表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

恋風邪

「どうも私、熱っぽいんです」

「風邪ですか?」

「風邪かと思いましたが、どうやら違うみたいなんです」

「疲れているのかも知れませんね?」

「会えない彼の事を想うと、体が熱くなるんです」


 愛する人の事を想うと、体が熱くなるって事、ありませんか? 早めの風邪には葛根湯かっこんとうって言いますが、ダメなんです。葛根湯じゃ治らないみたい。


 それはいわゆる「恋風邪こいかぜ」と言うものです。普通の風邪薬では治りません。恋風邪の薬、それは愛する人の言葉。


「大丈夫?」


 どうですか? あの人からこんな風に言われたら、少しは元気が出ませんか?


「会えなくてごめん!」


 ほら、あの人が悪いわけじゃないのに、謝ってくれましたよ。良い人じゃないですか。


「あなたに会いたい!」


 ね、あなただけじゃないんですよ。あの人だって、会えなくて辛いんです。もしかしたら、あの人も、恋風邪なのかも知れませんね。


 そんなに意地を張らないで、弱いあなたを見せちゃえばどうですか? 強くならなくちゃってあなたは言いますが、弱いからこそ強いんです。弱いからこそ、誰かを必要とする。必要とされる事って、嬉しい事なんですよ。それは力になるんです。


 あなたに必要とされた人が強くなると言う事は、あなたのお陰だと思いませんか? 少なくとも私は、必要とされた分だけ強くなれる気がします。だから、愛する人を強く出来るあなたって、強い人だと言えませんか? 


 さあ、我慢しないで、甘えてみてはどうですか?


「ごめん、我慢出来なくて、電話しちゃった!」


 ほら、熱が下がったみたいですよ。それでは、お大事に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ