42.剣道大会決勝トーナメント
祝1000ユニーク。皆さんありがとうございます。
自分ごとながら脅威の投稿頻度です。
いつもの小劇場改め剣道部部員紹介
「1年リーダーの北山友彦だ。鞍馬とは親友だ。……親友、だよな?」
「北山の幼馴染の内川理沙よ。ともくんがいつもお世話になってます」
その後、北山は順調に勝ち進み、見事、地区決勝トーナメントへと進出を果たした。
ちなみに先輩方は別ブロックで3回戦敗退したらしい。
「今日から決勝トーナメントだ。
これで漸く全員で試合に参加できるな」
「うん。腕が鳴るわね!」
「出るからには目指すは優勝のみよ」
「……頑張る」
「みんな気合入ってるなぁ」
4人の雰囲気は、北山を中心に2人が腕を組み、1人が服の袖を摘まんでいるような感じだ。
あ、実際に腕組みとかはしてないぞ。いまは。
「事前に伝えていた通り、俺は数合わせ以上ではないからな」
「ああ、分かってる。勝ち抜き戦で俺が負けた時点で鞍馬はリタイアしてくれ。
出る順番は、先鋒に沖田、次鋒に浅海、中堅が内川、俺が副将で大将が鞍馬だ。」
「安心して。私が全員ぶっ倒してあげるわ」
「だめ。私の分も残す」
「そうね沖田さんだけにいい格好はさせないわ」
良かった。俺が参戦する意思が無いことを気にされるかと心配していたけど杞憂だったみたいだ。
むしろ決勝トーナメントまで出番が無かった分、3人が北山に良い所を見せたいらしい。
ちなみに、魔力量だけで考えると、北山を10として沖田さんが7、浅海さんが6、内川さんが8と言ったところ。
もちろん試合は身体能力も大きく影響するだろうから、一概に魔力量順に強いとは言えないけど。
そして決勝第1試合が始まった。
先鋒の沖田さんの獲物は薙刀。……剣道部大丈夫なんだろうか。
対する相手は長剣だ。
リーチでは勝る沖田さんが如何に自分の間合いで戦えるかが勝負の鍵だな。
「はじめ!」
「せいっ」
キンッ
開始と同時に沖田さんが仕掛けた。
沖田さんらしい思い切りのよい一撃で相手も両手を使って何とか受け止めた感じだ。
「いいぞ。そのまま押しきれ!」
「沖田さんいけぇ!」
続けざまに振るわれる薙刀を、相手は何とか受け止めている状態。
でもこのままでは終わらないみたいだな。
相手は都合5回目の払いを受け流しに掛かった。どうやらタイミングを見計らっていたようだ。
「もらった!」
「っ!」
「返しだ、沖田さん」
「くっ。そこっ」
俺の声にぐるっと薙刀を回転させて何とか相手の一撃を防ぐと、そのまま石突で相手の鳩尾を打ち据えた。
衝撃で堪らずひっくり返る相手選手の魔道具が赤く光った。
「そこまで。勝負あり!」
「よっしゃあ」
「すごいよ、沖田さん!」
「ナイスファイト」
見事1勝をあげた沖田さんに歓声をを送る。
だけど続く次峰戦では相手の短剣使いにスピードで翻弄されて負けてしまった。
「すまない。後を頼む」
「どんまい。あれは相性が悪かったよ」
「……うん、任せて。あれなら私の方が早い」
そう言ってリングに上がった浅海さんの獲物はトンファーだ。剣道部って……。
そして始まる高速戦闘。
お互いがお互いの死角を求めてリング内を走り回る。
結果。予告通り、見事上を制した浅海さんが勝利を収めた。
続く中堅は大盾使いのガーディアンスタイル。
「これは……」
「ああ。相手が悪かったな」
重量級を相手にトンファーか。
そう思った矢先、突撃する浅海さん。
スピードの乗った一撃が待ち構えていた盾ごと相手を吹き飛ばした。
『『おおぉぉぉ』』
会場からもどよめきと歓声がすごい。
「この体格差でよく吹き飛ばせたね」
「これが短剣とか斬撃系の武器相手だったら向こうの勝ちだったんだろうけどね」
「盾と打撃系は相性が悪い。ただそれも十分な破壊力があればの話だけど。
っと北山、お姫様のご帰還だ」
「ごめん、さっきの一撃で魔力切れ。後お願い」
ふらふらっと戻ってきてベンチに倒れこむ浅海さん。
あの一撃に全魔力を注ぎ込んでいたらしい。
「おっけー、後は任せて休んでて」
代わりに内川さんがリングに上がり、相手の副将と対峙した。
内川さんの獲物はバトルハンマー。剣道部って(以下略)。
内川さんはぶんぶんとまるで棍棒のようにハンマーを振り回してる。
身体強化が他の人より優れているんだな。
「ふんっ」
バキッ
うわぁ。すごい力技。
相手の剣がひしゃげてるし。
「北山。頑張れよ」
「お。おぉ」
北山の額の汗は暑いからだと思おう。
そして無事に内川さんが副将、大将と連勝を重ねて初戦は無事に勝利を掴んだ。
ちなみに普段の剣道部の活動でも全員武器はバラバラです。
その中でも剣を持っている人が優先的に部長になるとか。
「元気印の沖田で~す。能天気とか言ったらぶっとばすよ。大会後も出番あるかな~」
「浅海です。しゃべるの、苦手、です。よく試合中は、性格が変わるって、言われます」