1.転校してきました
新連載をスタートします!!
今回は現代風の学園もの。
毎度のつたない文章ですがお付き合い頂けると幸いです。
あと、作者が恋愛に疎いせいで現実世界恋愛ものにはならない予感。
追記
本作では前書き後書きで小話を入れて行こうかなと2章を描いてるところで考えました。
「高校生と言えば……」
キーンコーンカーンコーン。
いつの時代に決まったかは知らないが、チャイムといったらこの音。
いやぁ~久しぶりに聞くと、こんな何でもないような音でも心地よい響きに聞こえるんだから大したものだ。
「はい、みなさん。席についてください。ホームルームを始めます」
っと、俺の感傷を他所に、担任がさっさと教室に入って生徒達に声を掛けていた。
「さて皆さん。今日はホームルームを始める前に重大なお知らせがあります。
なんと、このクラスに転校生が来ました~~。
はい、入ってきて。みんな拍手~」
テンションの高い担任の合図で俺が教室に入ると、パチパチと拍手の音が響いた。
8割がたは控えめな拍手だけど2,3人賑やかなのが居るな。
「はい、じゃあ紹介よろしく!」
「あ、はい。
えっと、彼女は央山 京子さん。26歳独身で1人暮らし。身長158センチ体重は……」
「ススス、ストーップ!!
それ以上はダメよ。というか何で私の紹介をしてくれちゃってるの!?」
俺の紹介を慌てて遮る独身26歳。もとい担任。
「え、だって自己紹介とは言わなかったので」
「そうかも知れないけど」
「それに皆、先生の個人情報のほうが興味津々みたいですよ?」
そう言って教室を見渡せば、クラスの約半数(=男子)の目が輝いていた。
女子は、どうだろう。興味ありそうな無さそうな。
「はいはい。仕切りなおして、彼は鞍馬 龍司君です。
外国での生活が長かったそうですから、皆さん日本のことを教えてあげてください」
「はい。鞍馬龍司です。
仕事の都合で先日やっと日本に戻ってきました。
なのでちょっと常識から外れるかもしれませんが、暖かく見守ってくれると嬉しいです。
よろしくお願いします」
そう言って挨拶すると、今度は全員から拍手が返ってきた。
そして次々とあがる質問の声。
「はい!鞍馬くんってどこから来たんですか?」
「帰ってきたってことは、昔は日本に住んでたんだよね?生き別れた幼馴染とかいないの?」
「京子ちゃん先生のスリーサイズは??」
「わいわいがやがや」
「はいはい、質問は後にして。先にホームルームを終わらせるわよ。
あと先生のスリーサイズは秘密です!
鞍馬君の席は、あそこの一番後ろの空いてる席ね」
「はい」
指定された席は窓際の一番後ろだった。
席に着くなり隣の女生徒と目が合った。
「(やっほー。よろしく~)」
「(ああ)」
ホームルームが始まってるから声に出さずに笑顔とジェスチャーで挨拶されたので、軽く手を上げて応えておく。
央山先生は2,3連絡事項を伝えて足早にホームルームを終わらせた。
「じゃあ、後は質問タイムね」
「さっすが京子先生!」
あっという間に質問攻めにあう俺。
ま、これも転校初日の風物詩だよな。
「ねえねえ、折角日本に来たんだし、やりたい事とかもあるんじゃない?」
「やりたい事?ああ、もちろんあるよ」
「なになに?」
興味津々に聞いてきた女生徒に俺は胸を張って言った。
「それは、命の心配も無く平和な高校生活を満喫すること、だな」
「「……は?」」
一瞬サァァって風が流れた気がする。
おかしいな。何も変な事は言ってないんだけど。
意図してか無意識か、色々爆弾を投下する主人公です。
年齢の割に言動が若すぎないか、という意見も出そうですが、あえてです。
「盗んだバイクで走り出すぜ」