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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第2話:魔法少女育成計画!?
24/103

24.美味しいものは体にも良い

いつもありがとうございます。

タイトルで想像した方もいるかもですが、

残念ながら食レポではありません。

朝。俺は葛西先輩にお願いして仕込みを行っている最中の学食の調理場へと来ていた。

何をしに来たかというと。


「ランチに使う野菜を提供させてほしい?

突然来て何を言うかと思えば。なぜそんな事をしなければならないのかね」


そう言ったのはこの学食の料理長を務めているという30代半ばの男性。

先輩の情報ではここに来る前は海外の有名レストランで腕を磨いていたのだとか。

こういう人ってプロ意識が高い分、プライドも高いからな。


「色々疑問などもあるかもしれないですが、まずはこれを見てください」


俺は四の五の言う前にアイテム空間から昨日採れたトマトを一個差し出した。


「このトマトがどうしたのかね。色、艶、ハリいずれも悪くない熟成したトマトだとは思うが?」

「一口食べてみてください。そうすれば言いたい事は伝わるはずです」

「うちで扱ってるのと多少味は違うかもしれんがな。どれ。……ぐっ。こ、これは……」


一口食べて愕然としたかと思ったら、次の瞬間にはむしゃぶりついていた。

俺としては予想通りの反応なんだけど、後ろにいた葛西先輩はその料理長の豹変ぶりにびっくりしている。

そして料理長は食べ終えてなお、余韻に浸っているのかボーっとしたが、数瞬後ビクッと再起動した。


「っは。おい君。今のトマトは一体何かね!

あんな美味いトマトは食べた事が無い。むしろあれは本当にトマトだったのか!?」

「紛れもなくトマトですよ。他にもキャベツやキュウリ、ニンジンなどもあります」

「まさか、それらもこのトマトのように凄いのか」

「はい、きっと期待にk」

「頼む使わせてくれ!!!」


一歩間違えると土下座する勢いで頼まれた。

流石プロというべきなのか、本当にうまいものにはどこまでも真摯だな。


「わかりました。ただ、流石に全員分を賄う程の量は提供出来ません。

大体1日30食分くらいが精々です」

「それでも十分だ。こんな食材が扱えるなんてまさに奇跡だ」

「それでその、もう一つお願いがあって、作って頂いた料理のうち6食分は天文部に優先して提供して貰えないでしょうか」

「それくらいお安い御用だ。天文部の事ならそこにいる葛西くんが分かるのだろう?

葛西くん、他のウェイティングの人達にも伝えておいてくれたまえ」

「は、はい。分かりました」


そうして無事に交渉を終え、本日分の食材を渡してから食堂を出た。


「葛西先輩。今日はありがとうございました」

「ううん。これくらい全然構わないわ。

それにしてもあの鬼の料理長があそこまで感動するってどんな食材なのかしら」

「あー、まぁ。簡単に種明かしすると、通常の野菜より栄養価もですが魔力含有量が3倍くらい多いんです。

すると食べるだけで魔力補給効果が見込めるので魔力を持っている人には更に美味しく感じられるんです」

「3倍。凄いわね。そんな野菜、どうやって作るのかしら」

「やり方さえ知っていれば誰でも出来ますよ。

野菜を育てる為の土と水と空気に大量の魔力を込めれば良いだけなので」

「あのねぇ。普通はそれを無理っていうのよ」


呆れてため息を漏らす葛西先輩。

いや、難しくはないんだけどな。前の世界だと子供たちに魔力訓練兼、畑仕事としてやらせていたくらいだし。

あ、そうだ。今度天文部のみんなでやるのも良いかもしれないな。


「そういえば、私達に優先的に提供することっていう事は、これも特訓と何か関係があるの?」

「はい。やはり人の身体って食べたもので出来る訳ですから。

日頃から魔力含有量の多い食材を食べ続けると、それだけで魔力に対する適正が向上しますよ」

「それ。先生に言ったら卒倒されかねない大発見だと思うわ」


今日何度目かのため息を吐く葛西先輩だった。


ちなみに後日。

提供した野菜を使った限定メニューは、通常メニューの1.5倍の値段に設定したにも関わらず、毎日一瞬で完売する為に、大学生を中心として昼休み前から行列が出来てしまうのだった。

外からも中からも健康に美しく、ですね。

みなさんはしっかり野菜摂ってますか?

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