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普通の高校はどこですか!?  作者: たてみん
第2話:魔法少女育成計画!?
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19.反省会とトレーニング

私の作品にはなぜか毎回トレーニングとか特訓とかが出てくるようです。

合言葉は「努力」と「根性」?

初陣の翌日、放課後。

俺達は天文部の部室に集合していた。

全員が居ることを確認して北見先輩が話し始める。


「はい、それでは昨日の振り返りを行います」


ちなみに、北見先輩が部長、東さんが書記で、葛西先輩は元部長で現相談役だそうだ。

南野さんは……特攻隊長?ではなく副部長らしい。


「まず初めに、先入観抜きの意見が聞きたいので、龍司さん。

昨日の感想、意見などあれば自由に発言してください」


似た響きの下の名前で呼ぶようになったのは、変身後の名前をリュージュにしたからだろう。

特に良いかとも聞かれなかったのは北見先輩らしい。


「はい、えっと。この場合、ストレートに伝えて良いでしょうか。それともオブラートに包んだ表現をすべきでしょうか」

「お任せします」

「あー、では」


こほん、と一呼吸置いて。


「皆さん、昨日はあの戦い方でよく無事に勝つことが出来たと思います。

その1点だけを加味して得点でいうと60点です」

「おお、まさかの高得点だよ。水希ちゃん!」

「いや待って、陽子ちゃん。今『だけ』って言ってたよ」

「そうね。つまりはそれ以外は0点って事かしら」

「60点で高得点という陽子さんの普段の成績が分かる」

「うぐっ。0点ってマジ!?」

「うん、マジ。むしろ相手が雑魚じゃなかったら惨敗だっただろうなっていうのが俺の率直な感想」

「そんな~」


俺の言葉に沈み込む勢いで机に突っ伏す南野さん。


「ちなみに具体的にダメな所をあげて貰えますか」

「はい。まず全員に言えることですが、魔力の使い方が全然なってないです。

多分基礎からやり直さないといけないですね」

「あら。一応私は中学から大学に入った今も魔力鍛錬は怠ったことはないのだけど」

「俺は皆さんが鍛錬を怠ってたとは思ってません。そもそもやり方が間違っているんです」

「魔力鍛錬って言ったら瞑想だけど、ダメなの?」

「全然ダメですね」

「そんなまさか。だって国家教育委員のお墨付きのやり方なのよ」

「事実です。諦めて下さい」


ばっさり言い切った俺の言葉に葛西先輩が愕然としている。

専門教師である央山先生もプルプルと震えている。

もしかして怒らせてしまっただろうか。


「もしそれが事実だとして。

龍司さんは正しい鍛錬法を知っているということですね」


この状況でも冷静さを保ち続ける北見先輩の言葉に、俺は首を縦に振った。

この世界に来てから、何度か魔法を使ったけど、前の世界との乖離はほとんど無かった。

なら向こうでやってた鍛錬法もこっちでやっても効果があるだろう。


「今から俺が言う方法をやってもらえれば、多分1週間後には体感できる位の成長は出来ます」

「たった1週間で。いいでしょう。なら今日から私達全員にその鍛錬法を試させてください。

来週の月曜日に再び巡回を行います。その時にどれくらい違いがあるのか見てみましょう」

「これで成果が出たら魔法学会を揺るがす大事件ね。

それで?どうすればいいのかしら」

「はい。そうですね。幾つかあるんですけど……じゃあ最初は取り組みやすい方法にしましょう。

先生、無属性の魔球って人数分在庫はありますか?」

「うーん。ごめんなさい。多分1つか2つ位しかないわ」

「なら俺の手持ちから出しますね」


言ってアイテム空間からピンポン玉サイズの魔石を人数分取り出して皆に手渡す。


「えっ、鞍馬君。今どこから出したの?」

「企業秘密。鍛錬とは関係ないから忘れて。

そんな事より、全員立って肩幅に足を開いて、今渡した魔球を最初は両手で包むように持って丹田の位置に持っていって」

「丹田?」

「あ、お臍の下。お腹にぐっと力を入れると堅くなる所っていうと分かるかな」

「うーん、この辺り?」

「そう。多少ずれても問題はないから。

じゃあ次は深呼吸。息を吐きながら全身の魔力を魔球に送り込んで。

続いて息を吸いながら今度は魔球から魔力を取り出して足の先から頭のてっぺんまで送るように意識してみて。

それを魔力が切れるまで繰り返す」


俺の指示に従って全員が「すーーーはーーー」と深呼吸を繰り返す。

そして5回繰り返した所で、予想通り最初に南野さんがギブアップした。


「ぷはぁ。もう無理。しんど~」

「うん。南野さんの場合は魔力の流れが急過ぎるんだよな。

今の段階で流す量は多くなくていいから、もっと少しずつ流すイメージをすれば長続きするようになるよ」

「ほんと!?じゃあ回復したらもう一回やってみる」


続いて息切れというか魔力切れしたのは以外にも央山先生と葛西先輩だった。

他の2人はまだ続けられている。

それを見て葛西先輩が質問してきた


「実は2人は才能があったってことなのかしら?」

「いえ、そうじゃないですね。

東さんは流れが細すぎるんです。南野さんを見習ってもっと大胆に魔力を動かす必要がありますね。

北見さんはまた違って硬い所為で流れが遅いみたいです」

「硬い……もっとリラックスするってこと?」

「そうですね。余談ですけど、身体も硬かったりしませんか?前屈で全然床に付かないとか」

「うっ、するどい」

「あと先生と先輩は2人より上手く魔力を流せている分、魔力の発散が早かったんです。

魔力の総量は多いですから安心してください」


とここで俺の言葉を聞いて力んでみた東さんがギブアップ。


「折角だから鞍馬君もやって見てもらえませんか?参考になるかもしれないですし」

「なるほど、それもそうですね」


さて、説明に使いやすい魔石あったかな。

60点というのは、公立大学の試験でいう最低合格点を指します。


そしてこれから鉄下駄を履いて階段をうさぎ跳びする日々が始まるのだった(嘘)


「愛」と「友情」と「笑い」を追加(つ´・∀・)つ

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