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3-5 世界の果てにあったもの

 

 じゃんじゃんばりばり攻略して推奨lvの高いものを掲示板で調べて移動していくうちになんか変なとこに着いた。


 現在の現実時刻は7:30、そろそろ街に戻ってイルミさん待った方がいい時間帯だ。


「なんだろこれ、壁?」

「としか思えませんね」


 ダンジョンでもなんでもない外なのに枝の壁があるのです。高さはわからないほどに高い。さらに遠くからだと一切見えなかったのに近づいたら見えるようになった。


「私掲示板見てみるね」

「『アイテム鑑定』、……壁ではないのぅ。まず鑑定できなかったのじゃ」

「アクア、魔法どーん」

「了解、離れててね『スピラルリッパー』!」


 氷の槍はそのまま枝の壁?をすり抜けて消える。


 ……ほう?


「あ、わかった。今話題になってるみたいなんだけど、これ世界の果て、というよりこのエリアの境界らしいよ。外に出れるんだって」

「行こう」

「外は魑魅魍魎が跋扈するとんでもない場所だったりしないかの?」

「特に敵は見えなかったらしいけど出ると空中みたい。空飛べるから大丈夫だね」

「行こう!」


 背中でくろいろちゃんがゆっさゆっさと体を揺らす。くろいろちゃん好奇心旺盛よね、無気力な感じで死にたくないが口癖なのに。


「ならば20分ほど探索して帰るかの?」

「そうしよう」

「じゃ、ちゃんと掴まっててくださいね」

「またしても最前線だねー」


 天空大陸の時といい、な。


 #==PTメンバー==========

 leader.シア 双大剣士・精魔lv42

 アクア 双聖剣士・救恤lv40

 くろいろ 武器鍛治士lv37

 ハーベスト 装身具製作士・精魔lv36

 #============


 枝の壁をすり抜けて外に出た。

 振り向くと葉っぱしか見えない。


「ん、んー?」

「天空大陸から見た景色に似てる」

「そうじゃな、木ばっかじゃ」


 下には延々と広がる森。草原だとか土地の見える場所は一切ない。

 前方をよくみると超デカい樹が見えなくもない。


 これは……


「これタイトル画面に似てないですか?」

「ん、確かに」

「だね、掲示板でも言われてた」

「考察より移動しようぞ」


 なんだかやっとスタートラインに立った気分だ。

 遠くに見える樹はユグドラシルだろう。


 βテストでも今まででもユグドラシルコネクト・オンラインという名前に対してユグドラシル、世界樹らしい存在が確認できなかった。


 遠くに見える樹に向かい飛び、後ろを振り返る。

 出てきた木はまだ葉っぱしか見えない。


 飛ぶ。


 飛ぶ。


「恐らく今までいた場所も世界樹だった。大きすぎて今までわかってなかっただけ」

「じゃろうな」

「ワールドコネクトの樹バージョンって感じなのかな?」

「発売発表時の予想と一緒ですね」


 あっちは門だったな、こっちは空飛んで移動とかだる過ぎだろ……


「うーん、全然近付かないね」

「現実時刻は……まだ7:32か。どうするんじゃ?」

「下に何かないか探す」

「何かあったとして空からの目印作れるでしょうか?」

「我がなんとかしよう」


 さすが生産特化のハーベスト様やで……

 鎧、服、宝石、薬、家具、道具、さらに魔法細工となんでもござれだからな、残った武器系統はくろいろちゃんが全部できるし、修理もできる。機械のようなアイテムは二人とも作れる。生産・機械なんてものはまだ発見されていないので完全にプレイヤースキルである。


 万能だけにできることも多いが、やはり性能はバザーの一級品にはほんの少し劣ってしまう。色々手を出しておきながらほんの少ししか変わらないってあたりプレイヤースキルの高さが伺える。


「ごーごーアクア」

「はーい『アイスヒール』」

「探知系のアイテムを作るのであまり飛ばさんでくれるか?」

「了解」


 森を眺めながら飛ぶ。近くまで来るとほとんど全ての樹が非常に高く伸びていることがわかる。動物は見えない。


 ……背中でもぞもぞとくろいろちゃんが這いずってくすぐったいのが気になる。


「何してるんですか?」

「爆弾投げようとしてる」

「……はい?」


 訳わからん、なんでだ?

 くろいろちゃんのことだから何かすごい発想なんだろうが……


「ぽーい」


 危険!と大きくラベルの貼られた球体が落ちていく。

 空中で分裂、そして木に当たると同時に爆発。


「わ、なにやってんのくろちゃん!?」

「クラスター爆弾じゃな」

「……生き物いない?」

「……あー!なるほどです!」


 物音したら動物逃げるもんな、しかもあんな音の出る攻撃したら一目散に逃げるだろう。

 敵だとしたら向かってくるだろうが、それすらいない。


「みんなと相談してからやろうね、くろちゃん?」

「忘れてた」


 忘れてたと言いながら、誇らしげに親指立てるのは全く反省の色が見えないのですが。


「とりあえず敵探知アイテムはいらんの」

「これぞ漢探知」

「なんか違うくない?」

「『アイスヒール』威嚇射撃ですかね?」

「じゃあそれ」

「それの方が違うと思うよ……」


 敵がいない、となるとただの移動用マップか?ランダムダンジョンとかないのかな……


「できたぞ、人工物探知、名づけてアーティファクト・サーチャーじゃ」

「使い捨て?」

「50回までは保証できるがそれ以降は確率で壊れるの。10km以内で一個でも探知したら反応するだけじゃが」

「大雑把な探知としては十分じゃない?」

「ですね」

「シアに預けとく。次はアーリマンサーチャーでも作るかの」


 アーリマンはゴブリンやらオークなどの人族に敵対するやつらの総称である。蛮族でも通じる。


 でも死神は邪悪な生き物だとしか言ってなかったよな。神様界隈ではアーリマンとか呼ばないんだろうか?


『そうだね』


 そうらしいです。……おおう、謎の神託が。


「収穫様、これ魔力込めればおけ?」

「そうじゃ、MP消費1じゃな」

「ほいほーい……反応なし!」

「移動」

「了解です」


 これを繰り返して移動していく。

 アーリマンサーチャーはさらに範囲広げて300km、これも何体いようがただ反応するだけ、しかも敵に探知したことがバレる。


 まあいないから意味ないんだけど。






「なんもない」

「56回目、いくよー……」

「ないですか?」


 ピー!ピー!


「「「「おおおお!」」」」


 やああああっと!来た!つまらない飛行しかしてないせいか時間が経つの妙に遅いし、体感的には1時間は飛んでたんだよね。


 でもまだ現実時刻7:43全然時間経ってない。


「『アイスヒール』次の範囲小さくしたやつを!」

「えっとえっと、おりゃ!」


 ピー!ピー!


「1キロ以内。近い」

「500mの方向探知じゃ!」

「そい!……7時の方向!」

「下りますよね?」


 空からだと木に遮られてほとんど見えないし。


「方向ブレるかもだし、私は空にいるね」

「了解です」


 ってことでくろいろちゃんをシアに渡して私だけ下りる。


 いつでも空を飛べるように翼は展開しっぱなしで森を移動する。

 根っこが大きすぎて飛ばなきゃだったり、地上を普通に移動するのは非常に大変だろう。


「ズレた〜上見てー」

「はーい」


 この森の中では俺は小人だな。そうとしか表現できない。元より小人のパルームとほぼ同レベルの身長だっていうのは置いておく。


「っと、……あれか!」

「うーん?何があるの?」

「ツリーハウス!っ!?」


 かなりの速度で何本か矢が飛んできた、なんとか頭は避けたが肩の鎧を貫通した。木の下に飛び込む。


「アクアっつ!?」

「なんか飛んできた」

「え?なんじゃ、何が来たんじゃ?」


 毒盛られてたっぽいな、手が痺れて動かなくなってきたし声が出ない。

 幸いキュア・ポイズンの聖水があるので飲み干す。


「ぁ、……す、ひぃぅ」


 スキル宣言は無理か、微妙に効力足りなかったみたいだな。

 体は動く。翼も動かせる。


 風を切る音。翼を使ってすぐに木から離脱。

 一瞬遅れて袋のくくりつけられた矢が刺さる。

 毒の霧か爆弾か、どちらにしても逃げる。


 矢の刺さった向きから推測してその方向へと飛ぶ。

 空に向かっていくつも矢が放たれ、こっちにもいくつか放たれるがその全てを剣で叩っ斬る。


 パリィは声出なくてもできんだよ。


「ぃね!」


 無数にいるエルフっぽいやつの弓をいくつも斬り、短剣で襲いかかってくるやつは弾いて組みつき盾にする。


「こぉげぃをやめろっ」

「……撃ち方やめ」


 こっちに理解できる言語喋るんだな。


 盾にしたのを無視して攻撃してくるやつらだったら殲滅しかなかったが、これなら会話できそうだな。


 PESの奴らしかいないし。





ここの戦闘好き。


皆さんの好きな戦闘シーンは何ですか?って聞きたいけど投稿してある中だと戦闘がまだ少ないですね。


それとストックがそろそろやばいのでこの章が終わったら投稿間隔が伸びると思います。隔日かそれ以上に。


死神からたまに飛んでくる神託ですがアクア以外のプレイヤーは未だ神託を受けたことがありません。


街にある図書館や街の神殿にいるNPCから祝福と加護のスキルについて聞けますが、祝福は数人、ですが加護を受けたプレイヤーはいません。

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