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現代魔法師の異世界無双  作者: マリノス
第一章
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第一話 異世界召喚

「理人、あなたは優しくて強い子になりなさい。そしてたくさんの人を幸せにするのよ。」


「また母さんの夢か」


理人は幼い頃の母親の夢を見ていた。

4月になり期待と不安に胸を膨らませながら多くの学生が新しい一歩を踏み出していく。今年から高校1年生になる逢沢あいざわ 理人りひともその一人だった。

朝の六時半憂鬱になりながらもベッドから体を起こし沈んだ気分を洗い流すかのように顔を洗い、寝癖がついた銀髪の髪を直していく。朝食の準備をする。理人の両親は理人が小学校6年生の時に亡くなっており今は両親が残してくれた遺産とバイトをしながらマンションで一人暮らしをしている。

朝食を食べ両親の遺影に手を合わせもう一度鏡で身だしなみを確認しする。


「フェイク。」


と理人が言葉にすると髪色が黒に変化し目元を覆うように少し伸びた。無属性魔法「フェイク」を理人は発動し周りから黒髪に見えるように魔法を使用した。

理人は現代には存在しないファンタジー世界の産物だと考えられてきた魔法使いなのである。


「よし完璧。」


鏡で確認し終えると靴を履き


「父さん、母さん行ってきます。」


と玄関出て登校した。


理人が通う高校は私立時ノ川学園。全校生徒2000人と地元では最大かつ有名な進学校だ。中高一貫で特に勉強を頑張るわけでもなくエスカレーターでそのまま高校に通うことになった。

学園までは徒歩十五分で周りには多くの新しい制服を着た1年生が中学時代の友人と話しながら、また外部からの入学なのか少し緊張したそれでいてこれから始まる高校生活を楽しみたいといった面持ちで登校している生徒など様々だ。

今日は入学式のあとホームルームをして終了の予定だ。

校門でクラスを確認し教室目指した。ちなみにクラスは1-3であった。

教室に到着し扉を開けると教室中から侮蔑するような視線にさらされ、


「相変わらず気持ち悪い~な」

「なんで学校来てんだよ、帰れよ」


などの暴言、舌打ちがいたるところから聞こえてきた。


「よぉ~逢沢今日も根暗鬱陶しい面下げてのこのこ登校かぁ!」


といきなり暴言を吐きながら三人組の生徒が近寄ってきた。


「お、お、おはよう、荒川君。」


理人が挨拶したのは荒川あらかわ 拓司たくじ中学時代から理人をいじめていた人物だ。短髪で茶色に染め両耳にはピアスをしておりこの学校では珍しい不良だ。

残りの二人は荒川の取り巻きで、毒島ぶすじま 潤一じゅんいち斎藤さいとう 達也たつやで荒川についていつも理人をいじめている。


「そのキモイ顔でこっち見んなや!腹が立って仕方ねーんだよ!」

「ハハッ、今日も荒川さんのいいサンドバック代わりだなあ、おい!」

「荒川さんもっと痛めつけてやってください」

「ウッ、クッ、アガッ、オェッー!」

(正直痛くも痒くもないんだけど丸く収めるにはやられた振りをするのが一番だからな。)


幼少期から両親に鍛えられ常人より遥かに強い理人には全く効果がない。

そうとも知らず荒川たちは痛がるそぶりを見せる理人に気を良くし周りには見えないように三人で囲みながら暴力を振るい続ける。

しばらく荒川たちの暴行に耐えるそぶりをしていると


「おはよう!理人君♪ みんなで何してるの?」


と透き通るようなきれいな声が聞こえてきた。声の主はこの学園のアイドル姫野ひめの しずくである。少し茶色がかった腰まである髪に吸い込まれそうな大きな瞳、スッと通った鼻梁きれいなピンク色をした唇まぎれもない美少女であり誰に対しても優しく人懐っこい性格をしている。


「お、おはよう、姫野さん、ちょっと荒川君達と話してただけだよ」

「姫野おはよう。逢沢の言う通りちょっと話してただけだ。

姫野が気にすることはないぜ」


荒川が少し照れたように姫野に返事した。この反応から分かるように荒川は姫野に好意を寄せている。


「ふーん、そうなんだ。仲がいいんだね!」

「おう。俺たち仲がいいんだよ」


荒川が姫野に仲がいいアピールをしている。


「雫、彼らと何の話をしているんだい?」高

そこへ金髪のさわやかイケメンが声をかけてきた。名前は山田 滉輔(やまだ こうすけ)。スポーツ万能、成績優秀であり学園一モテる。


「あ、おはよう滉輔君。あいさつをしていただけだよ。」

「そうなんだ。君たちもおはよう。仲がいいのはいいけどあまり騒がないようにね。」

「すまん、山田。気を付けるよ。」


とそこへ


「よう、滉輔!、今日から高校生だな!」


短髪のガタイのいい染谷 大地(そめたに だいち)が朝からドでかい声で声をかけてきた。

スポーツはできるが勉学はさっぱりであり簡単に言うと脳筋だ。

さらに


「おはよう、雫。今日から高校生ね。

一緒のクラスになれてうれしいわ。これから1年間よろしくね。」


きっちりとした挨拶をしてきたのは吉野 朱莉(よしの あかり)だ。黒髪でポニーテール、きりっとした目元が特徴であり少しきつそうな印象がある。幼少期から剣道を習っておりその実力は全国クラスである。文武両道でありめんどうみ面倒見がよく小学生の時からずっと委員長をやっており男女ともに慕われており、ルックスもいいため雫と合わせて学園の二大美少女として人気がある。

ちなみに滉輔、雫、朱莉、大地の4人は幼馴染だ。


「おはよう、朱莉ちゃん。これから3年間よろしくね。」


と雫が朱莉に挨拶したところでチャイムがなり担任が教室に入ってきた。

ちなみに担任は佐藤 京子。美人で生徒思いの先生で中学時代から俺たちの担任であり学園でも人気の先生である。


「みなさん、おはようございます。今日から高校生ですね。中学とは違い自立ある行動をとってくださいね。では今から入学式なので廊下に並んでください。」


と先生の合図で生徒が廊下に出ようとした時、突然床が光りだし見たこともない模様をした魔法陣らしきものが浮かびあがってきた。

教室を出ようとした生徒から


「な、なんでドアが開かないんだ!」


と慌てた声が聞こえ、次第に生徒がパニックなってきた。


(なんだこの魔方陣は転移の魔法陣に似ているが少し違うな。しかしこれは脱出できないな。まあ、何とかなるだろう。)


理人は冷静に分析していた。

やがて魔法陣は消え教室にいた生徒は誰1人としてその場には残っていなかった。


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