節穴かっての。まったく!!」

「……視姦された」

「ほんと、嫌な感じね。あれきっと自分達はイケメンだと思ってるのよ」

「……」

「北山?」


あー。これは激オコって奴だな。静かに殺気立ってやがる。

さて、そうこうしている間に先鋒戦が始まるので沖田さんがリングに向かった。

……ん?これは。……ふぅん。

開始の合図と共に前回同様、先制の一撃を放つ沖田さん。

それがまるで鉄板を叩いたかのように跳ね返された。

さらに。


『おおっと。沖田選手。開始早々、光浦選手の一撃に大きく弾き飛ばされた!!』


どうやら今回は実況が入るらしい。

リングの上ではサーベルを持った相手選手の一撃を受けて、沖田さんが大きく後退していた。


「そらそら。さっきの威勢の良さはどうしたのかな?」

「くっ、この」

「残念、フィニッシュだ」

「ぐあぁっ」

『決まったーー!!光浦選手の必殺技、シャイニングスラッシュで沖田選手敗北だぁ』


終始イラつく言葉を投げかけてきた相手選手の一撃により防具が敗北の赤い光を放つ。

ちなみに『シャイニングスラッシュ』とかいったけどただの逆袈裟だ。それ以上ではない。

刃の角度も甘いし、碌に腰も乗っていない。

あれで良くダメージが入ったように見せれたな。


「沖田さん!」

「ぐっ、すまない、みんな」

「大丈夫。仇をとってくる」


戻ってきた沖田さんの代わりに浅海さんがリングに向かう。


「しかし、今の戦い。沖田さんらしく無かったな。そんなに相手が強かったのか?」

「いや。確かにあいつの一撃は異様に重かったけど、それだけじゃなく、段々力が出なくなったというか」

「なに!?それはいったい……」

「くっ」


とそこで次峰戦をしているリングから浅海さんの短い悲鳴が聞こえてきて、俺達は話を中断した。


『浅海選手、巧みに足を使って光浦選手を翻弄しに掛かるが……残念!』

「ふっ、その動きは昨日見たよ」


浅海さんが飛びかかった瞬間。

まるで横合いから殴られたかのようにバランスを崩した、というか倒れこむ浅海さん。

そこへすかさず光浦選手の一撃が決まる。


「……見たか、今の」

「うん。変な動きだったわ。まるで第3者から妨害を受けたような。……まさか!?」

「いや、流石に公式の試合だぞ。そんなルール違反がまかり通る訳ないだろ」

「どうだろうね。ちょっと試してくるよ」


そう言ってリングに上がる内川さん。

手にはバトルハンマーの他に小盾を付けていた。


『おおっと、どうしたことだ? 内川選手、試合が始まったのに動かないぞ!

まさか前の2戦を見て恐れをなしてしまったのか!?』


「……この実況も完全に相手サイドだよな」

「ああ。とすると、審判もだったりしないか?」

「いや、流石に審判は別から呼んできてるだろ?」

「なら金で雇われているのかもな」


と、内川さんが何かに気付いたのか、1つ頷いて相手にゆっくり近づいていった。

そして一撃。


コンッ。


バトルハンマーとしてはありえないほど軽い音を立てて、相手のレイピアに受け止められた。

更にバトルハンマーを両手で持って、今度は相手の一撃を受け止める。


ギィィン!


こちらもレイピアとは思えない音を立てて内川さんが吹き飛ばされた。


「鞍馬。鞍馬なら相手のやってること分かるんじゃないか?」

「ああ、まあな。なかなかに反則行為のオンパレードだ」

「ならそれを訴えれば!」

「誰にだ?現状、間違いなく審判までグルだぞっと、内川さんが帰ってきたな」


リングから肩で息をした内川さんが戻ってきた。


「おつかれ。良くこの状況であそこまで長持ちできたな」

「うん。ありがとう、鞍馬君。

ともくん。相手の力量はたいしたこと無かったよ。

でも相手と絶対に打ち合わないで。あの武器は異常だわ。

それに立っているだけで段々魔力が奪われていく感覚があったから多分リングに仕掛けがあるんだと思う。

出来るだけ速攻で勝負を決めた方がよさそうよ」

「……なるほど。参考になった」


静かに荒ぶる北山に俺は一言だけ投げかけた。


「北山。俺はルール違反は嫌いだ」

「ああ。行ってくる」


北山はそれだけ答えてリングに上がっていった。

もうちょっとばれない様にやれって言いたくなりますが、観客含め彼らはこれが当たり前になっているので、違和感に気付かないんですね。


「安っ!! 10万ドルなら考えても良いけどね~」

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