2-7 ギルド加入
シアから連絡来るまで、くろいろさんから連絡来るまで、また狼狩り。
朝の4時にギルド加入しても団員が全くいないから自己紹介できないってことで後で加入することになった。
いちいち「新しい人入ってる!」的な反応されるのが面倒なので。
シアが言うにはエンジョイ勢っぽいけどガチ勢も入り混ざったギルドでギルメン同士の交流は多い。ほぼ毎日ギルメンでPT組む程度には多い。
リーダーはエンジョイ勢ぶってるガチ勢でギルド紹介文も気楽に最強目指しましょう。PKは禁止の方向で。っていう文だった。
それと完全勧誘制で全員が別のゲームから一緒にやってきた人たちである。
なんていうか、身内ギルドってやつですな。
#==whisper_chat==========
シア:ギルマスに話通したから入っておいで〜
アクア:はーい
#============
【ギルド:三途の川に参加しました。】
#==guild_chat==========
アクアさんが加入しました。
master.ベジタブル:いらっしゃーい
くろいろ:やっほ
アクア:初めまして、これからよろしくお願いします。
sub.シア:いえーい!
空:昨日ぶり〜
ハーベスト:よろしくー
アクア:いえーい!
master.ベジタブル:顔合わせたいからギルドハウス来てちょ
くろいろ:修理終わったからギルドハウスまで取りに来て
グラム:話題の子キター!♪───O(≧∇≦)O────♪
アクア:了解です。
#============
自分含め人数は13人、今は6人入ってる。
んでギルドハウスは、バザー近くの使い勝手よさそうなところにある。
……あれか、職業連合会のギルドハウスの数十倍大きくて、貴族の屋敷感ある。というか海外の豪邸っぽい。
中も絢爛豪華と評するべき派手さ。白色が多くて、吹き抜けで、サーキュラー階段あって、黒い家具が置かれてる。
あ、シャンデリアあった。
「『…………二テ…………ト』」
うん?吹き抜けのところの通路から緑の和服みたいな民族衣装感ある、
「いえーい!」
「ぴゃあっ!?」
……超笑顔のシアが飛んできた。服が巫女服から戻ってる、ちっ。
あと押し倒してほっぺたスリスリするのやめて、いや、やっぱ……うーん。
でも中身男だって気づいてないからこんなことするんだよな、罪悪感湧いてきたんですけど。
「まったお前はハウス内で飛んで……」
「だって飛ばなかったら私、亀以下よ?」
あ、離れた。起き上がりつつ声の方を向くとムキムキの額に黄色い宝石埋まってる武闘家っぽい黒人がいた。頭上にはベジタブルと表示されている。
野菜っぽさゼロなんですが。
「奥に会議室的なアレがあるんできてちょ」
「あれ実際はダイニングルームなんだけどね」
「今んとこNPCのが料理は上だからなー、誰も料理スキル取ってないし」
ついてこ。しかし、豪華だなこの家。
「では第一回ヴァルキリー歓迎会の時間がやってまいりました」
「アクア、これ」
【修理依頼が完遂されました。】
【装備が返却されました。】
「どうもです」
思考操作でささっとインベントリを開き装備を確認。耐久を見ると新品同然と書いてあった、バッチリだな。
「くろちゃん、流れぶった切らないで?」
「どうせ歓迎会っつってもやることないよな^^;」
感情エモーション出しながら表情はっきり出して喋ってる……すげぇ。
「ないよな」
「あるわ!」
しかし落ち着かない。
ハーベストって巨乳で服が色っぽいを超えて痴女っぽい幼女が凝視してくるし、シアはウィンドウ操作してるみたい。
「野菜リーダーがちゃんと案を持っている……?」
「(゜ω゜)」
「……言うぞ、ここに6人戦闘できるやつがいる」
「野菜が我をハブると?収穫されたいようじゃな」
我とか言いましたよこのドワーフ娘幼女。しかも語尾が"じゃ"でした。
ふむ、のじゃロリ巨乳サキュバス……?ありだろうか。俺としては貧乳の方が好きなのだが。
「黒は戦闘はできない」
「お前は純生産職だろ?くろちゃんは実際後衛じゃん」
「否定はせん」
「そうだよ?」
「話を進める。ってことでPT組んでボス討伐いこーぜ」
「なに狩るんだー?」
「第4ボスの史上初討伐を狙う」
そういえば第1しか倒してないな。倒したら何かあるって事もないし、アイテムもそれほど美味しくはない。第2第3とかβテストだとショボい素材しか落とさないし。
第1はたまに装備落とすし、素材も美味い。
「黒は第1すら倒してない」
「……シア、ゴー!」
「おれは第2まだだ」
「「「俺っ子!?」」」
それよりのじゃロリとかのが属性強いと思うんです。
「あー……他にも第3まで倒してない人は?」
くろいろさん、俺、グラムさんが手を挙げた。
「第2は?」
くろいろさんと俺だけ。
「じゃあすぐだな、くろちゃんはシアとでさっさと第3まで回る。アクアさんは、どうする?」
ソロで回れるし、よし。
「ソロで第2倒してきます」
「んじゃー第3の前で待ってるから」
「第2は弱いしな」
「第1より弱い(*゜▽゜*)」
口々に言いながら3人は出て行った。
「シアよ、我も連れて行け。クエスト開放したいし第3、第4では応援用員にはなるじゃろ?」
「いいよー、第3も第4も二回倒してもいいだろうし」
「多分第4とかシアもアクアもソロで倒せる?」
「確実に」
「推奨lv25でしたよね、あれ」
しかも取り巻きいないから強くなる前のシアでも勝てたはずだ。
「アクアも途中まで送ろうか?」
「お願いします」
「幼女タクシーシア」
「保母さんと言って欲しい」
くろいろさんも小さい。パルームっていう小人だ、ステータス補正は忘れた。多分生産に関係するDEXが上がるんだろう、きっと。
「やっぱ腹立つくらい大きい」
「シアもリアルはもごご」
「言わんでいいから」
バルコニーから飛び立ち、俺の位置は正面から首に手をかける感じの抱っこ、くろいろさんは脇に抱えられている。
ハーベストさんはおんぶだ、つまりはシアに胸を押し付けている。
マジ幼女タクシー。
しかし、いやあ、昨日の会話で予想はついていたがリアルでも女性なのね、シアさん。多分くろいろさんもだが……リアルでは男の俺が女装して抱きついてると考えてみると……通報物である。
でもまあVRエロゲーやらギャルゲーで女性慣れしてるからな俺は。この程度では動じんよ!
リアルでも、まあ、普通に?
魔法使いになるための証は捨ててますし?
あ、風俗じゃなくね?
でもマジで顔近いから、シアが顔こっち向けたら確実にぶつかる距離だから、腕伸ばして離れようとしても腕短くて意味ないし。
……逆に離れたら顔を動かす余地が生まれてしまうのでは?つまりくっつけば首動かしたせいで危うくキスしかけるとかはなくなる……!
そうとなればピタッとくっつき「わっ」顔をシアの背中の方に逸らす。初めからこうしとけばよかった。
でもハーベストさんと目が合い続けるんだけど、これはどうしたら。
「ここら辺かな、アクア、下ろすよ」
「はーい」
「ばいばい」
「のじゃ」
名残惜しさやらそう言ったものは一切感じさせずに普通に下りる。
実際に感じてないし、それより目がハーベストさんと合い続けたせいで謎の羞恥を感じていた。
……さて、改めて乗ってみた感想だが、体温やら心臓の鼓動に息遣いまで聞こえたのでこのゲームクオリティ高いな、と思いました。
新開発のゲームエンジン『VR realconnect_WCC』ってのの広告も兼ねてこのゲーム作ったらしいのでそのゲームエンジンの性能がいいんだろうな。
なお会社名はVR World Create CompanyというVR専門の日本企業だ。
ユグドラシルコネクト・オンラインの前のワールドコネクト(オフライン)ってゲームがバカ売れして一躍有名になった会社である。
空を見上げるともうすっかり遠くの方へ行ってしまっていた。
黒い物がぷらぷらしてる以外は実に静かな高速飛行だ、服がバサバサとはためいていたりしないので一種不気味ではあるが。
さて、第2ボスは、
【大事なもの:巨狼の鍵を手に入れました。】
討伐してさっさと第3ボスの場所へと向かう。
自分の少しだけ前方にスパイラルカッターを発動、発生する直前に起点に乗り、飛ぶ。
びちゃびちゃになるがかなり早くなる。詠唱ありなら結構飛ぶ。
スキルlvで射出速度が上がるのも素晴らしい。性能全般が上昇しているのだが、俺的には射出速度上昇が一番嬉しいのだ。
水に濡れているほうがウィンディーネ補正なのか気分が良くなるし、実際ステータスも上昇してるっぽい。
水吸ったせいで装備重量上がるどころか軽く感じるからね。
#==guild_chat==========
アクア:もうすぐ着きます。
master.ベジタブル:はっや
空:俺らまだなんだけど
sub.シア:第2終わったー
ハーベスト:一撃だったw
くろいろ:STR300超えの化け物
グラム:300超えてるの:(;゛゜'ω゜'):
アクア:さらに空飛ぶ上に速いです。
空:チートキャラだこれー!?
master.ベジタブル:知ってた
#============
よーし、着いた。
……俺もスパイラルカッターで空飛べないかな。二段ジャンプはできるけど。
恋愛要素とかそういったものは無いです。
ないはず。プロットとかないしその場のノリで書くからどうなるかわからないけど。