4-8 シア戦
あー……さっさとセラフィナイト使って倒しておけば良かった。装備ボロボロすぎて恥ずかしいんだけど。
修理とか装備変更は大会中はできない、自分で修理したり、自分で作った装備に着替えるのはいいんだけれど俺は生産職ではない。
むぅ、黒くした水纏うか。
シアは勝った。対戦相手の名前は知らんやつだ。ギルメンは三戦目でほぼ散った。
相性の悪そうなのにみんな当たってたから仕方ないと言える。
くろいろちゃんは俺と当たってなかったら準決勝、決勝までいってたと思う。
近接戦でスキル何も無し、さらには足だけで耐えるという離れ技もしてたしプレイヤースキルだったら白亜より断然上だし、実況聞いてみたらステータスとスキル構成公開してたみたいで驚いた。
公開したのくろいろちゃんだけなんだよ。
ともかくスキル枠に生産スキル入れてる時点でおかしい。入れる必要ないし、せいぜい壊れた装備直すための修理スキル入れるくらいだろう。
薬品バフが凄かったのかもしれないがそれをやっている人は他にも11人いた。けど全員三戦目までに敗退した。
うん、すごい。
『これが最後の戦いとなります。……決勝戦!左にアクア選手!空を舞い、氷を操る戦乙女!その圧倒的なパリィ技術によって彼女に放たれる攻撃はほぼ全て無効化されてしまいます』
ファンタジーのVRゲームってだいたいパリィゲーだからな、ホーリーウィンドみたいな範囲攻撃されたらどうしようもないけど。
『しかし、しかし!対する右側のシア選手は制御不可能とされた……おや?』
なんですか、放送事故ですか?決勝戦でそれはちょっと……
『なんとシア選手からステータス、スキル、装備についての情報が送られてきました!!』
……はい?
思わず実況席とシアを交互に見る。
観客がざわざわしてる。シアはニヤニヤしてる。
なんかウザいんですけど!
……当てつけっぽいのでこっちも実況の方に情報送ろうかな。
イベントの質問用ページからメッセージを……と。
『しかも詳細まで語っちゃって良いそうです。……で、では公開しますね、PESのシーさん。解説をお願いします』
€==≦ステータス≧========;
LV.25 name.シア
アールヴエルフ・光種
Job.双大剣士・精魔
HP:50/29.2+21 MP:32/32.2
STR(力) :(181.2+135)×1.2 =379←BP51
DEX(器用):(23.8+7)×1.2 =36
VIT(耐久):(25.2+46)×1.2 =85
MND(精神):(62.2+69)×1.2 =157
INT(知力):(26.2)×1.2 =31
AGI(速度):(1-86)×1.2 =1
LUK(運勢):(100)×1.2 =120
BP:0
∥--スキル--------∥
[大剣術:アブソリュートエンドlv30]強力な一撃、モーション速
[大剣術:レゾルーションlv30]攻撃時、被ダメージ時MP回復
[精霊魔法:精霊の慈愛lv30]MP自動回復を付与する。効果時間3分 再使用時間3分
[精霊魔法:インフィニティブラストlv30]様々な属性の魔法弾を自動的に連射する。継続している間MPを消費する。一歩でも移動すると解除される。
[二刀流]武器を両手に持った際のDEX減少を無効化する。武器の要求STRを50%上回った場合、攻撃速度を上昇させる。
(種族特性:状態異常耐性lv30)呪い以外の状態異常に耐性を得る。
(種族特性:精霊使役lv30)意思を精霊に伝えることができるようになり、現象を起こすことができる。
(双大剣術:ナイツオブラウンドlv30)13回攻撃 モーション速
(精霊魔法:フェアリーウィッシュlv30)次に行うありとあらゆる行動の結果を向上させる。宣言省略可能、F
(特殊精霊魔法:精霊剣・ハルモニアlv30)それは調和をもたらす刃、調和のためならば全てを屠ることも厭わない。
攻撃にHP,MP吸収効果を付与し、戦意を削ぐ力を与える。
(死精霊魔法:タナトス・プログノーシスlv30)死神の眷属である死精霊の魔法 1分後に食いしばりを無視した即死を発生させる。付与率は高い。
(特殊神聖魔法:強制lv30)死神の特殊神聖魔法 一行動だけ意思を無視して行動を強制させる。その行動を終えるかなんらかの外部的要因によって中断させられた場合この魔法は解除される。内容によって効果時間が変わる。
(精霊撃lv30)MNDをスキルlv%ダメージ計算に追加し、精霊魔法のスキル補正を物理攻撃にも関連させる。
(疾風の舞lv30)移動速度以外の行動速度を上昇させる
(精霊魔法消費MP軽減lv30)精霊魔法のMP消費を軽減する。
∥--装備--------∥
≪右手≫『レーヴァテイン+3』(制限)ダメージ倍率×9.3 MND+30 不死、不壊を無効化する 上位存在に干渉できる 火属性攻撃 不壊 無限に成長する
≪左手≫『黒色特大聖剣三号』 ダメージ倍率×7.8 MND+9
≪胴≫『晴夜の黒衣+2』 (制限)(HP+3 VIT+10 MND+4
光,火,水,雷,風,土属性耐性+2% 不壊 無限に成長する)
≪下着≫『晴夜の肌襦袢』(装備枠に含まない 不壊)
≪腕≫『晴夜の別れ袖+2』 (制限)(HP+3 VIT+6 STR+10
光,火,水,雷,風,土の属性耐性+2% 不壊 無限に成長する)
≪腰≫『晴夜の腰巻+2』(制限) (HP+13 VIT+4 STR+2 MND+3 不壊 無限に成長する)
≪腰≫『晴夜の暗袴+2』 (制限)(HP+2 VIT+18 DEX+5 MND+5 不壊 無限に成長する)
≪足≫『晴夜の長足袋』 (装備枠に含まない 不壊)
≪靴≫『晴夜の草履+2』(制限) (VIT+6 DEX+2 AGI+13
光,火,水,雷,風,土の属性耐性+1%)
≪外套≫『天涯晴夜の千早+3』 (制限)(VIT+2 MND+18
光,火,水,雷,風,土の属性耐性+10% 不壊 無限に成長する)
・装飾品
≪首≫ 『レッドチョーカーⅡ』 (STR+34 AGI-28)
≪右耳≫ 精霊に祝福された緋色の耳飾り (STR+22 AGI-20)
≪左耳≫ 『紅炎のピアス』 (STR+35 AGI-31)
≪右腕≫ 『ウェポンクリエイター』 (【土精霊魔法:クリエイトウェポン・アイアン】を使用可能にする)
≪左腕≫ 『試作型黄龍武装・安定品』 (全ステータス+20% 装備条件STR300)
≪右手≫ 『黒色カラクリ・疾風』 (任意で手元に爆風を起こす)
≪左手≫ 『凱旋の指輪』 (STR+32 AGI-20)
装備限界に到達しました。
・セット効果
天涯・晴夜の装束→装備VITが全身に適応される。
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シアがゴリラだった件について。いやゴリラより腕力あるな、……ダンプカー?
STRお化けなのは元から知ってたけどスキル増えてる、っていうか知らないのばっかなんだけどなにこれ。
∥--スキル--------∥
[大剣術:アブソリュートエンドlv30] 知ってる
[大剣術:レゾルーションlv30]知ってる
[精霊魔法:精霊の慈愛lv30]知ってる
[精霊魔法:インフィニティブラストlv30]知ってる
[二刀流]知ってる
(種族特性:状態異常耐性lv30)知ってる
(種族特性:精霊使役lv30)知らない
(双大剣術:ナイツオブラウンドlv30)知らない
(精霊魔法:フェアリーウィッシュlv30)知ってる
(特殊精霊魔法:精霊剣・ハルモニアlv30)知ってる
(死精霊魔法:タナトス・プログノーシス)知らない
(特殊神聖魔法:強制lv30)知らない
(精霊撃lv30)知ってる
(疾風の舞lv30)知ってる
(精霊魔法消費MP軽減lv30)知ってる
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50lv超えた時にスキル見せ合ったんだけどな、4つも知らないのあるってどういうことよ。
俺のステータスとシアのステータスの差も激しいし、装備の弱体もほぼ無し。
レーヴァテインと黒色特大聖剣は重すぎる上に長いから強いのはわかる。装飾品もAGIのマイナス補正がキツイせいだっていうのもわかる。
……でも巫女服の弱体がゆっるゆるなのはどうしてだ。
『何ですかこのステータス!?』
『うわ、うわー』
『ステータスが1未満にならないことをいい事に好き勝手してますね』
『問題はないんでしょうかシーさん?』
『仕様ですので問題ありません。ですが次の大会からは装備の制限計算式を変更します。現時点で修正を行うとシア様の武器が持てなくなってしまうので』
『っていうかこの情報公開してよかったんでしょうか。確実にシア選手が質問攻めされますよ』
『固有装備と特殊精霊魔法を除けば条件は簡単です』
『そうなんですか?あ、なんとアクア選手からも送られてきました!』
シアの方を向いてニヤリとする。ニヤリ返された。なにこれ。
『はー……ステータス格差がひどいですね』
『装備もボロボロです。加護っていうのが気になりますが……これは?』
『信仰を深めれば手に入るスキルです、祝福の上位互換となります』
『空を飛ぶのはやはり装備の効果だったんですね』
『二週間後のアップデートで空を飛ぶ乗り物が追加されますお楽しみに〜』
『こらこら』
観客席から歓声が上がる。
これでやっと樹の外の探索が本格化するんだろうな、鳥人とシルフの探索隊がすでに何人か巣窟の樹に行って死んでるみたいだ。
敵のlv540とかいたらしいです。死ねる。
『ではそろそろ試合を始めましょう!』
『優勝するのはシア選手か?アクア選手か!』
【試合開始まで3】
『賭けではシア選手の方が人気みたいですね』
【2】
『ええ、ですがどうなるかわかりませんよ!』
【1】
【決勝戦始め!】
剣を抜いて水撒いて、翼展開して。
「負けないよ!」
「こちらこそ」
「『F精霊の慈愛』『インフィニティブラスト』『Fタナトス・プログノーシス』」
「ちょっ!?」
ちょっと待ってください、いきなり死の宣告とかふざけ……かかっちゃったよ。制限時間1分でシア倒せと?無理じゃないかな。
「勝ちに行くからね」
「う、……『ヴァルキリーライズ』『セラフィナイト』『イルミナル・イリス』『スピラルリッパー・詠唱』」
ならこちらも勝ちに行こう。
禁じ手使わずに勝てるとは思えない。
盾を操るための氷もまだまともにできていないし、時間はない。
「『Fレゾルーション』『F精霊剣・ハルモニア』」
千早をはためかせ彗星のように軌跡を描き、弾けるように飛ぶ。白亜の15倍は速いと思います。俺の40倍くらい。
太い風切り音を響かせながらレーヴァテインが迫る。さらに全方位から火球と火炎放射までくるおまけに気温も急上昇だ。
最悪である。
とりあえず火球は軽く盾で防いでは流す。
レーヴァテインは絶対に受けないようにしながら地面にいなす。受けたらイザナミでも壊れる上に精霊剣・ハルモニアのせいでHPとMP吸われて意識を一瞬飛ばされる。多少打ち合った程度ではイザナミは壊れないし、時間経過で耐久値が回復するが壊れることには変わりない。
ズガーンっと剣で地面を叩いたとは思えない音を鳴らして砕く。っていうか爆発する。返しの刃ともう一本の巨大な剣が十字を描く。
レーヴァテインを黒色大剣の方に流そうとするが流す直前で止まり突きに切り替えられる。
半身ズレて避けながらこちらもイザナミで突きつつ黒色大剣を白狐で上に流す。
イザナミは避けられ、いつの間にか黒色大剣から離されていた左手に剣を掴まれ投げ飛ばされる。
その勢いを殺しつつ壁に着地、ジーンってきた、足ビリビリするどころかヴァルキリーレッグの金具が衝撃で壊れた。
「『アイスヒール』」
攻撃の余波と接触による精霊剣ハルモニアのHP吸収、インフィニティブラストによる火の波状攻撃に晒されたことによってすでにHPが3割削れていた。
セラフィナイトの追加HPも消えてるので合計7割は削られていたってことだ。
およそ3秒の出来事である。
これ多分勝てない。
吹き飛ばされている間に時間は経ち、死の宣告をかけられてから10秒経った。
残り50秒の命、シアのHPは一切変化していない。
無理ゲー乙。
どんどん気温は上がり、気圧も上がり、湿度は下がり、俺にとって不利なフィールドになっていく。
シアは空が赤色に染まるほどの火を生み出して今にも撃たんとレーヴァテインを天に掲げながらすごいニコニコしてる。
どう避けるかな、あれが張りぼてである事を祈ってスピラルリッパーで突き抜ける。空を全力で飛んで逃げる。迎え撃つ。
このうちのどれかだが張りぼてではないだろうし逃げながら迎え撃つという感じで行ってみようか。
あの数をまともに迎え撃つのは無理。
「『強制"動くな"』」
「ふぁっ?」
状態異常に強制"動くな"が追加された、セラフィナイトのステータス上昇でMND上がったからレジストする確率あったと思うんだけど、マジですか。
……何もするなとか自害とかされなかっただけマシか。
歩いたり空飛んだりできないだけで腕やらは動かせる。動くなって命令なのに動かせる。
矛盾しているがおそらく命令時の意思とかが関係してるのだろう。
インベントリから配布されていたHPポーションを全部出し、口に含んで残りは宙に凍らせて置いておく。
アンクレットからあふれ続ける水と操水で水を生成、カーテンを作り、翼を盾にする。この翼の元は火耐性のマントだし防御できるんじゃないかな。
「準備いい?いくよ」
やはり待っていた。吹き飛んでる最中に追撃しないのか疑問だったが、やはりか。
これ受けてる間に25秒経ったりしたら勝ち目ないよ、イルミナル・イリスもセラフィナイトも切れちゃって死ぬしかないよ。
火の槍が断続的に俺のいる場所をめがけて降り注ぎ、火のレーザーやら爆発する火球やら様々なものが飛んでくる。
ほぼ全てを盾で受けて耐える。冷やし続けて氷を纏わせて盾が窪み、割れ、砕けても氷で繋げて耐えさせる。
翼と水のカーテンで少しは弱まるけどあんまり意味がない。
受け流してもとんでもない精度でホーミングしてくるから意味がない、受け流せない。
スピラルリッパーいつ撃つか、今の所耐えれてるしいいか。
口に含んだポーションを飲み干し凍らせたHPポーションの中身の塊を溶かして飲む。そして、
「『アイスヒール』」
10秒経った。強制は切れそうにない。
耐える。……黒と白のものがチラッて見えた。
風切り音、予想して防御を解除し剣で流す。凍らせていた盾が剣圧でまた溶けて砕ける。凍らせる。
「『Fナイツオブラウンド』」
「『ホーリーウィンド』!」
火の群れをホーリーウィンドで追いやり、集中。
重いはずの特大剣とは思えない速度、初撃は勘で流したが振り始めから振り切るまでが大体0.06秒、頭おかしい。
流した方向にあった不壊であるはずの壁が紙切れのように吹き飛び、引き千切れ足場としていた壁も巻き込んで爆散する。
これが後12回、とんでもないことだ。
剣二本ともはや原型をとどめていない盾二つでは耐えれない。まずそこまで早く動けない、だから剣二本も水纏わせて操り腕を空ける。
経験則と勘で12手先まで読み、推定される攻撃方向へ剣と盾を向かわせて後は腕と足でなんとか流す。
実際に頭の中にあったのは「やばい」の三文字であるのでそこまで考えてアクアは行動してはいなかった。
2手目、白狐を投げつつ流した。
3手目、足で流した。その結果ヴァルキリーレッグの表面が削げおち燃えたが。
4手目、1手目の時点で傾かせておいた盾に滑り、流された。
5手目、イザナミで流した。ポーションで回復し始める。
6手目、剣の腹に白狐が当たり方向がずれて盾で滑らせた。
7手目、イザナミで手首を撫で斬りつつ空いた左手で流した。
8手目、足狙い、予測が外れた。何もできないので無視する。右膝から下と左足の先が鎧ごと消し飛ぶ。スピラルリッパーの詠唱がキャンセルされる、HPがさらに減る。精霊剣ハルモニアの効果で意識が飛びかけるがギリギリ踏みとどまる。
9手目、左膝で微妙に流す。盾に当たってしまい、木っ端微塵に砕け散る。
10手目、イザナミで流す。
11手目、……どうしようもない、間に合わない。8手目で予測が外れた時点でほぼ積んでいた。正中線を叩き斬られる、頭は避けたが無意味だ。
12手目、まだ動ける。だが意識はない、戦う気もない。
だけど思いのままに本能で体を水に還しつつ切り飛ばされた左半身で剣の腹を殴り攻撃を頭部からズラす。
水が燃えた。
13手目、水になった。コアと思われる部分を黒色大剣の進行方向から動かす。首のあった場所が消滅した。
「『アブソリュートエンド』!」
首を目掛けてイザナミを振るう。光の剣がコアを直撃して吹き飛ばす。
……虹色に輝いたままの黒剣は空いた手で受け止められていた。
4章終了です。投稿間隔がまた伸びます。
この章がいるかどうか作者的にも疑問ですが、こういったPVPイベントはなんかよくあるやつですし……うん。
とりあえず出来る限り短めにしました。
あと禁じ手のヴァルキリーライズ付きセラフィナイトですがそれよりもヤバいのが魂の浄化です。これ使ってたら開幕1秒で全員倒せてました。
即死耐性とか基本的に存在しませんし、魂の浄化自体の即死確率がほぼ100%な上回避不可、無属性超大ダメージなので。




