3-8 羅刹の世界
ああああ！予約投稿したつもりがしてない……！！
飛び出した勢いのままキメラはシアを翼で薙ぐ。
「やっば！」
「死ぬのいや」
「うおおお！？爆弾くらうのじゃ！」
落ちるように翼を回避し、背中にいたハーベスト様がハンドベルのような物体を投げる。
それは狼の胴体にあたり、赤い火を放ちながら爆発。
HP6%を持っていくが爆音のせいで他の敵も移動してくる。
「イルミさん、かなり揺れると思います」
「いいよ！行っちゃって！支援は！？」
炎翼を開いて瞬時に最高速度を出して一旦離脱。支援は……適当でも勝てるだろ。
「軽くお願いします。『Fセラフィナイト』『F魂の浄化』『Fスピラルリッパー・詠唱』」
「第一から第七まで、発射！」
魂の浄化で54%HPを削り、ロケット花火のように印石やら薬品の詰まった球体が飛び、破裂。
バフウィンドウに物攻+魔攻+パリィ成功率+被ダメージ半減(2回)風の守護,全属性耐性,再使用時間-2秒が追加される。
全部バザーで買うとしたら3万はする。特に再使用時間軽減アイテムが高い。
効果時間は3分。
「殲滅！『Fレゾルーション』『Fバーサク』」
「了解です！」
「がんばれ『鼓舞』」
最初にキメラがレーヴァテインにて切り落とされ、次にトンボの群れ、ナパーム爆弾(仮称)とインフィニティブラストで焼き払われ全滅。
海賊らしき格好をした者共が銃を撃ってきては、空飛ぶ武器の群れがホーミングしながら飛んでくる。
銃弾はミサイルプロテクションの印石を使用して、風の守護と合わせて弾の方から避けるように。
武器の群れはホーリーウィンドで吹き飛ばして、俺は海賊団に突っ込んで全員斬り殺す。
海賊団の右奥に見えたのは竜、まずいか？
声を張り上げてシア達に報告する。
「次！竜の群れです！」
「うげぇ、ブレスか……」
シアが心底面倒くさそうな声を漏らす。まあ、空飛んでしかも範囲攻撃持ちとなると面倒ではある。
シアにかかれば一撃で全て死ぬであろうことは間違いないが数が数だ。
一斉に放射されれば避けることもできずに背中の幼女達が死ぬかもしれない。
「あ、階段あるよ！」
イルミさんが左奥を指差す。竜との距離はまだある。
「階段に壁作りながら逃げるのはどうじゃ？」
「そうしよっか！」
意外と広かった塔の内部を飛び抜け、階段へと飛び込み、ストーンフォールの印石をいくつか投げる。
「すぐ突破されそうじゃがのぉ」
「逃げる時間稼げればいいよ」
「階段抜けます」
【毒溢れ 羅刹 蔓延る 混沌の 墓場】
見えたのは墓場。空は暗く、月も星も見えず黒い雨が降っている。
「毒の雨かな？」
「リジェクトポイズンは20個ある」
「抗体ポーションとかレジストの方が良さそうだね、作るから待って」
「素材持っとったかのぉ……」
雨なら操れるか……？当たらないようにする程度ならできそうだ。操水のレベルも上げないと、今のままだと使い物にならない。
「んー……暗視いるかな？」
シアがポツリと漏らす。月は出ていないから精霊種族の夜間暗視には頼れなさそうだから……
「一応飲みます、翼が光を放つので居場所はバレると思いますが……」
「微妙に不便だよね、その翼」
でもカッコ良さで打ち消されてる。それに火属性耐性が優秀だしね。
「はい、それとリジェクトポイズン一個ください。ちょっと当たってみます」
「ん」
「いや、必要ない『アイテム鑑定』、通常毒lv4と強酸lv2じゃな。我と黒、アクアは大丈夫じゃが二人は着替えるか耐酸コーティング被るかした方がええ」
「うげ、酸もあるの？着替えるからテント出して」
「ん、イルミは？」
「着替えます」
こぉれはシアの巫女服完全バージョンがきますね……イルミさんと合流してからは巫女服を脱いで千早とエルフ装束になっていた。
階段出てすぐの掘っ建て部屋にテントが二つ並ぶ。狭い。
「「「グォオオオン！！」」」
咆哮が掘っ建て小屋を震わせる。もっと強い個体なら咆哮だけでこの小屋吹き飛ばしそうだな。
「竜きた」
「やりますので支援お願いします」
翼を再度展開し、抜剣。
「ん『鼓舞』」
「我は必要ないかの？」
「作成に専念で『Fイルミナル・イリス』『スピラルリッパー』『Fヴァルキリーライズ』」
階段から上ってくる火を纏った小さな竜と放電する足の長い犬のような竜。
迎え撃つように氷の螺旋槍を纏って飛び、下りる。
火のブレスはデュナミスヴォーチェで消し飛ばし、何条もの雷は氷の槍に巻き込まれて散る。
「『Fヴァルキリーレイド』！」
火の竜に氷槍が突き刺さると同時に踊り斬り、HPを全損させる。
「次！」
「支援いらなそう」
予想以上に羅刹の防御力低下が大きかったので竜も余裕……
猫パンチするように放電竜から腕が振るわれるがSTRに物を言わせて弾じ！？
「っつ！？」
「やっぱ支援いりそう」
こっちがはじき返された。羅刹の攻撃力増加もかなり大きいな、攻撃力増加と言いつつSTR増加もあると見た。そして弾かれただけなのに26ダメージも受けた。
普通に攻撃食らったら即死だな。
壁に着地して飛ぶ。次は弾かずに流す。地面に足つけてりゃいけるかもしれないが空飛ばないと頭狙えない。
「クォオオン……」
こっちを無視して上へ向かう竜、面倒な。
「『F魂の浄化』」
「キュォオン！？」
竜の周囲に闇の針が出現、一瞬で突き刺さり体を青く燃やす。
全快だったHPゲージが減少することもなくヒビ割れて砕け散る。
最初から浄化使っときゃ良かった。MP勿体無いけど。
「死ぬかと思った」
「ゴールドクロウも即死なんじゃし魂の浄化強いの」
キャラlvの半分のMP消費なんだしそれくらいはね。
ピコーン、という効果音とともに目の端に
【特殊神聖魔法:付与を習得しました。】
【武術:パリィlv50になりました。】
【武術:パリィの派生進化が可能です。】
というログ表示が見える。
「特殊神聖魔法生えました！」
「なんじゃと！」
「何でた！？」
ステータスで詳細見るか。
€==≦ステータス≧========;
LV.41 name.アクア
ウィンディーネ・光・氷精種
Job.双聖剣士:救恤
HP:38/44+29 MP:41/72+8+4
STR(力) :116+16
DEX(器用):40+0+2
VIT(耐久):50+33
MND(精神):138+21+4
INT(知力):47
AGI(速度):83+12+7
LUK(運勢):76
BP:12
∥--スキル--------∥
［聖剣術:ホーリーウィンドlv57］
［聖剣術:セラフィナイトlv31］
［二刀流］
［神聖魔力］［回復魔法の熟練］
『種族特性:水操lv3』『種族特性:水探知lv3』
『種族特性:冷凍lv3』
【死神の加護】MND基礎値を2倍
【特殊神聖魔法:魂の浄化lv18】
【神聖魔法:レベレイション】
(双聖剣術:イルミナル・イリスlv22)
(双聖剣術:ヴァルキリーレイドlv33)
(聖剣術:デュナミスヴォーチェlv25)
(聖剣術:ヴァルキリーライズlv26)
(精霊魔法:フェアリーウィッシュlv49)
(氷精霊魔法:アイスヒールlv44)
(氷精霊魔法:スピラルリッパーlv47)
(特殊神聖魔法:死の服従lv2)
(特殊神聖魔法:付与lv1)new
(武術:パリィlv50)派生進化可能
(聖剣の担い手)
(MP自動回復lv11)
(白兵魔導)
∥--装備----------∥
≪右手≫『イザナミ+3』ダメージ倍率×3.3 邪悪な存在に特攻×2.0 MND+7
不壊 死神の聖印として扱われる 無限に成長する
≪左手≫『白狐』ダメージ倍率×2.0 STR+3
≪頭≫『ムーンリボン』(MP+4 MND+3 全装備耐久値減少を軽減)
≪胸≫『ヴァルキリーブレスト』(HP+6 VIT+9 MND+2)
≪鎧下≫ 鎮魂のワンピース+1(MP+4 VIT+4 MND+3)
≪腰≫『ヴァルキリーメイル』(HP+5 VIT+8 MND+2 AGI+2)
≪腕≫『ヴァルキリーガントレット』(STR+8 VIT+4)
≪足≫『ヴァルキリーレッグ』(VIT+5 AGI+10)
≪背中≫『ベレヌス』(HP+10 VIT+3 火耐性+20%)
翼となる 不壊 無限に成長する
・装飾品
≪首≫ 気品のある天使のペンダント (HP+8 MND+3)
≪右耳≫精霊の祝福を受けた高品質な炎と力のイヤリング(STR+4 火耐性+10%)
≪左耳≫精霊の祝福を受けた炎と力のイヤリング(STR+3 火耐性+10%)
≪右手≫永遠なる安寧の指環 (MND+3 精神異常耐性・強)
≪右足≫絶たれた鎖(束縛系状態異常を軽減)
≪左足≫死神に祝福された身代わりのミサンガ(HPが80%以上の時、HPが0になる攻撃を受けてもHP1になる。残り4回)
装備限界に到達しました。
€================
……めっちゃ短いよな、付与って。
装飾品は踏破ツアー開始直前にもらいました。死神に祝福された身代わりのミサンガはハーベスト様がツアー中に作ったらこうなった。
それまではただの祝福された身代わりのミサンガでしかなかったのだが。
先にパリィを進化。すぐ終わるはず。
#==スキル詳細==========
武術:パリィ lv50
受け流し、弾き返し、いなし、叩き落としといった防御性回避行動を行う際にSTRとDEXをスキルlv分上昇させたものとして扱います。
派生進化可能
以下より選択してください。
武術:パリィⅡ 通常進化
受け流し、弾き返し、いなし、叩き落としといった防御性回避行動を行う際にSTRとDEXをスキルlv+50上昇させたものとして扱います。
パリィに失敗した際のダメージをスキルlvに応じて軽減します。
武術:受け流し 派生進化
受け流し行動時のDEXをスキルlv3倍+50上昇したものとして扱う。
いなし時のDEXをスキルlv+50上昇したものとして扱う。
弾き返し、叩き落とし時のSTRを+50したものとして扱う。
……
…………
#============
他は武術:受け流しと似たような感じで弾き返しといなし、叩き落としがある。
パリィⅡど安定だな、全部の行動やるし。
次に付与を見る。
#==スキル詳細==========
特殊神聖魔法『付与』
MP消費:5
対象:単体 射程:スキルlv依存 再使用時間:30秒
効果時間:スキルlvに依存、対象スキルが持続スキルの場合そのスキルの持続時間は対象スキルに依存。
死神の特殊神聖魔法。
このスキルの使用直後のスキルをありとあらゆる存在に付与できるスキルに変更します。それらは消費するエンチャントとして付与されます。
アイテムに付与されたスキルの効果は半減します。
同じ対象に一つまでしか付与できません。
付与アイテムは一人3つしか持てません。
アイテムに付与したスキルを発動する時には魔力を込めるか、【付与解放・？】と宣言します。
？には付与した順番が入ります。
この順番の数え方は付与されたアイテムをキャラが取得した順番となります。アイテム詳細にて確認可能です。
キャラに付与されたスキルを発動する時には付与されたスキルを意識し、【付与解放】と宣言します。
#============
死神様の特殊神聖魔法は全て強いです。
だってアクアを常時見てるから欲しい力がわかりますし、死神様自体が神様の中で最上位ですし。
ちなみに精霊の神を信仰したとしても特殊神聖魔法とかは生えません。レベレイション自体が存在しないので大前提の信仰が存在しないのです。
