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3-6 エルフの里

 試験的に地の文を弄ってみました。投稿直前の見直しで変えたので変でしたら言ってください。


見難かったらごめんなさい。




 

 木に作られた家と家をつなぐ広場の端で俺はボンキュッボンのエルフを盾にしている。

 それを囲むエルフ34名。武器は弓と短剣、毒矢やら撃ってきたことを考えると他にも小道具は持っているはず。


 さらには魔法。この数から一斉に撃たれたら流石に捌き切れない。


 弓を下ろし、苦虫を噛み潰したような顔で空色髪の長っぽい豪奢な服を着たエルフが一歩前に出る。


「攻撃はやめた。彼女を放してもらおうか」


 さて、もしこの一声で離せばどうなるだろう。俺の脳天に風穴が開くだろうか。それとも魔法でも飛んでくるか?

 どちらにしても危険であるし、まだこの優秀な(エルフ少女)を手放す気はないが。


「ま、ぁ待て、んーあー…あー。『アイスヒール』」


 精霊回復魔法の全悪性状態異常軽減の効果で状態異常のアイコンは全部消えた。操霊回復魔法だと呪いと精神状態異常は回復できないが、神聖と精霊回復魔法なら可能だ。


 #==pt_chat==========

 アクア:攻撃せずに降りてきて

 leader.シア:おk

 ハーベスト:どうなってるんだ?

 くろいろ:さあ

 #============


 空からシアが下りてくる途中、ザワッとしたが盾のエルフの首をちょっと切ったら静かになった。

 聖系武器使いとか神官だと血のエフェクト出ないんだけど流させようと思うと出るみたいだね。


 実に便利だ。脅しやすい。


「……もういいだろう?離せ」


 焦っているようだがそうそう離すわけがないだろう。

 俺は努めて優しい声で、そして穏やかににっこりと微笑んだ。


「離した瞬間撃たれないとも限らないからね、このまま話させてもらいます」

「……」


 ……よし。エルフ達から視線を逸らさずに明るめの声で。


「シア、お願い」

「えっ?私?」

「エルフ同士の方が話しやすいと思いますから」


 まあいきなり任されたら驚くよね。

 でもヴィゾヴニルが言うには精霊の巫女らしいからな、シアは。


 漂う精霊パワーでエルフから尊敬を集めると思うし?

 俺も一緒にいるだけで落ち着く。それはシアの人柄ゆえなのか、精霊の巫女の力なのか、仲が良いからなのかは知らないが。


「んと、私たちは殺し合いに来た訳ではありません」


 肩に担いだ太陽を想わせる紅蓮の巨剣をインベントリに放り込みつつ、俺の前にシアは出る。


「ただこの地で私たち以外の人を探していただけなのです」

「……なるほど?」

「……えっと、それだけです」

「…………」


 話し合いにすらなってないんですが。

 でも来た理由ってそれだけだしなぁ、人というより生き物を探してたっていうのが正しいが。


「嘘はないようですよ。ベロルド様」


 なんか奥の大きい家から桃色長髪エルフ巫女が出て来たぞ。


「……ふん。……いきなり攻撃した無礼を詫びよう。こちらとて人を見るのは久方振りなのだ」


 強張った表情が解け、会釈する程度に頭を下げた。

 ……お?いい感じ?今の内に盾エルフ離しとこ。


「ごめんね、『アイスヒール』」

「……こちらこそ」


 あらやだ謝ってきたよこの子。

 もうちょっと可愛げない奴盾にしたかったな、罪悪感湧くじゃん。


「うんいいよー、だけどなんでここには生き物がいないの?」


 シア、うんいいよーって……気が抜ける。


「それはわからない。我らが生まれた時にはすでに私たち以外は存在しなかった。……稀に現れるコネクターを除いては」

「コネクター?」


 ヴィゾヴニルも俺らの事コネクターって呼んだりしてたな。質問しづらくて聞けなかったけど。

 和訳すれば接続者だが、VRゲーム機でこのゲーム、ユグドラシルコネクト・オンラインに接続している者達の総称なのだろうか。稀に現れるコネクターっていうのは運営側の人間って感じで。


「産まれ出た世界樹に縛られない者たちの総称だ。知らないのか?」

「うん」


 シアが頷くと共に俺もコクリと頷いておく。ってことは普通ならば産まれ出た世界樹に縛られるってことだよね。

 それは先天的に出れないと決まるのか意思の問題なのかは後で聞いてみるとして。


「そうか。不思議な者たちだな。お前たちは何処から来た?」

「ええっと、あの樹!」


 シアがビシッと俺たちが来た方角に指を指す。

 ……薄くボヤける距離まで来たんだなぁって。

 それでも10分ちょいしか経ってないってやっぱおかしいよな。

 あと良く方角覚えてましたね、うろちょろしたから方角わからないと……あ、樹が見えるからわかるか。


「虚実の樹から来たのか!?」


 虚実、ヴィゾヴニルが言っていたな。嘘と誠、嘘とは何が嘘なのか。そこに存在するならそれは真実であるはずなのに。


「この方々は異界のコネクターです。不思議はありませんよ」

「異界者だと?」

「ええ、これからさらに現れます。我々に何をもたらすのかはわかりませんが」


 異界のコネクター、異界、このゲーム内でNPCにプレイヤーと発言しようとすると異界の樹の者と勝手に変換される。つまりは異界っていうのは現実の事だろう。


 それならば結構いるのは間違いない。空を飛ぶ手段を手に入れればここにもくる奴らが現れるだろう。


「あの樹の名前は?」


 女子高生ルックのくろいろちゃんが喋りに行った。


 指差した方向にあるのは外に出て最初に見えた樹、近くなったがそれでもまだ遠い。


「あれは巣窟の樹だ、たまにあそこから化け物が這い出してくる」

「あそこに向かうのはおすすめしませんよ。アーリマンばかりが集まる不浄の樹ですから」

「レベル上げの樹?」


 言っちまえばそういう事だな。アーリマンなら確実に邪悪な存在であるから俺との相性もいい。そのうち行ってみようかな。


「確かに階位を上げるのには適しているでしょうが、あそこはあまりにも危険です」


 ああ、そう?危険?どっちにしてもいつか行くけど。

 スッと白い手と腋、腋出てないのかこの巫女服。……手を明後日の方向に指した。


「おすすめするのはあちらの方向にある仙霊の樹。人が住んでいますし、精霊の力が強いですから」


 メモった。次のエリアは仙霊の樹だな。方角もなんとなく理解。しかしそこそこ遠そうだな……


「なるほど。感謝、お礼に何か作ってもいい」

「そうじゃな、何かできることはあるかの?」


 このまま帰るつもりだった、いかんな、日本人として礼儀は大事だ。

 無気力+面倒くさがりっぽいけどその実作業のような行為が得意で好奇心も強いくろいろちゃんと、痴女みたいな服着ながら女子力の高そうな刺繍やら宝石細工が得意なハーベスト様を見習わなくては。


 あ、痴女みたいな服は見習わないけど。


「では錆びない金属の武具を」

「それくらいなら構わんの」

「丁度素材ある」


 そんなもん採取したっけか?……あ、巨大なシルバーゴーレムのダンジョンボス討伐したしあるか。

 俺のインベントリはくろいろちゃんに素材全部渡してるからスカスカだがな。


「巫女殿、金属とは?」

「木や石よりも鋭く、長持ちする物ですよ」


 エルフが金属の装備求めるとかこのファンタジー世界すげーな。そりゃあ木とか石よりは丈夫だけど、エルフって金属使わないイメージがある。


 場所の準備をする、と言って長エルフが去っていくと他のエルフもシア達も解散となった。


 エルフ巫女の肩をちょいちょいとつつき、話しかける。


「ありがとうございます、貴女がいなかったらまた戦いになっていたと思います」

「いえ、巫女は精霊を助けるのが役目ですから。それに精霊たちがあなた達と争うのをやめろとうるさかったので」


 精霊の巫女は巫女服が基本なのか。俺も着ようかな、なんて事を考えてると巫女さんが「それと」と言い、俺の耳元で囁いた。


「ヴィゾヴニル様に頼まれましたから」


 ……はい?


 そうアホっぽい声を出し、悪戯っぽい表情を浮かべた巫女さんの端正な顔を凝視したのも無理はなかったと思う。



 

 神官と巫女の違いは、うーん。説明しづらいですが。


 神官はローブ着てる。巫女は巫女服着てる。

 神官も巫女も神聖魔法側、精霊魔法側両方に存在する。

 神官は信者を増やす、除霊する、人々を助ける。


 巫女は神自体を助ける。

 精霊の巫女の場合、精霊神の眷属であるサラマンダー、ウィンディーネ、などのその他精霊も助ける。

 精霊の巫女はエルフと対象の神の眷属しかいない。エルフの方が圧倒的に多い。


 ドワーフは原初はエルフ巫女の小間使いとして生み出され、精霊に関わるが直接関わることはないといった立場であり、特に何かの精霊の眷属というわけではない。


 火精霊魔法とか土精霊魔法が得意なイメージがあるが、別に得意ではない。精霊魔法自体が得意である。



 神聖魔法側と精霊魔法側の両方に神は存在する。


 神聖魔法側

七色神(虹の色の7色それぞれの神と白の神)

死神(信者はアクアのみ)


 精霊魔法側

サラマンダー(火)の神

ウィンディーネ(水)の神

シルフ(風)の神

ノーム(土)の神

オーディン(雷)の神

ヴィゾヴニル(プレイヤーに確認されていないためプレイヤーの信者はいない)


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