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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第2話:魔法少女育成計画!?
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27.成長と失敗

いつもありがとうございます。

バトルシーンが予定外に増えてきそうなので15禁入れておこうかな。

俺の横でウィンディが弓を構えた。そして


「『ブラストショット』」


1発2発3発と続けて風の矢が魔物へと飛んでいく。


「ギャイン」「ギャン」「ギャイン」


そして矢を受けた魔物が吹き飛び、そのまま消滅した。


「え、うそっ。威力は前と変わらないはずなのに」

「撃ち初めは、そんなに変わってないですね。変わったのは撃った後です」


ウィンディの呟きに答える。

実際、ゼロ距離で受けたら前回と威力はそれほど変わっていない。

前回との一番の違いはその減衰率だ。

魔力が安定した分、命中時の威力が保たれていたのがこの結果に繋がっている。


「さ、それよりまだ距離があるうちにどんどん撃ちましょう。

出来るのであれば左右に散らばろうとする敵を優先で」

「ええ、やってみるわ」


そうして追加で5体を倒した所で、やっと先頭がシリカの所に辿り着いた。


「……相手の速さは変わってない。でも」


ガンッ!!「ギャイン」


シリカの突き出した盾にぶつかった、いや弾き飛ばされた魔物が走ってきた勢いをそのまま逆転させたように飛んで行き、そして消滅した。

無事に敵の動きに合わせてカウンターで魔力をぶつけられたようだ。

更に振るわれるメイスにより、次々と魔物は倒されていく。


「シリカさん、凄いです。でも、わたしだって。『ウォータースラッシュ』!」


レインの放った水刃が魔物を真っ二つに切り裂いた。


「うそ……きれちゃった」


攻撃したレイン自身が信じられないと言いたげに呟き、自分の武器を見返した。


「レイン。まだ次が来るよ!」

「は、はい!」


さっきの一撃が自信に繋がったのか、前回よりも安定した踏み込みで2撃目を放っていた。

よし、レインの方も大丈夫だな。

あとは……。


「みんなすごーい!よぉっし、私だって。とりゃあぁぁあ。あ、あれ?っととと」

「あ、あの馬鹿」


サンシャインが前と同じ感覚で大剣を横なぎに振り払った。

ただ違うのは、ズパッと魔物が切り裂けてしまったことで、勢い余って敵の中に突っ込んでしまった。

何とかこけずに済んだけど、四方を魔物に囲まれてしまった。


「ウィンディ、サポート!」

「はい!」


サンシャインに飛びかかろうとした魔物に風の矢が突き刺さる。


「シリカは敵を押しのけて。レインは退路の確保!」


俺の指示を受けてシリカが盾を全面に押し出して突撃。

その後ろに回ろうとした魔物をレインが素早く牽制することで何とかサンシャインの体勢が整うまで持ち堪えられた。


「サンシャイン。汚名返上だ。吹き飛ばせ!」

「うん。『フレイムバースト』! か ら の。もう一撃『フレイムバースト』!」


前回は1回撃っただけで魔力切れを起こしていたのに、今回は2連続で魔法を放つサンシャイン。

それらは前回に比べると若干威力が落ちるものの、十分に魔物を焼き払う威力を持ち合わせていた。

取り囲んでいた魔物をあらかた吹き飛ばした所で、汗を拭くジェスチャーをしながらこっちを見た。


「ふぅぅ。リュージュ、どう?今の見てた??」

「ああ、見てたから気を抜くな。まだ魔物は残っているぞ」

「へへん。もうあと数体しかいないし大丈夫だって」


その油断が大怪我に繋がるんだが。

こればっかりは多少危ない目に遭わないと覚えないかもしれないな。

甘やかしすぎるのも良くない。

で、この中で危険にいち早く気付くとしたらシリカかウィンディか?

いや、何気に一番緊張感を保ってるのはレインか。

そう考察し終えたタイミングで「カサッ」と小さくサンシャインの後ろの草むらが揺れる。


「!?サンシャイン危ない!!」


飛び出して来たのは、他よりも一回り大きな個体だった。

その獰猛な一撃が油断していたサンシャインを襲う。


ドンッ。ザシュッ!

「きゃああ」


だがその一撃は寸での所でサンシャインを突き飛ばしたレインの右肩に突き立てられた。

まるでバットでフルスイングを受けたようにレインが吹き飛び地面に倒れた。


「いやーー、レイン!!」

「あああぁぁあ!!」


突き飛ばされた姿勢のまま、レインに手を差し伸べて悲鳴を上げるサンシャイン。

シリカは叫びながら猛然とその大型の魔物に突撃していった。

そこにはいつもの冷静な姿はなく、我を忘れて暴れているように見える。


「ダメよみんな。落ち着いて!」


ウィンディが声を掛けるも、誰の耳にも届いていないようだった。

……うん、今回はここまでかな。

俺は改めてシリカの状態を確認してからウィンディの肩に手を置いて声をかける。


「大丈夫だウィンディ。あの大型の魔物はシリカなら足止めできる。

シリカの耐久力なら大したダメージは受けないはずだから心配しなくていい。

だから君は他の雑魚を倒して行って。

レインとサンシャインの所には俺が向かうから」

「え、ええ」


俺の言葉に改めて戦況を理解したウィンディが弓を構え直す。

うん、これで雑魚の相手は大丈夫だろう。

さて、レインはまだ倒れたままか。先にサンシャインが辿り着いたみたいだな。


「レイン、レイン!!死んじゃヤダよ」

「あー、落ち着けサンシャイン」

「リュージュ!?これが落ち着ける訳無いでしょ!!」

「いいからレインの肩口を見てみろ」

「え?……あっ」

「な?服が破けただけで血は出てないだろ」

「ほんとだ」


さっきの一撃、ダメージの8割方は衣装が肩代わりしていた。

どうやら局所的なダメージには自動で服全体から魔力をかき集めて防御するように出来ているらしい。

お陰で直撃を受けた肩以外もボロボロに傷んでいた。

防げなかった残りの2割も予め防御魔法を付与していたから、レインの身体には傷一つない。


「今は多分吹き飛ばされた衝撃で気を失ってるだけだ。じきに目を覚ますよ」

「そっか。良かった」

「さ、レインの事は俺が看ておくから、残りの魔物を倒してしまおう」

「うん!」

「その必要は、ない」

「!シリカ!?」


大型の魔物と戦っていたはずのシリカが戻って来た。

シリカの服もレイン程ではないけど、所々引っかかれたような痕が残っているのが見えた。

さらにウィンディも周囲を警戒しながらこちらに歩いてくる。


「さっきの大きい魔物は?」

「ごめんなさい。逃げられた」

「にげられ、た?」

「どうやら他の魔物がやられてこれ以上戦っても無駄だと判断したようね。

もうこの近くには居ないわ」


確かに、河原に向けて走り去ったようだな。

さっきの奇襲といい、それなりに頭が回るってことか。


「なら今日は戻ろう。サンシャイン、レインをおぶって行ってもらえるか?」

「うん、もちろん。私にやらせて」


重い足取りのまま、俺たちは学園へと戻った。


当初の予定だと、強くなってやったねって話だったんですけどね。

どこかの先輩がフラグを立てたので、ルートが大幅に変更になりました。

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