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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第3話:高校生活を満喫しよう(そこ、無理とか言わない!)
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39.天体観測

休日は描く時間が逆に取れないので更新が減ります汗

さぁ仕切りなおしましょうか。


前書き後書き小劇場

「星に願いを」

「ほんっとうにごめんなさい。年甲斐もなく調子に乗ってしまったわ」


ふと、前にもこんな事があったような気がした。

あの時は北見先輩だったか。今回は央山先生だ。


「怒ってないですから顔を上げてください、先生」

「部室に入った途端、みんながうらやま……大胆な事をしているから、つい」

「私達としては普段見られない先生の可愛い姿を見られて満足ですよ」

「そうです。先生もまだ若いですから」

「ん~お姉さんとしては、これだけされて反応してない鞍馬君が心配だけどね~」


そう言って俺の斜め下を見る葛西先輩。


「って、なにを見てるんですか」

「分かってるくせに。ふふっ」

「それここで反応してたら絶対揶揄われるじゃないですか」

「もちろんよ♪」

「今夜のおかずは誰にするの?もしかして私?」

「ってそこで北見先輩まで乗ってこないでください。収拾がつかなくなりますから」

「残念フラれたわ」


全然残念そうに見えない感じでやれやれする北見先輩。

まったく何でこんな事態になったんだっけ。


「ってそうだ。元はと言えば天文部の活動ってしないのかなって話ですよ」

「あははー。ほんと、どこをどう脱線したらあの状況になるのかしらね」

「まったくね。

さて、では龍司の為にも今週は天文部としての活動を行いましょう」

「「はい(はーい)」」


閑話休題という感じで、急にキリッとしだした北見先輩の号令で室内の空気が引き締まる。


「今日は準備に使うとして観測は明後日。

龍司は初めてだし場所は前回と同じ裏山で良いでしょう。

陽子、観測の許可を明日取っておいてもらえるかしら」

「分かりました」

「葛西先輩は望遠鏡のチェックを」

「了~解。望遠鏡は確か……あ、あったあった」


部室の奥に置いてあった専用のケースから望遠鏡が出てきた。

改めてこういうのがあると、ここがちゃんと天文部だったんだって思える。


「龍司、今『あ、ちゃんと天体観測するんだ』ってほっとしたでしょう」

「あ、あはは。すみません」

「まぁいいわ。

ところで星についての知識はどれほどあるのかしら」

「ん~そうですね。

1等星から7等星まであって、明るさはその星の距離と大きさが関係しているから、必ずしも明るいから近い訳ではないんですよね。

あとは、季節ごとに見える星座が違うとか、常に動かない星があって夜の方角の目印になる、とかでしょうか」

「そうね。それほど間違ってはいないわ。50点と言ったところね」


あら、予想以上に低い点数だった。

ま、別に詳しく調べた訳でもないし妥当なところか。

と、思ったんだけど。


「龍司の言った内容は70年前であれば80点くらいはいったと思うわよ」

「ということは、これも聖魔大戦の影響で?」

「そう。現在の天体観測と言えば、もっぱら夜空の様子から次にいつ特異点が発生するかの予兆を見つける為の行為を指すわ」

「夜空から?」

「ええ。まぁそれは明後日のお楽しみに取っておきましょう。

さぁ。今日の所はこの望遠鏡のメンテナンスを行うから手伝って」

「はい」



そして明後日の夜。

俺たちは望遠鏡などの設備を抱えて裏山の北西側にある階段を登っていた。

階段の登り口に鳥居があったし、この階段の先には神社があるらしい。


「相変わらずきつい階段よね」

「ほんとですね。これを毎日上り下りしてる内川さんは凄いですよね」

「これ毎回変身して登ったら楽なのにって思っちゃうわ」

「ダメよ。変身していない時の鍛錬も大切なんだから。

それに今回は龍司が機材を全部持ってくれてるんだから少しは楽よ」

「あ、みなさーん。もうちょっとですよー。頑張ってくださーい」


頂上の踊り場からこちらを見下ろしている内川さんの姿が見える。

そう、なんとここって内川さんの実家らしいんだ。

地元では美人巫女姉妹として内川さんとそのお姉さんは有名らしい。

……主に姉にちょっかいを出そうとした人が内川さんに階段から蹴り落とされることで有名だとか北山が言ってた。


『はいはい、どうせ私は手を出されませんよ』


って言いながら内川さんが北山に蹴りを入れてたけど。

その後で『そんな奴が居たら俺が蹴る』って言った北山は今度はバシバシ叩かれていたからきっと愛情表現なんだろう。物凄く痛そうだったけど。


「とうちゃく~」

「今回もお邪魔します」

「どうぞどうぞ」


神社の境内に荷物を降ろすと、みんなで手分けして望遠鏡をセットする。


「えっと、あった。

鞍馬君、これ覗いてみて」

「ん?どれどれ」


南野さんに呼ばれて望遠鏡を覗き込む。

そこには天の川、じゃないな。これは上空を流れる魔素の川か。

望遠鏡の倍率からいって高度100キロくらいかな。


「見えた?」

「ああ。魔素が上空を川のように流れているんだな。

望遠鏡で見るとよく見える」

「すごい、やっぱり一目であれが魔素だって分かるんだね」

「ん?ああ。こうしてみるのは初めてだけどな。先日も北見先輩が特異点の話をしてたから、そうだろうって思ったんだ」


前の世界だと空を見なくても、普通に地中にも大気中にもあって地脈や龍脈って名前で呼ばれてたし。


「私達だとこうして何か所か眺めるだけだけど、専門機関では全天の流れを計測して常に特異点の発生を警戒してるんだよ。

それで、先日の発表だと年内にもまた特異点が開くんじゃないかって言われているの」

「そうなのか。それは大変だな」


確かに、これはそう遠くない内に発生しそうだな。

俺の覗く先では複数の流れがぶつかって一瞬だけ渦が出来ていた。

伏線作り。えっさほいさ。後で使えれば良いんだけど。


「これが神の鉄槌だ『メテオストライク』」

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